山出しが終わった上社御柱、次はいよいよ建御柱へ(前回の諏訪大社 上社御柱祭のアルバムより)

New!(2016.6.25):明日6/26(日)のNHKスペシャルで御柱の特集が組まれます。古代史ミステリー 「御柱」 ~最後の“縄文王国”の謎~番組ホームページはこちらです。

 

50万人を超える曳行、参観者を迎えた今年の諏訪大社、上社の御柱祭、山出し。

宮川の鮮烈な流れに洗われ、清められた8本の御柱は、華やかな乗り手たちを乗せてきためどでこを外されて、大社の目前となる、安国寺前の御柱屋敷と呼ばれる広場に暫し留め置かれます。

一週間遅れとなる下社の山出しが済んでから約3週間後、GWの最後の数日に、山から降ろされて休息を与えられた御柱は、再び華やかな行列の中を諏訪大社の前宮、そして本宮へ向けて曳行されていきます。里引きと呼ばれる盛儀。綺麗に皮の剥かれた御柱は、これまで6年間に渡って大社の四隅を守ってきた前の御柱が降ろされた跡に据え付けられます。

そして最終日の朝、身動きが出来ないほどの群衆で一杯になった境内の四隅で、最後の大仕事、長さ20m近い柱を氏子を乗せたまま人力で立てていく、建御柱が始まります。

6年前の2010年5月4日。2km程離れたショッピングモール脇の臨時駐車場に車を乗り捨てて、ぎゅうぎゅうの人込みの中、午前8時前に本宮の東参道鳥居の下に何とか潜り込むと、足元には20km近くを曳行してきた氏子の皆様に囲まれて、未だ地面に寝かされた本宮二の御柱。境内の四隅で解説のアナウンスが流れる中、諏訪大社の神職の皆様が入れ代わり立ち代わり登場しての神事と、安全を祈願する祈祷、御柱の頭の部分を切り揃える冠落としの儀式が厳かに、時に賑やかに、ゆっくりと執り行われていきます。

身動きも出来ず、立ちっぱなしの両足に痺れを感じ始める正午前、全ての神事が滞りなく済むと、いよいよ建御柱の準備が始められます。

諏訪大社御柱祭上社建御柱1入口御門横に据えられた櫓から降ろされた二束のワイヤー。櫓の上には氏子の皆さんが既に待機しています。

諏訪大社御柱祭上社建御柱2ワイヤーの先には本宮二の御柱。曳行場所ごとに担当が入れ替わる下社と異なり、上社の場合、曳行を担当された富士見町の落合、境、本郷地区の皆さんが建御柱まで一貫して担当されます。

この時点で、既に柱の底に当たる部分には衝立となる板が立てかけられています。実際に木を引き上げる轆轤を廻すのは氏子の皆さんですが、やぐらを組み、最初に木にワイヤーを掛けて姿勢を固める作業は、本職の鳶の方が行います。前回は下社の曳行地区に所属する鳶の方が請け負われたそうですが、本宮三の御柱を担当する今回、初めて地元の業者が担当されるそうです(普段はすぐ横の席に座っている氏子の方より伺いました)。

諏訪大社御柱祭上社建御柱3ワイヤーで御柱を少し持ち上げておき、下に台座を入れて、御柱の下に潜れる状態を作った上で、氏子の皆さんが乗る足場を御柱に組みつけていきます。もちろん、釘などは使う事は許されませんので、全て角材とロープで組んでいきます。

午前中のうちに、柱の冠はきれいに円錐に切り揃えられています。

諏訪大社御柱祭上社建御柱4足場の準備が整うと、三地区の大総代の皆さんと、総纏めの大総代さんが、まずは御柱に乗り初めとなります。

これから御柱に乗ったまま引き建てられていく氏子の皆さんの命がかかる安全確認を含む、大事な手順でもあります。

諏訪大社御柱祭上社建御柱5大総代の皆さんの下から、柱と共に引き建てられていく氏子の皆さんがおんべを振って昇ってきます。

腰には全員安全ベルトとラッチを装着、何よりも安全第一。

最後の男気を見せる大一番。大歓声とともに、周囲の氏子の皆さんもラッパと太鼓で盛大に盛り上げていきます。

諏訪大社御柱祭上社建御柱6御柱の冠に打ち付ける御幣を振りかざして、境内の氏子の皆さんと、鳥居下の階段にぎっしりと集まった観光客の皆さんにノリノリでアピールを繰り広げる大総代さん。朝から殆ど動くことなくこの時を待っていた観光客の皆さんも、ここまで来れば想いは既に一緒。氏子の皆さんに合わせて手を挙げて掛け声をかけていきます。

諏訪大社御柱祭上社建御柱7大総代の皆さんは此処で柱を降りて、台座が外されるといよいよ本番。

 

