ちょっと古い小物達(Nokiaの絶頂と凋落を表すシンボル、E71)

手持ちのPDA達を紹介してきましたが、いよいよ直近の一台となりました。

Nokiaがその絶頂期に登場させたキャンディバータイプのフルキーボー付スマートフォンE71です。

Nokia E71

機能的には直前に紹介しました同じNokiaのE61と比較すると、液晶解像度はQVGA(320×240)で変わらず、カメラが付いたくらいでそれ程大きく進化した訳ではないのですが、切り替え式のホーム画面採用、メニューデザインやアイコンもかなり洗練されており、OS側の改善努力も見られます。

また、歴代Nokiaの美点であるバッテリーの持ちは驚異的で、現在のスマートフォンとほぼ同じ1500mAhの容量にも関わらず、一日使ったくらいではバッテリーゲージがピクリとも動かないくらいです(待機状態なら本気で1週間くらい持ちます)。

最大の変更は幅が狭くなり、見るからにスマートなフォルムに変身した筐体デザインでしょう。

これまでのNokiaの携帯はシンプルな北欧デザインと呼べば聞こえは良いのですが、素材やタッチ感などがややチープなところがあり、所有欲が湧く程のデザイン的な魅力があった訳ではありませんでした。

ところが、好調な業績を背景にしてデザインにも力を入れたのでしょうか、金属を多用したちょっとずっしりした感じと(実際には軽いのです)、仕上げの良い表面処理、ボタン類のタッチも大幅に改善しており、同時期に発売されたE5xやE9xシリーズも含めて一気に高級感すら漂わせる端末へと変身したのでした。

Nokia E71 backside

光沢のある金属パネル表面に滑り止めとしてエッチングで細かい凹凸のシボをつけた背面パネル。カメラ周辺部分は大理石を思わせる質感が与えられている。

Nokia E71 Side

ボリュームボタンにもしっかりデザインが施させている。価格競争の厳しい最近の端末ではこのような処理は省略される傾向にありますね。

ところで、これらの光沢を放つデザイン、何かに似ていないでしょうか。そう、当時携帯オーディオプレーヤーで一大ブームとなっていたiPodですね。

あらゆる電子小物やアプリケーションに小文字の(i)が付され、光沢を放つ金属ボディが溢れかえった中、携帯電話でガリバーとなったNokiaも無視することは出来ず、当時のビジネスラインで主力を為すEシリーズの外装デザインにも反映された訳です。

ところで、現在の覇者iphoneがこれほどまでに普及した要因は今更説明するまでも無いですよね。既に当時、一世を風靡したiPadのデザインから大分離れていきましたがコンテンツの考え方は当時のビジネスモデルを更に拡大させています。

一方、当時の覇者であったNokiaはこれ以降急速に市場シェアを縮小、戦略的にも迷走状態に入ってしまいます。

今となってE71のホーム画面を眺めると、現在のスマートフォンより随分貧相に感じませんか?すなわちOSであったSymbian S60の表現力の限界がそこに垣間見える訳です。

もちろん、スマートフォンの元祖だった訳ですからアプリケーションの供給は当時から相応にあったのです。問題は、その開発環境を入手し、開発を行うことが決して楽ではなく、アプリケーションの公開方法も限られていたために普及には限界があったとい側面が垣間見えます。

また、Nokiaがこれだけ普及した理由は「SimFree」に依るところが大きいと思いますが、一方でニッポンのガラパゴス携帯のようにキャリアが用意した痒いところに手が届くコンテンツなどは載せにくく、アプリケーション、コンテンツの供給力でも公開マーケットの手法でアプリケーションが豊富に揃ってきた後発のスマートフォンに対して劣勢に置かれてしまった結果、市場の中で中途半端な存在になってしまった点は否めません。

このような逆風の中、NokiaはSymbianを中核から外し、Microsoftと手を組むことで劣勢を跳ね返そうとしていますが、依然として厳しい状況が続いていることはご承知の通りかと思います。

