10月も中旬になると、高原の秋も中盤から終盤戦に移るのですが、今年は少々異なるようです。
漸く秋らしい冷え込みになってきたここ数日。お天気に恵まれた土曜日の午後に少し標高を上げて、秋を迎えに行ってみようかと家を出ます。
野辺山から望む、昼下がりの八ヶ岳。
山裾の落葉松は、まだ秋の彩には程遠いといった感じですが、標高の高い場所は徐々に枯れた秋の色合いを見せています。
それでは、ぐるっと八ヶ岳の東麓を廻り込んで、標高1800mを越える、蓼科仙境都市へ。落葉松の黄葉は、なんだかくすんだ色をしています。
ところで、蓼科スカイランを登っていくと、お気に入りだった、山裾を広く覆う落葉松林が大規模に伐採されています。今更別荘地の開発(仙境都市…)じゃあるまいしと、車を降りて看板を確認すると。
何と、一本谷筋を挟んだ南側にあるJAXAの臼田通信アンテナが老朽化のため、移設される事になったようです。
現行の64mから少しコンパクトな54mにスケールダウンされるようですが(その間のデバイス技術の進化を考えれば妥当な規模)、そうそう近寄る事を許さない林道のどん詰まりに、伴類を従え空を見上げて鎮座していた『うすだくん』が、今度は誰でも気楽に通りかかれる(今までより)、スカイラインのすぐ脇で新たな雄姿を見せてくれると思うと、ちょっと感動です(見事な落葉松林が無くなってしまったのは残全ですが、元々人工林)。完成は2019年度の予定。ちょうど、はやぶさ2が飛行中にその実力を試す機会が訪れそうです。
では、もう少し標高を上げてみましょう。
林道大河原線として整備された区間から、仙境都市内に入ると、名称が「蓼科スカイライン」に変わります(内実は変わりません)。
周囲の白樺はもう葉を落とし始めています。
今は車では入る事が出来ない、鹿曲川渓谷を望む、岩の上で。
この時期、鮮やかな黄色に染まる渓谷沿い別荘地の紅葉は、まだ緑を多く残しており。ちょっと拍子抜けです。
頑張って渓谷の山並みを狙ってみましたが、ご覧のとおり。
八ヶ岳界隈一の金襴緞子の紅葉を魅せる鹿曲川渓谷なのですが、緑が多い状態。紅葉自体も色付きが悪いままに既に落葉を始めています。
少し気を取り直して、目の前を見やれば、美しい紅葉が。足元に目を配らず、スケールに拘り過ぎるのは良くない事なのかもしれません。
蓼科仙境都市を越えて(今年も新築中の物件が、このリゾートはゾンビか)、標高が2000mを越えると、蓼科山の肩に位置する、大河原峠に到着です。
遠くに浅間山を望む事が出来ます。クリアーな秋空。
鹿曲川林道が通じていた山の稜線沿いは紅葉真っ盛りの様子。
遠くに望む佐久の田園地帯はまだ刈り入れが済んでいないようで、黄金色の地肌が遠望できます。
峠に到着したのは午後3時。
気温はぐっと下がって7℃程。既に日が西に傾きかけ、谷筋には影が出始めています。
西日を浴びる、大河原峠の落葉松林。
今年は鮮やかな金色というより、深い飴色に染まっています。
大河原峠を後にして、山を下って振り返ると、紅葉する蓼科の山並みが望めます。
今年は、どうも色合いがくすんでいるようです。
麓に降りて、蓼科牧場から蓼科山を望みます。
夕日を浴びて黄金色に燃え上がる蓼科山を期待したのですが…どうも上手くいかないようです。
蓼科牧場から望む浅間山。
東に向けて、まっすぐに噴煙が伸びているのが判ります。穏やかな秋晴れの天候が噴煙からも見て取れるようです。
再び進路を南に向けて、家路に付き始めると、足早に西の山並みに沈んでいく夕日が北横岳を染めていく姿が見えてきます。西日を追って、八ヶ岳の北麓から徐々に西麓に進路を向けていきます。
夕日に染まる北八ヶ岳の裾野。
すずらん峠を越えた先にある、蓼科女の神展望台では、遠くに南八ヶ岳の峰々を望む事が出来ます。
足早に沈んでいく夕日にせかされるように山を下っていくと、ぐっと早くなった日の入りを迎えた西日が山並みの向こうに沈んでいきます。
鮮やかな色を残して、山の向こうに沈んでいく秋の夕日。
紅葉はちょっと残念な状態でしたが、久々に良いお天気に恵まれた週末に感謝を。