15年の時を経て再びライチョウの展示を開始した大町山岳博物館へ(2019.3.17)

15年の時を経て再びライチョウの展示を開始した大町山岳博物館へ(2019.3.17)

今月の15日から全国5箇所の施設で開始された、人工孵化、飼育のライチョウ公開。

これまで動物園で観る事が出来なかった高山に住むライチョウの姿を一目見ようと多くの方がこの週末に動物園を訪れたようですが、その中で少し異なった雰囲気での公開を迎えた施設があります。

昼前になって時折吹雪き始めた、大町市にある市立大町山岳博物館

今回公開を迎えた施設の中で、唯一2004年まで長期に渡る低地での繁殖活動を実施していた場所。2015年から開始された域外保全活動に於いて、環境省の支援の元で再び繁殖活動を再開、実に15年振りの再公開を迎えました。

雪雲の下に沈む大町の市街地を望む、博物館3階の展望デッキより。

お天気が良ければ、北アルプスの大パノラマが楽しめる格好の場所(写真撮影用にレンズを外に向けられる小窓が付いています)なのですが、残念ながら今日は雪雲の中。

そして、シーズンオフのこの時期ですと数台の車がぱらぱらと止まっているだけの筈の駐車場が…実は建屋の裏側まで満杯に。吹雪の中、スタッフの方が誘導に走り回るという驚きの光景を目にする事になりました。

今日は、今回の公開再開を記念して開催された特別講演を聴講にやってきました。

講師は本邦初(ご本人談)のライチョウ研究で学位を取得した小林篤氏。ライチョウ研究の第一人者、中村浩志先生と共に研究されている方で、昨年刊行された「ライチョウを絶滅から守る! 」(しなのき書房)の共著者でもあります。

他の施設と大町山岳博物館が大きく異なる点、それは地元北アルプスの自然を象徴する鳥であり、前述のように過去にも長く(20年以上)に渡ってこの場所を拠点としてライチョウの低地における飼育に挑戦していたというベースを市民の皆様が共有されている事です。

今回の講演会もその中核を担う山岳博物館の会員組織(山博友の会)の皆様が会場運営に当たり、聴講する側も県が活動を展開するライチョウサポーターズの皆様等、熱心な方々が多く集まられたようです(参加者の年齢層が広く、何より女性の方が多いのに驚きました)。

地元報道各社の取材が入り、定員80名が満席となる盛況の中で行われた講演。内容自体は前述の著作を読まれた方であれば御承知の内容が殆どかと思いますが、南アルプスで行われているゲージ保護の動画が紹介(雛たちが殆ど人手を介さずに連なって自らゲージに戻っていく)されると、会場から一斉に歓声が上がっていました。

ライチョウの生態とこれまでの活動の推移を示した後で、直近の保護活動、人工繁殖に極めて大きな示唆を与えることになる、親の盲腸糞から腸内細菌を雛が取り入れている事を確認した最新の報告まで、丁寧な解説がなされていきましたが、今回の講演会で少し驚いたのが、講演後の質疑における演者の方が述べる率直な見解の数々。

質問される方も流石に良くご存知のようで、スライドには用意されない最直近の話題、しかも当事者としては微妙な問題が含まれる内容だと思うのですが、自らの見解としてはっきりと述べて下さったのは、とても好感が持てるところでした。

  • 中央アルプスで発見された個体は北アルプスに生息する群である事は把握できているが、実際にどこから飛来したかはわかっていない(多分乗鞍岳だろうと)
  • 中央アルプスへの移植については今後の検討に委ねられる(中村先生は実施したいと考えている)。現行の活動は5年計画で本年度で終了する事になっている
  • 火打山でのイネ科植物の除去については、当該群の生息数が極めて少なく、標高が低いという特殊な場所故の施策であり、火打山以外で実施する予定はない
  • ライチョウの生息群全てが絶滅に瀕している訳ではない。北アルプスの群は比較的安定ているが、特にゲージ保護を行っている南アルプスの群は減少が著しく、このままであれば絶滅する可能性がある
  • 南アルプスの群が減少している理由はゲージ保護を採用した理由である捕食者の影響もあるが、高山植物の減少、特にシカの食害が著しい。但し、全ての高山植物が激減している訳ではなく、巷間に伝えられるような話は登山道沿いなど限定的(それほどでもないと。サルのライチョウ捕食写真の件を含めて、少々センセーショナルに扱われているというニュアンスを演者の方から感じました)。もう一つはより大きな話なので、と
  • (山小屋周辺での捕食者を捕える罠の設置を認めるなど)国立公園は石一つ葉一枚動かさないという環境省のスタンスは徐々に変わりつつある
  • 腸内細菌のうち、有用な菌の分離、精製が出来ないか研究を続けている(宮野典夫前館長だったと思いますが、博物館側からの補足として、飼育個体でも雛の段階で親鳥の糞を食させる検討をしていると)。これが出来ないと、飼育個体を自然に放鳥した時に自然の食性に対応できなくなる恐れがある(朱鷺とは違う)。こちらの研究は今後にご期待くださいとの力強い発言も

