猛暑の午後は縄文から中世までの歴史を一括りに(北杜市考古資料館)

猛暑が続く八ヶ岳南麓。

日曜日の今日も厳しい暑さが続きます。

外での作業に躊躇してしまう午後のひと時。ちょっと涼しい所に逃げ込んでしまいました。

北杜市考古資料館外観旧大泉村の役場から少し下がった場所にある谷戸城跡。

桜の名所でもある谷戸城跡。その大手正面に建つのが、こちらの北杜市考古資料館。同じ市内長坂町の清春芸術村にある北杜市郷土資料館(旧長坂町郷土資料館)の分館扱いとして設立された、国史跡である谷戸城と二つの縄文遺跡(梅乃木、金生の両遺跡)のに関する発掘成果や市内の発掘物の展示に特化した、小さな博物館です。

北杜市考古資料館のエントランス土器平成16年に竣工した新しく綺麗な建物の内部は、木をふんだんに使った吹き抜けのエントランスから直接2階の展示室に上がっていくという、最近では良くあるレイアウト。

エントランスの左右や裏側には、豊富な発掘成果を誇るように、台の上やガラスケースに多くの縄文土器が並べられています。

北杜市考古資料館2階通路の土器2階の展示室に向かう通路にもたくさんの縄文土器や石器が。

北杜市考古資料館2階通路の水煙渦巻文土器八ヶ岳山麓の縄文遺跡ではおなじみ、素晴らしい造形の水煙渦巻文土器もあります。

北杜市考古資料館第一展示室全景展示室に入る前に既にお腹いっぱいですが、通路を抜けると、金生遺跡のジオラマを中央に置いたメインの第一展示室に到着です。

北杜市考古資料館の縄文土器壁際にはセミオープンで出土した土器が並べられています。

このような土器の雰囲気を直に味わえる展示方法は、釈迦堂、そして尖石でもお馴染みです。

北杜市考古資料館の復元環状列石センターのジオラマの向こうには、遺跡のパノラマ写真と復元された環状列石が迎えてくれます。

正に八ヶ岳を正面にした遺跡。八ヶ岳への信仰心すら窺える展示内容です。

北杜市考古資料館の粘土耳飾りそして、こちらの展示物で珍しいのが装飾品。

中でも出色なのは粘土で出来た耳飾りと考えられている出土品。

細かな細工が施されているのが判るでしょうか。

北杜市考古資料館の中空土偶1そして、この資料館を代表する展示物の一つ目。金生遺跡から発掘された珍しい中空土偶。

北杜市考古資料館の中空土偶2まるでタコの口のような尖った口を持った中空土偶。最近人気急上昇中らしいのですが…如何でしょうか。

北杜市考古資料館の顔面把手付深鉢1更にもう一つ、お隣の津金(須玉町、御所前遺跡)で出土した、こちらの資料館が誇る縄文期随一の造形を魅せる、顔面把手付土器。

出産を表すと考えられる、観る者に強い印象を与える土器です。

北杜市考古資料館の顔面把手付深鉢2こちらの土器、背面にも注目しましょう。顔面の裏側にも施された造形と、表面と対になるように、土器本体には顔が描かれています。そのデザインの本当の理由は判らないのですが、豊かな想像力を感じさせる逸品です。

北杜市考古資料館第二展示室八ヶ岳山麓にある他の考古館であれば、ここでおしまい(or別館へ)。

ですが、こちらの資料館は小粒ながらも旧石器時代から中世までのロングスパンで出土物の展示を取り揃えています。こちらは弥生時代から平安時代にかけての出土物を展示している第二展示室。

正面には、発掘された古墳の石室の様子が描かれたタペストリーが掲げられています。

北杜市考古資料館の三口台付壺こちらも珍しい出土物。弥生時代の刀剣と古墳時代の奇妙な形をした土器。

八ヶ岳西麓の縄文遺跡が一旦は人の生活跡を失う一方で、この地にはその後も人が住み続けた証拠の数々。

北杜市考古資料館の谷戸城跡ジオラマそして、1階のフロアーに降りていくと、この資料館が立つ谷戸城の解説と中世の八ヶ岳南麓に誘われていきます。

北杜市考古資料館の指銭と経筒珍しい出土品(差金や経筒)も見える、中世の八ヶ岳南麓。既に相応の実力を有した武家が育っていたであろうこの地から、のちの武田一族が飛躍することになります。

北杜市考古資料館の天正壬午の戦い解説パネルこの資料館の最後は、谷戸城の発掘成果の解説と、こちらを舞台に展開される、武田一族が滅亡した後の北条、そして徳川の騒乱である天正壬午の戦いに関する説明ボード。この戦いの結果、秀吉時代の僅かな期間を除き、明治まで続くこの地の支配体制が確立。八ヶ岳南麓の歴史は考古史から郷土史へと移っていきます。

谷戸城跡大手口資料館の裏側は谷戸城の大手口に繋がっています。桜の木に覆われた小さな丘は綺麗に整備され、周囲に巡らされた堀や土塁を観察しながら中世城郭の跡を散策する事が出来ます。

金生遺跡全景谷戸城跡から車でほんの数分(谷戸城の搦め手を下り、水田の中を抜ける、丁度いい散策コースなのですが…季節を選べば)。

水田の中に浮かぶように存在する公園に金生遺跡があります。

綺麗に整備された遺跡の跡からは、発掘当時の様子を窺う事は困難ですが、この地に繁栄した縄文文化の中心地のひとつとして、出土物と共に現在にその想いを伝えてくれます。

北杜市考古資料館より望む夏の八ヶ岳資料館から望む夏の八ヶ岳。

八ヶ岳山麓にある縄文時代の発掘物を扱った博物館の中でも、綺麗で丁寧な展示が光る本館(但し、夏休み中の日曜日の午後にも拘らず独り占めって…春にはNHK(Eテレ)で採り上げられた筈なのに、これでいいのかなぁ)。

日が西に傾いて、漸く凌ぎ易くなった夕暮れまでしっかりとお邪魔させて頂きました。

北杜市考古資料館のパンフ類館内で配布しているパンフレットと有償のブックレット。なんで縄文史跡を観に行ったのに、山城なんだよ…というツッコミはご勘弁を。

<おまけ>

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