厳冬の季節もそろそろ終わりに(2016.2.21)

雪が殆ど降らない1月初旬から、急に大雪となった1月中旬。

1月という寒い時期にも拘わらず雨氷による倒木の被害が広がった1月末から、本格的な寒さを迎えた2月の始めと、目まぐるしく天候が変わった今年の冬ですが、節分を越えたあたりから、はっきりと暖冬の様相を見せ始めてきました。

コートはおろか、上着すら脱ぎたくなるような先週末に続いて、雪交じりの大雨となった後には、再び暖かな日曜日を迎えました。

P1060498満月直前となった月が御柱街道の先に昇る夕暮れ。

八ヶ岳は週末の雪で白さを取り戻しましたが、気温2℃と温かく、周囲の圃場に雪は見られません。

P1060503すっかり日が長くなって17:30の日没となった昨日。

入笠山方向に沈んでいた太陽も、この時期になると杖突峠の手前辺りまで移動してきます。

これから春分にむけて、日没の日差しは杖突峠から少しずつ北の有賀峠の方向に向けて北上を続けていきます。

暖かかった週末。そろそろ明け方に氷点下二桁をマークする厳冬期も終わりを迎え、地元の方にとって待ちに待った御柱の春をあとひと月ほどで迎えます。

曳行順も決まり、いよいよ御柱祭もスタートへ(前回の上社山出しのアルバムより)

曳行順も決まり、いよいよ御柱祭もスタートへ(前回の上社山出しのアルバムより)

New!(2016.6.25):明日6/26(日)のNHKスペシャルで御柱の特集が組まれます。古代史ミステリー 「御柱」 ~最後の“縄文王国”の謎~番組ホームページはこちらです。

 

New!(2016.3.19):上社御柱の綱置場への移動日が決定しました。3/25(金)午前と午後の2回に分けて、辰野町横川の「かやぶきの館」から原村の八ヶ岳農業実践大学校下の綱置場に高速道路(!)を使用して、移動します。当日、諏訪南ICと綱置場ではセレモニーも予定されています。詳しくはこちら(長野日報HP)をご覧ください。

かやぶきの館出発シーン。

こちらは、一番塚に到着した、本宮一の御柱です(地元、玉川のフォロアーの方よりのツイート)。

八ヶ岳と夕日を受ける前宮三の御柱

まだ皮が剥かれていない、前宮三の御柱と八ヶ岳を。

既に氏子の皆さんが忙しく準備を始められています。多くの観光客の皆さんも珍しそうに御柱に上ったり、写真を撮ったりと、楽しまれているようでした(2016.3.27追記)

諏訪大社上社山出し曳行路と来訪マップ

綱置場の場所に関する検索が多いようですので、ルートmapを掲載しておきます。諏訪南ICより、八ヶ岳方向(出口を左折)にズームラインを登っていき、途中、エコーラインと交差する深山交差点で茅野、白樺湖方向に向かって左折してください。約4km程先の一番塚交差点を右折した場所に最初の御柱、本宮一の御柱が置かれています。そこから八ヶ岳方向に登っていくと、次に前宮一、本宮二…の順で八ヶ岳農業実践大学校下が殿の前宮四の御柱です。

当日は、この道を西に山を下る御柱街道を柱が下っていきます。周囲の道路には通行規制が掛かりますので、駐車場所を含めて周辺の誘導に従ってください。当日の詳しい交通情報は諏訪地域のコミュニティFM、LCV-FM(富士見/原村/茅野/諏訪/岡谷:76.9MHz,杖突峠20W)にて開催中の全時間帯を通して放送されるスペシャル番組「御柱ラジオ」でご確認を。

LCV-FM

 

 

 

 

スマホの方はこちらからアプリをダウンロードすれば、御柱最新情報をプッシュ通知してくれますよ。

 