館内の2階にある、この博物館が長年手掛けてきたライチョウ飼育、研究の経緯を辿るコーナーに新たに設けられた、現在のフィールドで保護、研究活動の全般を紹介するボード。今回ご紹介されていた内容が解説されています。

今回公開が始まったライチョウは、博物館の裏側にある付属園で飼育されています(こちらの付属園への入場は無料、館内の展示を見学する場合は入場料が必要です)。

雪が舞う中、付属園のスバールバルライチョウ舎の前で、講演会参加者の皆さんに説明する大町山岳博物館の館長さん。

ちょっとおネムのスバールバルライチョウ。

別のタイミングで撮影した1枚。ライチョウ飼育の事前検証の為に飼育を開始したこちらのスバールバルライチョウですが、ライチョウと見比べて違いが判るでしょうか。

そして、以前は飼育員さんの作業用プレハブ小屋が建っていた場所に、こんな立派な展示用飼育舎が建ってしまいました(驚)。奥の大きな建屋が、展示用の飼育舎です。

見学入口にはこのように域外保全活動の取り組みを示す解説板が用意されています。

この奥が展示場所なのですが…えーっと、他の展示施設の写真などを拝見していると、共通する展示場所のセンスには発注主様の…(以下自主規制)。

窓の向こうに雪が降る中、沢山の見学者に見つめられて落ち着かないのでしょうか、時にゆったりとポーズをとってくれるスバールバルライチョウに対して、右へ左へと忙しく動き回る、1羽だけ展示される事になった人工孵化から飼育されているライチョウの雌。

彼女の前途に、再び北アルプスの峰々を優雅に歩くライチョウ達の姿が見られる日が来る事を願って。

今回の人工孵化個体の公開は、環境省の主導日本動物園水族館協会との協定に基づき5箇所の施設で同時に実施されています。

大町山岳博物館での展示は、当面の間は毎日11時から15時までです。

もし機会があれば、お近くの施設で是非ご覧頂き、四季を通じて姿を変えていく愛らしい姿とその向こうにある彼女たちが生活する生息環境にも、少し思いを巡らせて頂ければと。

彼らが住まう南アルプスの麓より、今年の繁殖も成功を願って。

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今月の読本「ライチョウを絶滅から守る!」(中村浩志・小林篤 しなのき書房)もう躊躇は出来ない、第一人者の想いとこれから

今月の読本「ライチョウを絶滅から守る!」(中村浩志・小林篤 しなのき書房)もう躊躇は出来ない、第一人者の想いとこれから

高山に舞い降りる神の使い、雷鳥。

厳冬の雪山、丸々と膨らんだ可愛らしい姿で白銀の中を歩き、夏場になるとハイマツ越しに登山者が触れられそうな目の前を悠然と往くその姿に魅了される方は数多くいらっしゃるかと思います。一方で、危機的な状況が伝えられるその生息環境と生息数。繰り返し報道される保護活動と相対する高山植物の植生崩壊、更には想定外の天敵に捕食されるシーン。そのいずれの場面にも登場されるライチョウ研究、保護活動の第一人者である著者が、後継者と目される若き研究者と共著と言う形で著された、最新動向を綴る一冊が上梓されました。

今回は「ライチョウを絶滅から守る!」(中村浩志・小林篤 しなのき書房)をご紹介します(版元さんのHP更新が止まっておりますので、リンクはAmazonです)。

前著「二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ」(農文協)から5年。その間にライチョウを取り巻く環境は大きく変化しましたが、それは著者にとっても同じ。豊富な著作を有する一方で、前著では研究を継承する立場であった著者が、今度は自らの名を冠した研究所を開設し、研究を次世代へと引き継ぐ立場に至った心境を踏まえた著述となっています。

