今月の読本(特別編)映画「ちえりとチェリー」とノベライズ版「ちえりとチェリー」(中村誠、島田満:共著 伊部由起子:絵 角川つばさ文庫)

New!(2015.10.1):映画ちえりとチェリーの公式サイトがリニューアルしました。

Chieri and Cherry top2

依然として劇場公開情報は掲載されていませんが、プレイベント的に東京国際映画祭での公開が決定しました。詳細は公式サイトにて。

 

いつも本ページで扱っている書籍とは異なるスタイルの作品のご紹介です。

本ページのサイドバーでご紹介している、映画「ちえりとチェリー」。

ちえりとチェリー

日本では数少ないパペットアニメーション(人形アニメ)製作者でもあり、脚本家、グラフィックデザイナーにして、大手アニメーション企画、制作会社のプロデューサーでもある中村誠さんによるオリジナルパペットアニメーション作品。

先般、一般公開に向けたクラウドファンディングで無事に目標額に到達、スローシネマという新しい興行形態で全国を巡る劇場公開が実現することになりました。

今回ご紹介するのは、本作の劇場公開を前にノベライズ版として刊行された一冊です。

文庫版ちえりとチェリーちえりとチェリー」(中村誠、島田満:共著 伊部由起子:絵 角川つばさ文庫)です。

この角川つばさ文庫というシリーズ、本ページをご覧頂く方には馴染みのないレーベルかもしれません。

数多くのレーベルを抱える角川グループが刊行するノベライズのうち、最も低年齢層向けに用意されたレーベルがこちらのつばさ文庫。本文の漢字にはすべてルビが振ってあり、文字サイズも大きめ、イラストもふんだんに載せられている、主に小学校中学年までの読者を想定した作品群が収められたレーベルです。

所謂ジュニア文庫と呼ばれるジャンルの中でも低年齢向けと見做されるレーベルの一冊ですが、執筆者の皆さんはそんな作品の執筆陣とはちょっと毛色の違ったメンバーが集まっています。

メインライターの中村誠さんは、映画版の原作者にして脚本と監督を担当。ロシアと共同で製作したチュブラーシカのリメイク&新作版の監督と言えばご存知の方もいらっしゃるかもしれません。もしくは、アニメファンの方には賛否両論を巻き起こした劇場版AIRとCLANNADの脚本家と言った方が判りやすいかもしれません。

そして、もう一人の執筆者は島田満さん。映画版でも共同で脚本を手掛けられていますが、アニメーションを中心としたキャリア数十年のベテラン脚本家(女性です)。Drスランプ、うる星やつら、るろうに剣心といった往年の名作から、初期のワンピースやドラゴンボールといった大タイトルの脚本を数多く手掛ける一方、劇場版アンパンマン(2作品)、世界名作劇場「若草物語ナンとジョー先生」と「ロミオの青い空」の全話脚本を一人で手掛けられたという、多彩なキャリアを有する方です。

そして、イラストを手掛けるのは伊部由起子さん。映画版のキャラクターデザインを共同で手掛けられていますが、本職はSDキャラと謂われる二頭身キャラや可愛らしい少女を得意とするアニメーターの方で、何作かのTVシリーズでキャラクターデザイン、総作画監督を務められていらっしゃいます。

映像作品のノベライズというと、本編と異なる作者や作家の方が手掛けられる例が多いのですが、本作では映画版のメインスタッフがそのままノベライズを手掛けられるという点でも珍しいことかもしれません。

そして、本作のスタッフ(更には、映画版の主演を務める声優さん)にはある共通点があります。本作を応援しようと決めた理由でもあるのですが、詳しくはこちらをご覧頂ければと…。

ちえりとチェリー挿絵田舎のおばあちゃんの家にお母さんと一緒にやって来たちえり。好奇心旺盛だけど人見知りで、ちょっと臆病な小学六年生。そんな彼女の傍らには何時も大切にしているぬいぐるみ「チェリー」がいっしょに居ます。想像力豊かなちえりが生み出す世界の中では、大人の背丈ほどに大きくなって、話が出来るようになるチェリー。ちえりが困った時には何時も傍らに居て言葉を掛けてくれます。

母子家庭で育った彼女がやって来た古いおうちは、亡くなったお父さんの育った家。法事のためにやって来た彼女は早速、従妹たちとすれ違いを起こしてしまいます。一人法事に行く事から取り残されてしまったちえり、でも好奇心旺盛な彼女はチェリーと一緒に大きなおうちの中へ探検に出掛けてしまいます。

おとうさんが昔住んでいたおうちの中をチェリーと一緒に巡るちえり。懐かしくも悲しい思い出と、亡くなったおとうさんが世界一といつも励ましてくれた、彼女の溢れる想像力が重なり合って生み出された世界の狭間で、ちえりは大切なこと、かけがえのない想いを見つけ出していきます。自分の弱さや恐怖が生み出しているもの、儚くも小さな命の火、そしていつも自分をそっと支えてくれる暖かい想い。

彼女がその想いを受け止めて、一歩踏み出す時、何時も側に居てくれたチェリーと一緒に唱える合言葉、

「いーつーもー。いっしょ」

そして想いを繋げた先に訪れるもう一つの物語…、

少し古い日本の面影を感じさせる、ファンタジックな舞台設定の中、主人公ちえりの視点で少女が自ら一歩踏み出す想いを遂げるまでを語るノベライズ版。原作者で監督の中村誠さんによれば、映画版とはちょっと視点を変えて描かれているとの事ですが、果たして映画版ではどのように描かれるのでしょうか。

残念ながら遠方のため試写に参加することは叶いませんが、白箱版(一応、出資者?)で観られることを楽しみに、そして、スローシネマとして、いずれこの片田舎のスクリーンでも観られる機会が巡ってくる事を願って。

New!(2015.10.31):ハロウィンで盛り上がる週末に素敵なプレゼント。遂に製作応援のリターンでもあるDVDとノベルティが到着しました!これからじっくり拝見したいと思います。

ちえりとチェリー、プロジェクト支援御礼のお品物

<関連リンク>

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