<本文此処から>

あとひと月少々で山出し(4/2)を迎える今回の諏訪大社、御柱祭。

今週の15日には上社の氏子の皆様がやきもきしていた曳行する柱を決める抽籤式も無事終わり、担当地区の皆さんもいよいよ気合が入ってきているようです。

上社御柱綱置場

上社御柱が発進する、八ヶ岳エコーライン、一番塚交差点前。新たに看板が設置されました。

この横から本宮一の御柱が20km先の大社に向けて出発します。

上社御柱綱置場解説看板

解説看板の内容です。八ヶ岳農業実践大学校の入口となるこの交差点、御通りの際には是非ご覧ください。

上社御柱綱置場から八ヶ岳遠望

八ヶ岳方向を望みます。当日は、この道沿いに御柱と氏子の皆さんが大挙して行列することになります。

上社御柱綱置場碑

一番最後に曳行される前宮四の御柱が据え置かれる場所に設置されている綱置場の石碑。本来であればこの場所に曳行までの間、御柱が置かれているのですが、ご承知のように今年は伐り出された、辰野のかやぶきの館に置かれています。

曳行する柱も決まったところで、当時はブログをやっていなかったので掲載していなかった、前回の御柱祭で撮影した、上社山出しのシーンをご紹介します。

もう少し気温が下がれば大雪になったのではないかという程の冷たい土砂降りの雨が降り続ける2010年4月2日の金曜日。殆どが氏子の皆さんと地元の方で占められた八ヶ岳農業実践大学校前の綱置場をスタートする各柱の躍動感あふれるシーンにすっかり魅了されて、結局5月の建御柱まで追い続けるきっかけとなった貴重な初めての体験の一幕を(画像をクリックするとフルサイズで表示されます。撮影は全てE420です)。

諏訪大社上社御柱山出し1まさに綱置場(先頭なので、既にエコーラインとの交差点付近に引き出されています)を発進する、前回の本宮一の御柱。大総代さんを中心にして全員で気勢を上げています。

全ての関係者にとって憧れの、最も太く、力強い本宮一の御柱を、まだ無垢の御柱街道を先頭に下っていく栄誉を担う曳行を担当したのは、諏訪市湖南・中洲地区の氏子の皆さんです。今回は本宮二の御柱の曳行を担当します。

諏訪大社上社御柱山出し2前後でおんべを振りながら拍子を合わせていく氏子の皆さん。

辺りは霧で真っ白でした。

諏訪大社上社御柱山出し3定刻までたっぷりと木遣とラッパで盛り上げた後、いよいよスタート。大人数で引き出す巨木は目の前を驚くほど速いスピードで駆け抜けていきます。

諏訪大社上社御柱山出し4おんべを振りながら猛然と目の前を駆け抜けていく、前宮一の御柱。今回、96年ぶりとなる念願の本宮一の御柱曳行の栄誉を担う事となった、諏訪市四賀・豊田地区の氏子の皆さんです。

諏訪大社上社御柱山出し5地区の皆さんがこぞって参加される御柱の曳行。

このようにして、親綱に子綱を結びつけて、あの巨大な御柱を人力だけで曳いていくのです。

諏訪大社上社御柱山出し6赤松の木を避けながら曳行を続ける本宮二の御柱。担当するのは富士見町落合・境・本郷地区の氏子の皆さんです。今回は本宮三の御柱の曳行を担当します。

諏訪大社上社御柱山出し23メガホンからの指示に合わせて、力を合わせて曳いていきます。

諏訪大社上社御柱山出し7上社の曳行というと、どうしてもめどでこに乗った若衆が花形ですが、こうして引綱を巧みに操りながら御柱を支えていく衆こそ、本当の主役。

建御柱途中の風景本宮二の御柱が上社に運び込まれた後、建御柱のシーンです。身動きすることも出来ないくらいぎっしりと集まった観客の中、朝から柱が立ち上がる最後まで観てしまいました(建御柱の写真はいずれまた)。

諏訪大社上社御柱山出し8そして、雨の中、めいめいが力を合わせて子綱を曳いていきます。

諏訪大社上社御柱山出し9めでこは前後に2本。若衆が群がり乗るめどでこを脇から綱で支えながら、御柱の曳行は進んできます。前宮二の御柱を曳行するのは綱置場の地元、原村・茅野市泉野地区の氏子の皆さんです。今回は最も大変な本宮四の御柱の曳行を担当します。