まず、日本におけるライチョウの生活環境や繁殖、日本人の山岳に対する想いとライチョウといった著者にとっての一般論と言える部分は前著をほぼ踏襲していますので、前著を読まれた方にとってはかなりの部分が重複する内容になるかと思います(本書では抜粋に近い形での掲載になります)。

その上で、本書は著者が自らの研究所を立ち上げる直前から、以前にも増して積極的な活動をアピールする形でその成果や自らの活動、各地で展開されている活動に対する想いを述べていきます。しかしながら、そのアピールや提言、実際の活動内容については前著以上にある種の懸念も付き纏います。

日本における自然保護の根底にある、ある種の無謬性への憤り。手つかず、ありのままの姿という名で語られる、無改変であることを尊ぶ見解や抑制的な保護活動に対する強烈な反論。人を恐れないと云われるライチョウの無防備性自体が日本人と自然の関わり方の尊さ、共存の姿を象徴すると述べる一方で、積極的と言う言葉を越えた人為的な強制介入ともいえる現在の保護活動と、最新の研究成果も織り交ぜた一連の域外保全政策に対するフィールド研究者としての現時点ではやや否定的な見解。

ある意味苛烈とも捉えられる論旨が所々に含まれますが、そこまで一線を越えた活動を続けなければ種の滅亡に直面してしまうという、極めて危機的状況にあるという認識を繰り返し述べていきます。

50歳を過ぎてから前任者を引き継ぐ形で始めた著者のライチョウ研究。本意ではなかった研究から更に本意から外れる形で否応なく向き合うことになった現在の保護活動の姿を詳述する本書。既に70歳を過ぎた著者自身が、今度は研究と保護活動を永続化し後進へとバトンタッチする事も念頭に置いた、市民も参加する保護活動の一端を紹介しつつ、著者と同じように本意を曲げて研究、保護活動の道を歩み続ける共著者への強い想いを述べて筆を置いています。

地元出版社から刊行された本作品。長野県下以外の本屋さんで手に取る事は難しいかもしれませんが、報道等で繰り返し伝えられるライチョウ生息環境の急激な変化や、人工繁殖、保護活動の話題に関心がある方。更には、その愛らしいライチョウの姿に魅せられ、ご興味を抱かれた方にも一緒に読んで考えてみて頂きたい一冊。

長期に渡る低地での人工繁殖に一度は断念するも、類似種であるスバールバルライチョウ(写真)の飼育によるステップを経て、再びライチョウの人工繁殖に挑んでいる、大町山岳博物館

本書でも、4世代まで繋ぐ事が出来たその飼育実績を踏まえて、他の施設とは異なる飼育方法、餌の選定で人工繁殖に挑んでいる事が述べられています。

また、動物園関係者や獣医師の知見も踏まえて、フィールド観察から得られた親の盲腸糞を雛が食することによる腸内細菌の増加と感染症への耐性獲得の示唆といった、大町山岳博物館が超える事が出来なかった、継続的な域外保全の鍵となる知見も得られるようになってきています。

多くの方々に関心を持って頂く事で、より一層の保全活動に繋がる事を願って。

ライチョウの里で愛おしいその姿に向き合う想いに触れる(大町山岳博物館と高橋広平氏の雷鳥写真展)

ライチョウの里で愛おしいその姿に向き合う想いに触れる(大町山岳博物館と高橋広平氏の雷鳥写真展)

北アルプスを正面に望む山懐に広がる、信濃大町。

ここには、ユニークな展示内容と極めて珍しい飼育実績を有する存在で知られる、個性的な市営博物館が存在します。

登山と山岳の自然というテーマを掲げる一方、昨年から始まったライチョウの繁殖計画より遥か以前の1963年から低地でのライチョウの飼育に着手し、その後も2004年まで細々とではありますが繁殖活動を続けていた「大町山岳博物館」です。

大町山岳博物館正面玄関正面に展示されたカモシカ親子のブロンズ像がシンボルの博物館正面。

今日は昨日より始まった写真家、高橋広平氏の初めての個展「雷鳥 ~四季を纏う神の鳥~」を見学にやって来ました。

大町山岳博物館、高橋広平写真展以前に展示内容については、こちらのページでご紹介しておりますので割愛しますが、どの展示も個性的で興味深いので、何度でも繰り返し見てしまいます。

今回もぐるっと展示を観てから、写真展の方に移りました。

今回の写真展、昨年安曇野の田淵行男記念館(と、富士フィルムのギャラリー)で開催された写真展と同じスライドを使用している作品もありますし、スペース的にも決して広い訳ではありません。

