BlackBerry Passportのご紹介はこちらにて。
New!2015.2.23 : 一応ご報告までですが、当方所有のPassportで当該バージョンを使用すると、かなりの高頻度で設定画面の縦スクロール中に画面がフリッカー状態となり、スクロールを停止すると画面がブラックアウトする障害が発生しています(スクロールを再開するとフリッカー状態に)。現時点では、設定画面、カメラ、音楽で発生していますが、他の部分でも発生する可能性はあります(BlackBerry HUB及びtwitter、ブラウザでは発生していません)。類似の現象についての報告がBlackBerryのファンサイトN4BBにアップされています。気になる方は、fix版が出るまで、アップデートは控えた方が良いでしょう。
昨年後半から意欲的に新端末のリリースを再開したBlackBerry。
大本命のClassicを迎えて、旧来ユーザーの取り込みに改めて取り組み始めたようです。
そんな中で登場したBlackBerry OS10.3.1。巷のニュースではBlackBerry BlendやAmazon AppStoreによるAndroidアプリが使えるようになった…などという、何時の話だと、首を傾げるような紹介を受けていますが(プリインストールという意味らしいです)、新しいリビジョンが登場する事自体は喜ばしい事。操作性やアプリケーションなどメインの話題は他のサイトにお譲りして、どこが変わったのか、ポイント確認をしてみたいと思います。
アップデート前の確認表示。
この機能拡張の文面だけ見ていると、前述の紹介が正しいことになりますが、ちょっと微妙。
容量は500Mbyteを越えますので、ナローバンドな田舎だと、それなりに覚悟が要ります。お時間に余裕があるときに実施しましょう。
再起動を促されますので、素直に従います。アプリケーションを終了してからでも再起動は可能です。
なお、再起動後の待ち時間は相応に掛かります。特に再起動画面で表示されるインジケーターが100%に到達した後で、更に5分ほど待たされますので、焦らず、ゆっくり待ちましょう。
再起動が終了すると、壁紙がデフォルトに戻されてしまいますので、お気に入りの壁紙を入れてみます。
あ、キャプチャーは取れませんが、パスワード入力画面も変わっていますね(でかでかと「デバイスパスワードを入力」と表示されるようになりました。この部分は、時にパスワード入力画面が表示されなくなるバグがあったので、直っていてほしい所です。
まず初めに気が付くのは、BlackBerry HUBで地味にキャプションが日本語化されていたりして、ちょっと微笑ましいです。また、「更に選択」を選んだ場合の選択表示にチェックボックスが付加されるようになりました。これは嬉しい変更ではあるのですが、一方で選択カラーが濃くなった関係で、コントラストを確保する為にアイコン自体が縮小化。視認性には疑問が残ります(この辺りのアイコンサイズとバックグラウンドカラーの視認性のお話は、東京メトロの新しいデザインシステムを事例として「駅をデザインする」で詳しく語られてますね。
では、引き続き変更点を観ていきましょう。
バージョン表示です(左右に並んで表示されている場合、左が10.3.0です)。
同じくバージョン表示ですが、大きな変化として、FlashとAdobe Airのバージョン表示が無くなりました。
他のブラウザーの潮流に倣って、ここでもFlashを排除する方向性が垣間見られます。
代わって用意された、ソフトウェアバージョン08という、あまりにありきたりな表示が少々気になります。
次に機能面を観ていきたいと思います。
まず、ストレージの部分でUSBの接続方法のメニューが、これまでのマスストレージとして使用するかの可否から、充電のみモードも選択できるように独立しました。但し、OS7のように、USB接続時に切り替えメニューが表示されて切り替えられる訳ではありませんし、USBマスストレージと排他選択です。更に、マスストレージとしてマウントできるストレージは、外部のフラッシュカード側のみとなります。
また、デフォルトのネットワークドライブとしてマウントする際にも、ローカルIPアドレスが任意に設定できるようになりました。
データ管理では、アカウント毎にデータ通信容量(すなわち画像ダウンロード)の容量制限が設定できるようになりました。