諏訪大社上社御柱山出し10前の御柱が渋滞すると、暫く木遣もラッパの音も静かになりますが、前に進むスペースが空けば、大きな木遣と掛け声とともに一気に前に進んでいきます。拍子を合わせておんべを振る手にも力がこもります。

諏訪大社上社御柱山出し11一斉におんべを振り上げる若衆の皆さん。本宮三の御柱を曳行するのは、上社最大の氏子を擁する、茅野市宮川・ちの地区の皆さんです。今回は殿を務める、前宮四の御柱を曳行します。

諏訪大社上社御柱山出し12霧の空の下、気勢を上げながら、めどでこに乗った若衆達によって鮮やかなおんべが振り掲げられます。

諏訪大社上社御柱山出し13雨が激しさを増す中、それでも子綱を手に取る人の波は続いていきます。

諏訪大社上社御柱山出し14綱置場付近の道路は2車線とはいえ、めどでこを付けた御柱の幅はその広い道幅すら超えてしまいます。

右へ左へと御柱を揺すっているうちにバランスを崩す事も。綱捌きの技が試されるシーン。

諏訪大社上社御柱山出し15氏子の皆さんが一斉に駆けつけて、体制を立て直しにかかります。

怒号が響く中でも、めでこに乗った若衆達のパフォーマンスが止まる事はありません。

諏訪大社上社御柱山出し16一旦、めどでこから降りて体勢を立て直す前宮三の御柱を曳行する茅野市金沢・富士見町富士見地区の氏子の皆さん。死亡事故も稀ではない危険な御柱の奉仕(前回も下社の建御柱で落下事故が起きています)。それ故に、常に念頭に置かれるのは安全第一、それでも曳行中のハプニングはいくらでもあります。今回は前宮一の御柱曳行という大役を担います。

諏訪大社上社御柱山出し17パステルカラーの法被にピンクのおんべとカラフルな色使いが楽しい、本宮四の御柱を曳行する茅野市北山・米沢・湖東地区の氏子の皆さん。背中に三友会と書かれた裾の長い揃いの法被を着た氏子の皆さんは曳行中でも特に目立ちます。

諏訪大社上社御柱山出し18メンバー自体も若々しさが感じられる曳行風景。めどでこを左右に振り回す派手なアクションは余り見られませんが、めでこに大人数がのってゆっくりと曳いていく皆さんは、何だか楽しそうです。前回は建御柱は境内の裏手、しかも山側となるため地味な割に曳行も建御柱も最も大変な担当でしたが、今回は最短距離?となる前宮二の御柱を担当します。

諏訪大社上社御柱山出し19本宮一の御柱から離れる事、約2km。八ヶ岳農業実践大学校すぐ下のポジションまで傘も差さずにずぶ濡れになりながら上がってきました(単なるバカ)。

道一杯に広がる雨合羽を着た大楽団を率いて殿を務める、前宮四の御柱が見えてきました。

諏訪大社上社御柱山出し24本宮一の御柱の曳行が始まって既に2時間以上、皆さんずぶ濡れになりながら、行進を奏でていきます。

諏訪大社上社御柱山出し20沢山の氏子の皆さんに囲まれた御柱が目の前に迫ってきます。

茅野市豊平・玉川地区の氏子の皆さんです。どうしても最後の御柱は曳く側も腐り気味になるそうですが、大切な大社の四隅を守る御柱。みんなで力を合わせて曳いていきます。

諏訪大社上社御柱山出し21最後ともなると、前方の渋滞もひどくなるため、ノロノロノ曳行。

それでも前にスペースが空けば、待ってましたとばかりに、にぎやかに演奏の音を奏でながら一気に曳き出してきます「心を合わせてお願いだ~!」

諏訪大社上社御柱山出し22最後の御柱を見送って。今回は一つ繰り上がって前宮三の御柱の曳行を担当します。

延長2kmにも渡る氏子さんの大集団が道を埋め、人の力だけで樅の巨木を曳いていく。遥か平安時代以前にまで歴史を遡る事が出来るという、驚嘆の神事、御柱祭のスタートを飾る山出し。