しかしながら初の個展という事もあり、写真のサイズもこれまでの展示では小さめのスライドだったものも思い切って大伸ばしにされ、バリエーションも豊富に。更にレイアウトやコメント、併せて展示されている高山の動植物の写真にも氏の拘りが感じられる展示内容になっています。今、日本で見られる最もクオリティの高い、そしてちょっと和ませるライチョウの写真がびっしりと詰まった、濃密な写真展です。

そして、是が非でもモノにしたかったという「ICHIGO DAIFUKU」の写真も貴重な1カットだけですが、その撮影条件と、どのような状況で生じるのかの解説と共に紹介されています(内容はもちろん撮禁なので、ご自身の目でお確かめください)。

高橋広平氏の雷鳥写真集今回の写真展に合わせて大町山岳博物館が刊行した、氏にとって初の写真集。

展示されていた写真以外にも掲載されていますし、パネルの横に掲載されていたコメントも併せて読める親切仕様。じっくりおうちで眺めたい保存版なのですが…この写真集かなりの人気のようで、博物館の方も開催僅か2日目にして予想以上のペースで出ていて、会期末まで在庫が持つか焦るくらいの状況との事でした(昨日は、ご本人がいらっしゃったようなので更に)。

博物館の方も「これから人気出ちゃいそうですね」と仰る通りの、魅力的なライチョウの写真たちがぎゅっと詰まった素敵な写真集です。

大町山岳博物館ライチョウ解説展示1もちろん写真だけではなく、館内にはライチョウを専門に扱った展示解説も常設されています。貴重なはく製(大町山岳博物館展示の大きな特徴の一つは、精巧な動物のはく製たちです)を駆使して、ライチョウの生態解説が行われています。

大町山岳博物館ライチョウ解説展示2そして、この博物館の存歳意義を示す、ライチョウ飼育、研究の歴史について語るボードが、展示室の一番奥に掲示されています。

先駆的な低地でのライチョウ飼育の実践とその破綻。絶滅の危機に瀕しつつある中での、再挑戦への道筋。

それでは、博物館の裏側にある、付属動物園へ移動してみましょう。

大町山岳博物館スバールバルライチョウ飼育舎昨年から始まった、ライチョウ飼育の前段としてのスバールバルライチョウの飼育試験用施設(空調完備、表の展示室と、裏の飼育室が一体化した建屋が3棟と、管理棟1棟)。以前の劣悪とも評された飼育環境と比べると、環境省の予算が投じられたためでしょうか、格段の進歩です(富山同様、こちらもコンクリート打ち放しの床です)。昨年は展示室の中をよちよちと歩く、スバールバルライチョウが覗けたのですが、正面にロープが張られています。

大町山岳博物館スバールバルライチョウ展示中止告知文何と、飼育中の個体が相次いで死亡するトラブルが生じたとの張り紙が。

大町山岳博物館ライチョウ飼育舎1ガラス張りの空っぽの飼育舎が並ぶ、ちょっと陰鬱な雰囲気が漂いますが、一番奥の葦簀張りの一棟には、それを乗り越えようとする希望の鍵が大切に育てられています。

大町山岳博物館ライチョウ飼育舎2こちらが、非公開のライチョウの飼育舎。

理解を求める張り紙が掲示されています。

大町山岳博物館ライチョウ飼育舎3それでも、せっかく訪れてくれた来園者に少しでも楽しんでもらおうと、これまでの成長の様子が判るスライドが掲示されています。

一番右のスライドが最も最近の撮影(8/20)です。

6/30の孵化から約2ヶ月、すっかり大きくなりましたね。

大町山岳博物館よりの展望北アルプスの雄大な山並みを正面に、信濃大町の街並みを見下ろす、大町山岳博物館の3階ラウンジより。この時期に望む北アルプスは、何時も光のカーテン(天子の梯子とも)が掛かっているようです。

ちょっと残念な事も起きてしまいましたが、全ては試行錯誤の最中。

自然を相手に人工的な繁殖を行う事の厳しさは、昨年の上野動物園における全羽死亡という残念な結果を持ち出すまでもなく、常に付きまとう事。

それを乗り越えた先に、きっと新たな段階、人工飼育をしたつがいから生まれたライチョウたちが再び北アルプスの山々で、行き交う登山者の前を悠然と往く姿が見られる時が来ることを信じて。

