ひんやりと冷え込んだ、晩秋の日曜日。
長く長く続いた高原の秋も、11月に入ると足早に冬の装いへと移り変わっていきます。
帽子を被ったような黄葉する葉が快晴の空を彩ります。
多くの葉が落ちて明るくなった樹冠から日差しが差し込む落葉松林。
作業道の左右に広がる落葉松林はあくまでも人工林ではありますが、落葉松の純林特有のクマザサが密集することは無く、差し込む日差しを受けてススキたちが輝いています。
落葉松林を抜けて振り返ると、ぐっと色付きが濃くなった八ヶ岳を再び望む事が出来ます。
正面に広がる入笠山の山頂部、ゲレンデの最上部では人工降雪が始まったようです。
ゲレンデオープンまであと一ヶ月ほど、八ヶ岳の西麓も冬本番までカウントダウンです。
西に目を向けると、既に真っ白に雪化粧をした北アルプスの山々。
八ヶ岳の緩やかな裾野に広がる広大な圃場の脇にある、小さな高まり。見事に紅葉する木々に囲まれています。
しかしながら、図上でご覧頂けるかと思いますが、中央道を貫通させるために、その貴重な遺跡は地中深くに埋め立てられてしまいました。中央道をこのシーズンに通過されると気が付かれるかもしれませんが、高速道路の両脇に広がる、こんもりとした紅葉する木々が植えられた場所が、阿久遺跡の埋設跡に植えられた落葉樹たちなのです。
Googlemapで表示した阿久遺跡。中央道を挟んで左右に広がる、周囲と植生の異なる部分が、発掘調査後に埋設された箇所です。画面右端には出土物を収めた収蔵庫があります。かなり離れた八ヶ岳の中腹を横断する鉢巻道路沿いにある、八ヶ岳美術館(併:原村歴史民俗資料館)に僅かですが、出土物が展示されています。
鬱蒼と茂る落葉樹の林も、このシーズンには明るい彩に包まれます。
環状列石が並んでいた場所に造られた広場を囲む林。此処に生活を営んでいた彼らに思いを馳せるように、生活の糧を与えてくれたであろう落葉樹の木々が植えられています。
此処に住んでいた人々の跡は永久に土の中に眠る事になってしまいましたが、その面影を想いつつ歩く紅葉の小路です。
日暮れを迎えて日射しが西に傾いて来ると、落葉松林は黄金色に輝き始めます。
落葉の進んだ落葉松林、白銀色に輝く幹が目立ち始めると、もうすぐ冬の装いです。
今週末には降雪の予報も伝えられる中、最後の秋の彩を追って。
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