この後、20kmにも渡る沿道を曳き下げられた御柱は大曲がりを経て、名物の木落とし坂に向かう訳ですが、それは別の日のお話という事で。

場所が場所故に訪れる方も少なく(前回は平日でしたし…)、観て楽しいという訳ではないですが、眼前に次々に曳行される御柱を見続ける事になる、御柱の奉仕としての素朴さが最も色濃く残っている山出し。下社の山出しは山中で行われるので氏子さん以外は近づく事が難しいですが、上社の山出しはある程度のスペースもありじっくり眺める事も出来ると思います。有料観客席では絶対に味わえない、直に御柱に触れる事が出来ても優雅な下社の里引きでは感じる事の出来ない、本当の御柱の迫力がここにはあるように思えます。

あ、もし子綱をいっぱい首や腰から掛けた氏子さんがいらっしゃったら勇気を持って声を掛けてみてください。運が良ければ、曳行したのと同じ御利益が得られると云われる子綱を分けて頂けるかもしれませんよ(建御柱の冠落としの木屑と共に御柱祭に交わる事の出来た、大切な記念になる筈ですよ)。

IMG_20160219_005255

小春日和の午後(2016.2.11)

祝日の木曜日。

なかなかペースが戻らない中での休日は、ほっとできる瞬間。

前から楽しみにしていた講演会(八ヶ岳自然ふれあいセンターの「自然について楽しく学び、深める講座」)を聴講するために、八ヶ岳の東麓に向けて車を走らせます。

WP_20160211_12_18_50_Pro八ヶ岳の東麓を貫く、レインボーライン沿いの農道から眺める八ヶ岳。

真っ青な空の下、暖かい陽射しが降り注ぎます。

WP_20160211_12_19_33_Pro南アルプスの山並みは陽射しを受けて輝いています。

圃場の雪も、暖かな日差しでかなり溶けてきています。

P1060476ぐっと標高を上げて、まきば公園へ。

秩父の山並みも雪に覆われています。標高1500m程もあるのに、昼下がりのこの時間で気温3℃。小春日和を思わせる、とても暖かい冬の休日となりました。

P1060474まきば公園から望む、赤岳。

くっきりとした八ヶ岳ブルーの下で、雪を被った赤岳が美しく輝きます。

P1060475こちらは権現岳と編笠山。

雪は少な目ですが、むしろくっきりと山の稜線が浮かび上がってきます。

P1060484鉄板ですが、東沢大橋から望む八ヶ岳。

陽射しが嬉しい午後。

P1060493あっという間の楽しい講義の後、少し足を延ばしで、野辺山の平沢峠へ。

午後4時を過ぎてもすっかりと日が長くなった、春節を過ぎた夕暮れの日差しを受ける八ヶ岳の峰々を。

上空を北に向けてジェット機が高度を上げながら飛び越えていきます。

穏やかな日差しに恵まれて、少し季節を先取りしたようなお休みの午後。週末には早くも春の嵐がやって来るようです。

 

今月の読本「竜宮ホテル 水仙の夢」(村山早紀 徳間文庫)寄り添うその想いは静かに満ちていく

今月の読本「竜宮ホテル 水仙の夢」(村山早紀 徳間文庫)寄り添うその想いは静かに満ちていく

ホームの八ヶ岳南麓を暫く離れている間、大好きな本が無い生活を続けていると活字欠乏症(あ、その間も英文タイプ文面は嫌だという程読まされるのですが)が頭をもたげてきます。

それでも時間に余裕ができると、スマホでちょっと長めの記事などをひたすら読み続けて欠乏症の解消を図るのですが、やっぱり紙の本をゆっくりとめくらないと満たされない。本と活字と向き合うという心地よさが何よりも自分にとって必要なことを痛感する日々を送っていたのでした。そして、久しぶりに南麓に帰ってくると、次の出国までの間にひたすら本屋さんで本を買い込んでいる自分がいました、失った何かを埋めるが如く。