御柱に乗った氏子の皆さんは、この時点までに全員足場のロープに安全ベルトのラッチを取り付けています。

一旦静かに息を整えて、いよいよ最大のクライマックス、ワイヤーが静かに巻き上げられると建御柱のスタートです「心を合わせてお願いだ!」。

諏訪大社御柱祭上社建御柱8太鼓とラッパのファンファーレが鳴り響くたびに、ワイヤーは少しずつ巻かれていきます。

胴回り3m近い樅の巨木とはいえ、これだけの人数が乗ると流石に撓んで先の方は垂れ下がってきます。

諏訪大社御柱祭上社建御柱9まだまだ余裕で柱の上でポーズを決める氏子の皆さん。

諏訪大社御柱祭上社建御柱10ぐいぐいと引き上げられていく御柱。ファンファーレと共に勢いよくおんべを高く掲げていきます。

ワイヤーの巻き上げも、機械に頼ることなく、人力で巻き上げていきます。正に人の力で柱を曳き、据え付けていく、人の想いと力の結集こそが御柱の本義なのでしょう。

諏訪大社御柱祭上社建御柱11準備が始まってから2時間ほど。建御柱が始まって30分ほど過ぎると、御柱は45度程まで立ち上がってきました。境内のボルテージは柱と共に、上昇する一方。皆さんが声と手を合わせて柱に乗る氏子たちを盛り上げていきます。

諏訪大社御柱祭上社建御柱12いよいよ、柱が櫓の高さに迫ってきました。

足場を気にしながら、振り続けるおんべにも力がこもってきます。

諏訪大社御柱祭上社建御柱13入口御門の屋根の高さと、柱に乗った氏子のみなさんの高さの関係が判るでしょうか。全長15mを越える柱が、人を乗せたまま、ゆっくりと、ゆっくりと、人の力で建てられていきます。

諏訪大社御柱祭上社建御柱14垂直に建ち上がるまであともう一歩。御柱に乗った氏子の皆さんも、先ほどまでのように余裕を持って立っている訳にもいかず、柱にしがみつくようになります。柱を支えるワイヤーとロープのテンションもきつくなる、建御柱で最も危険なタイミングがやってきています。

柱の足元では神事を執り行う準備が進む中、それでも、氏子の皆さんがおんべを振るのを止める事はありません。諏訪大社御柱祭上社建御柱15遂に建ち上がった本宮二の御柱。柱にしがみついてた氏子の皆さんが、上へ上へとよじ登っていきます。

諏訪大社御柱祭上社建御柱16柱の頂上に集まって、不安定な姿勢の中、喜びのポーズをとる氏子の皆さん。6年間の準備の成果が報われた瞬間、境内は大歓声に包まれます。

諏訪大社御柱祭上社建御柱17柱の足元には、前の御柱を休め(降ろし)、そして新たな御柱の地固めを執り行う事を役目としている、中金子村(現在の諏訪市中洲中金子地区)の氏子の皆さんが集まって、柱が無事に建ち上がり、これから6年間、この地を守ってくれることを祈る神事が執り行われいます。すべての氏子の皆さん、そして観光客の皆さんも、御柱祭が単なる祭りではなく、諏訪を挙げて執り行われる、長く長く続く諏訪の神々へその想いを奉る「奉仕」である事を再認識する瞬間です。

諏訪大社御柱祭上社建御柱19神事が済むと、氏子の皆さんは喜びを爆発させます。

くす玉が割られ、境内に垂れ幕がたなびきます。無事に曳行と建御柱が行えた事への感謝と、長期に渡って奉仕に参加されたすべての氏子の皆さんへの感謝を込めて。人の想いが神に届く事を願う一瞬。

諏訪大社御柱祭上社建御柱20朝8時過ぎから始まった一連の建御柱の奉仕。すっかり日が長くなった5月の日差しが西に傾く午後4時を迎えると、最後は無礼講。時に観光客の方が集まる鳥居下にも投げ込まれる、おひねり投げで終わりを迎えます。

諏訪に在する皆さんの想いが一本の樅の木に宿っていく御柱。

今年の諏訪大社、上社の里曳きと建御柱は5/3~5/5のGW中に実施です。

 

今回ご紹介した、前回の御柱祭で本宮二の御柱を担当した、諏訪郡富士見町、東三地区(落合、境、本郷)の氏子の皆さんが、今回は公式ホームページと、twitterfacebookを開設されています。

ご興味のある方は是非どうぞ(当方は氏子会の関係者ではありませんので、ご質問等につきましては平にご容赦を)。

掲載されております全ての写真は当方の撮影に拠りますが、掲載内容についてのご質問、疑問等があれば、下記コメント欄よりお願い致します。

 

 

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