E71を再び手に持つと、その高級感の中に一世代を築いた覇者が持つ風格を感じると供に、液晶画面に映るちょっと寂しいUIが複雑な心境にさせるのです。

ところで、E71はNokiaの世界戦略モデルでもあり、上陸が遅れていた日本市場へ向けての導入も準備されていました。実際にDocomoとSoftbankから正式にプレスリリースが発表されており、当然のように購入する気満々で待っていたのですが、あのリーマンショックの煽りを受けてNokiaが日本市場から撤退する決定をしたため、残念ながら正規モデルの日本導入はありませんでした(後に流出したROMデータを使った正規日本語版もどきが出回ったとかなかったとか…)。

このため、E71で日本語入力/表示を行うには別途、管理工学研究所がリリースした+J for S60を入れる必要がありました。

この+J for S60、かなり精巧な日本語入力、表示を実現しており、実使用には全く不満がありませんでした。日本語化することで快適に使用できるけれど、並行輸入故に普及しにくかったという点ではPalm pilot時代のJ-OSに通じるところがありますね。

ところで、この管理工学研究所という会社、古くからPCを使ってらっしゃる方ならご存じでしょう。一太郎全盛時代に対抗馬として取り上げられていたワープロ「松」や国産では数少ないRDBのパッケージであった「桐」の開発元ですね。

従って、使用されているIEMは懐かしの「松茸」だったりします。

連文節変換に頼らず、自分で文節を区切って入力したい人にとって「松茸」の入力方式は非常に快適で、思考の妨げにならないという点では極めて優れていたIMEだと思います(今でも文節毎に変換を入れる入力方法から脱却できていません)。

残念ながらモバイル用に縮小された「松茸」では往年の文節区切り入力は再現されていませんが、常に貧弱であると揶揄されるスマートフォンのIMEの中ではなかなか良い変換効率でした。

Nokia E71 keybord

また、お約束のキーボードですが、タッチは柔らかいにも関わらずクリック感もあり、梨地で滑りにくい表面処理、上品なキーボードの文字表記と合わせて、ここでも端末自体の上質感を表しています。

実際の入力も、端末の幅から想像するとかなり窮屈に感じるかもしれませんが、キートップがドーム状に立ち上がっているため、かなり押し込んでも隣のキーに指が当たることは無く、誤入力の少なさはこの手の端末ではトップだと思います。

よくBlackberryを初めて使われる方が感動される「Alt/大文字を押すと一文字だけLockが掛かる」機能もちゃんと装備されています。

Nokia E71 and Blackberry 9790

現在愛用中のBlackberry9790とNokia E71のSize比較。

E71の方がスマート、BB9790はやや幅広だけれども全長は短く、ずんぐりむっくり(それでも9000/9900に比べれば圧倒的にスマート)。

キー自体はNokiaの方が少ない分、一つ当たりの面積が広く、レイアウトにも無理が少ない。

Numkey配置は両者で考え方が異なる点はおもしろいですね。

色々言いましたが、E71は本当に気に入っていた端末であり、携帯電話としては自己最長の3年半以上使い続けていました。この端末のためにDocomoの契約を解除してSoftbankに乗り換えたくらいです(今はBlackberryの為に再びDocomoと契約しているのは皮肉ですが)。

gmailの転送機能と組み合わせることで海外を含めてあらゆるシチュエーションで大活躍してくれたE71ですがSimFree故に、パケ死には常に気をつけなければならず、翌月の請求書を見て絶句する事もしばしばでした。

最終的には落下の影響で電源ボタンが常時半押し状態となってしまい、使い続けることを諦めたのですが、今のNokiaが同じ筐体でwindows phoneを出してくれたら直ぐにでもに寝返ってしまうだろうと考えるくらい、お気に入りの一台です。

一時代を築いたNokia、そして現在使用しているがNokiaの後を追うように凋落の道に立つBlackberry。奇しくも二つの端末を並べながらその行く末を案じつつ、とりあえずは30日のBlackberr OS10発表を待つ日々です。

Nokia E71

Nokia E71

2008年8月MOUMANTAIさんで購入

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ちょっと古い小物達(Nokiaの絶頂と凋落を表すシンボル、E71)」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: さよならNokiaそして、こんにちはLumia1020 | 八ヶ岳の南麓を彷徨って

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