そんなタイミングで、本屋さんの書棚から鷲掴みにして手に取った(ごめんなさい)今回の一冊は、本好きの方(活字偏執性な私は除外)にも深く愛されている作家さんの最新作からご紹介です。

竜宮ホテル 水仙の夢竜宮ホテル 水仙の夢」(村山早紀 徳間文庫)です。

著者の一連の作品群「風早の街」を舞台にしたシリーズの第3巻。前の2巻は主人公である響呼をメインに置いたストーリーを軸に、竜宮ホテルに集う登場人物それぞれの物語が展開されていきますが、インターミッション的な第3巻目は少々様相が異なってきます。

冒頭から、前作「魔法の夜」のエピローグに続くような、ひなぎくのモノローグから始まり、全4話で構成されるそれぞれの物語を貫くような一貫したストーリーは用意されていません。むしろ、これまでの2巻で語られてきた伏線を回収するようなストーリーと、少々唐突的に差し込まれたサイドストーリーが語られていきます。

その辺りの事情はあとがきをご覧頂ければと思いますが、一見、繋がりが無いように見える個々のストーリーに対して、主人公の響呼の描かれ方はシリーズの3巻目としての明白な位置づけがなされているように思えます。

1巻目では自分の力に怯え、自らを恨み、心の殻に閉じこもりがちな響呼が、竜宮ホテルのメンバーと触れ合うことで、少しずつ心を開いていく。自らの居場所、自分を慕ってくれる存在を得ていく。2巻目ではまだぎこちないところを見せながらも、自分を慕ってくれるひなぎくの姉として、そして自らの力と向き合う事で、今度は自らの心、触れ合いを求めていく人々の想いに応えていく。そして3巻目である本書は、自らの心からもう一歩踏み出して、自分の事を親しく思ってくれる人の心に寄り添っていく姿を描いていきます。

何百年もの間、ひたすらその想いに寄り添い続けた人と語り合う中で、その憎しみの邂逅に触れていく。自分の想いの支えとその結末をそっと受け止める。人の想いの強さ、苦しさをそっと傍らで聞き届ける。そして、大切な人のどうしようもないやるせなさをじっと見つめ、側に居てあげる。彼女がずっと否定してきた、でも本当は欲しかった、彼女が竜宮ホテルで、風早の街で出会った人々との絆が深まる中で、物語も降りしきる雪が降り積もり、一面を白く覆い包むように少しずつ深まっていくようです。そこには表紙に描かれた絵のように、冒頭のモノローグと終章のモノローグでフォントを使い分けているように、響呼に寄り添うひなぎくの成長も描かれていきます。まだちょっと勇み足もあるようですが、今度は自分が誰かの為に寄り添えるようにと願いながら、その願いの先にある想いにも触れながら。

そして、今回はサイドストーリーらしく、前2作と比べると著者自身が執筆中に抱いていたであろう想いがよりいっそう濃くストーリーの中に描き出されているようです。

著者にとって最も身近な場所である、海に浮かぶ空港と白いレースのベールをかぶったご婦人が日曜日になると行き交う坂の街、その坂の上にある椿の木に寄り添う小さな本屋さんへの愛しい想い。著者が大好きなデジタルガジェットを生み出す光速の奔流の中で、「魔法」を操り、生み出す人々への畏敬と葛藤への想い。流れ来る人々、彼らを迎え入れる人々がお互いに抱く、複雑で時には残酷な想い。そして最後まで伏せられていた、前後で交錯していくストーリーが無ければ読むのを少々躊躇ってしまう想いの結末を織り込みながらも、「陰の気が集まり、静かに休らう場所」、竜宮ホテルに集う登場人物たちそれぞれの想いは昇華しつつ、ほんの少し寄り添うという言葉の意味を変えながら、ストーリーは4巻目となる次のステージへと進んでいくようです。