アカウントを選択すると、アカウント編集画面の各通信方式における、データ容量設定のページに飛ぶようになっています。これもOS7では、自動的にダウンロード容量を規制していた機能(冒頭だけ表示されて、スクロールダウンすると続けてダウンロードが出来る)を盛り込んだ形になります。
表示系で大きな変更となったのは、ソフトウェアキーボードの表示色が、UIに応じて、これまでの黒バックと、新たに用意された白バックの2通りに自動で変更される機能が追加されました。
白色系の端末をお持ちの方は、白色表示固定にしても良いですね。
表示の部分でもう一つ、スクロール時にアクションバーを表示する選択が出ていますが、実際にアクションバーを表示する機会が無いので効果は判りません。
表示設定の詳細では、コントラスト反転が漸くサポートされました。使用することはないですが、OSとしては備えておくべき機能ですね。
次に、入力機能ですが、遂にとって良いのでしょうが。外部キーボードがサポートされました。
Bluethoothキーボードを持っていないので、どんな事が出来るか判りませんが、とりあえず機能が用意されたという事で…(ちなみに日本語キーボードの選択は用意されていません)。
そして、大きく変わったのが通知機能。
ユーザーが新たに作り直すことを前提とした、プルダウンからプロファイルを選択、編集するメニュー方式から、OS7時代に用意されていた初期プロファイルを提示した上で、詳細に機能を制御する方式に戻されました。
また、設定されたプロファイルを登録し、クイックメニューに表示される通知アイコンをタップすることで、常時プロファイルが選択できるようになっています。これも、OS7時代に便利に使っていた機能の再来です。
USB接続と同様に、直感的に操作や編集が出来る点がBlackBerryの大きな美点。
スマートフォンに対するアプローチとして、アプリケーションが豊富に選べることは大きなメリットですが、操作系がばらばらになる点はいただけません。
一方、Windowsphoneのように、全てのアプリケーションをMetro UIに統合してしまうと、ユーザービリティが良ければ構わないのですが、現状の操作性はあまり褒められたものではありません。
BlackBerry OSの美点は、アプリケーションの通知の部分だけを統合化することで、一貫性のある通知機能をユーザーに提供するという、ページャー(ポケベル)由来の端末メーカーらしいアプローチ。OS10に切り替えた際に、ちょっと忘れかかっていたこの美点を再び思い出しつつあるようです。
アプリケーション毎の通知も、プロファイルにぶら下げられるようになっています。
そして、嬉しい変更点は、BlackBerry使いなら誰でもその便利さを実感できるLEDによる通知機能。
今回のアップデートで、再びアプリケーション単位でのLEDカラー切り替え機能が、標準機能として使えるようになりました。これで、使用しているアプリケーションに応じて、LEDカラーを変更可能になります。なお、この変更に伴い、連作先毎の通知設定作成は別メニューとして独立しています(プロファイルと連動するかを選択)。
ここからは、追加の機能です。
高度な機能として、手に持っている間は画面スリープに入らないようにする機能が追加されました。
バッテリー駆動時間を気にされる方には、画面スリープ時間の短縮と併せる事で、効果を発揮しそうです。
そして、バッテリー節約モードも新設されています。
常時節約モードを効かせるか、一定の容量以下で機能を開始させるかの選択があるのは他のデバイス同様ですが、高度な操作をオフにするという選択肢があるのが、ちょっと面白いかもしれません。
最後に、キーボード好きなBlackBerryファンの方(しかいないかぁ…)、お喜び下さい。
キーボードショートカットの編集画面が用意されました。
26文字分、とりあえず画面を上げておきますので、入手された際にはどうぞ思い切ってカスタマイズされて下さい。
操作性自体も、画面切り替えがクイックになったり、変換確定時の表示も少し高速化(どちらもぬるぬる感は逆に減少)したりと、使用感も向上したOS10.3.1。ちょっと挙動に疑問がある点もみられますが、実用性は大きく進歩したようです。その進歩の形は、ちょっと厳しめに言えば、OS7時代の快適性再現。
OS10を登場させた際に、これまでのユーザー層をある意味切り離してでも、新たなユーザー体験を求めたBlackBerryが、Classicを観て、もう一度BlackBerryを使ってみたいと思った、旧来のユーザーを裏切らないために用意した、端末メーカーとしての視点に立ちかえった、今回の改良だったのかもしれません。