読まれた方の心にその想いが響く時、その魔法使いたちが集い、彩なす物語は、きっとあなたの中にある「魔法」そのものでもあるはずだから。

竜宮ホテルシリーズ本編第三話「見えない魔法」へのオマージュとして。その世界が最も輝いていた時、世界で初めてサービス開始に漕ぎ着けた3G携帯電話の実用第一号モデルを一緒に(第一期試験サービスのモニター故に所有している、試験後に回収された端末の代替として頂いたN2001、もう時効だと思うので)。登場人物のシチュエーションと自分の直近の事情の余りの近似性に素直に驚きつつ、もしかしたら、ほんの少しその想いに寄り添えたかもしれないという勝手な妄想を重ねて。

<おまけ>

 

八ヶ岳ブルーに包まれた午後に(2016.2.7)

久しぶりに戻った八ヶ岳南麓。

既に節分が過ぎた、春節を迎える日差しは少しずつですが力強さを取り戻しつつあるようです。

陽射しが気持ち良い、良く晴れ渡った午後。冬のお楽しみ八ヶ岳ブルーを愛でに出掛けました。

八ヶ岳ブルーの下で4真っ青な空の向こうに八ヶ岳の山々が広がります(茅野市玉川)。

八ヶ岳ブルーの下で2雪に埋もれた農道の向こうに、横岳と赤岳を望んで。

八ヶ岳ブルーの下で3こちらは北八ヶ岳の山並みを。

八ヶ岳ブルーの下で1蓼科山と北横岳も綺麗に雪化粧をしています。

気温は0℃。少し冷たい風が日差しの眩しさを和らげてくれます。

八ヶ岳ブルーの下で5尖石縄文考古館前から望む八ヶ岳。

雪原となった前庭の向こうに見える山並みは、少し雪が少ないようです。

八ヶ岳ブルーの下で17少し気になって、更に標高を上げてビーナスラインまで登ってみます。

ここは標高1700mの伊那丸富士見台。道路はドライ、懸念通り周囲の雪原の雪はほんの僅かです。

八ヶ岳ブルーの下で8ガボッチョの方を望んでも、枯草が一面に見えてしまい、これではスノーシューは出来そうにもありません。

八ヶ岳ブルーの下で6伊那丸富士見台から望む八ヶ岳。

山頂部分は雪がしっかり乗っていますが、麓の方はまばらで、木々の隙間から少し見えている程度です。

八ヶ岳ブルーの下で9富士見台駐車場から望む、南アルプスの山並み。

少ないとは言っても麓の街並みは雪に覆われて、まるで雪原のようです。

八ヶ岳ブルーの下で11眩しい西日の向こうに、遠く御嶽山を望みます。

噴煙が南に向けて流れているのが判りますでしょうか。

八ヶ岳ブルーの下で7蓼科山と北横岳を正面に。厳冬期だけ楽しめる砂糖菓子のような姿、大好きな風景です。

八ヶ岳ブルーの下で10車山の頂を目指す山裾。唯、碧い空が広がります。

八ヶ岳ブルーの下で12夕暮れが迫ると、ギャラリーが一気に増えてくる富士見台駐車場から逃げ出して、霧ヶ峰側に降りてきます。

草原の向こうに八ヶ岳の山並みが伸びていきます。

八ヶ岳ブルーの下で13吹きさらしの草原は気温は-6℃。かじかむ手を摩りながらシャッターを切りつつも、日差しの暖かさを感じて。

こんな時、ダイヤル操作が主体のカメラは手袋をしたまま操作ができるので助かります。

八ヶ岳ブルーの下で14そうこうしているうちに、随分と長くなって5時を過ぎても明るさを保っていた日差しは、ゆっくりと西に傾いていきます。

八ヶ岳ブルーの下で18日暮れを迎えた、池のくるみ。

草原が黄金色に輝く時間。

八ヶ岳ブルーの下で15夕暮れ色に染まり始めた、蓼科山と北横岳。

八ヶ岳ブルーの下で16八ヶ岳もゆっくりと日暮れを迎えます。

久しぶりに冬の八ヶ岳を満喫した午後。

さて、次にこの景色を楽しめるのは何時になるでしょうか。それまでの想い出として。