大町山岳博物館のライチョウ関連パンフレット「雷鳥 ~四季を纏う神の鳥~」高橋広平写真展は11/27まで。

会期中の9/11(日)午後1時30分から、鳥類研究家の小林篤氏との対談会。11/3(文化の日)は作者自らのミュージアムトークが午前と午後の2回、実施されます。

市立大町山岳博物館企画展_雷鳥~四季を四季纏う神の撮り鳥~高橋広平写真展_パンフレット

更に、毎年開かれているライチョウ会議、今年のホストタウンは信濃大町です

10/15,16の両日に、大町市内と山岳博物館を会場に各種のイベントやシンポジウム、学術会議が開催されます。

ライチョウの事をもっと知りたい、直接会って話を聞いてみたいという方は、この秋は是非、大町に足を運んでみては如何でしょうか。

 

北アルプスにまつわる自然と人の営みを集めて(大町山岳博物館と4つの分野を跨ぐ特徴的な展示を)

北アルプスにまつわる自然と人の営みを集めて(大町山岳博物館と4つの分野を跨ぐ特徴的な展示を)

New(2015.9.13):本年夏から展示を開始したスバールバルライチョウ飼育舎のご紹介を追加しました。

New(2015.5.26):2004年を最後に飼育を中断していたライチョウの再飼育に向けて、近縁種であるスバールバルライチョウの飼育に着手するため、新たな飼育舎の建設が進んでいます。6月14日には完成披露を兼ねた企画展が予定されています。既に、上野動物園と富山ファミリーパークは次のステップでもあるライチョウの人工飼育に着手することが決定していますが、大町山岳博物館も新たな挑戦が始まるようです。本展示の詳しい内容については、現在開催中の特別展「山博にライチョウがやってくる!山博「ライチョウの里」へ再出発」の企画展ページをご確認ください。

お天気のすぐれないお休みの日。

塩尻まで足を延ばした序に、何時かは行こうと考えていた場所まで更に足を延ばしてみます。

大町山岳博物館外観信濃大町の街を見下ろす山裾に位置する市営の博物館「大町山岳博物館」です。

大町山岳博物館玄関正面玄関には、この博物館のシンボルでもあるニホンカモシカ親子のブロンズ像が据えられています。

美しい木目パネルがはめ込まれた玄関と、落ち着いた外観が印象的なコントラストを見せています。

大町山岳博物館館内1館内は撮影禁止ではありませんでしたので、差し障りのない範囲で。

タペストリー調のメッセージが要所に掲げられています。

大町山岳博物館エレベーター館内のエレベーターはこんな感じで可愛いイラストで彩られています。

館内の順路は、なんといきなり最上階ヘ上がれとの事で、3階に上がります。

大町山岳博物館3階展望台3階はこの博物館のハイライト。北アルプスを一望できる大展望台へとご案内です。

足元には空中撮影した大町と北アルプスの地形が飾られています。

大町山岳博物館3階展望台2展望台の窓には、こちらのようにカメラ用ののぞき窓も用意されています。天気が良ければ、北アルプスの素晴らしいパノラマが約束されているのですが、今日は残念ながら霞んでしまっています。

大町山岳博物館3階展望台と岩石標本そして、こちらが「博物館」であることを雄弁と物語る第一の展示物、北アルプスの大パノラマとして見学者を迎えてくれる峰々で採取された岩石見本が揃えられています。

眺めるだけではなく、山を肌で感じて欲しいとの展示者の想いが伝わってきます。

大町山岳博物館2階岩石標本1その想いは、2階の展示スペースに移るとよりいっそう明確になります。

北アルプスの成り立ちを解説するスペースに展示されている岩石標本たちは、写真撮影どころか「触ってみてください」のプレートが出ているのです。

屋内展示で、こんなオープンな博物館。そんなに多くは無い筈です。

大町山岳博物館2階岩石標本2こちらは中央構造線の解説パネルと岩石標本。こんな場所で、よもやの「白州おしかぶせ断層(地元です)」にお目にかかるとは思いもよりませんでした。こちらの標本ももちろん触ることが出来ます(化石標本すら触って良いのです)。

大町山岳博物館2階岩石標本3メタセコイヤの炭化化石。年輪や炭化した断面をじっくり触らせて頂きました。

大町山岳博物館玄関のはく製この展示者の想いは、地学から次は生物学に移っていきます。

玄関に飾られているはく製。本物のニホンザルとタヌキのはく製に「触ってみてください」と訴えかけています。この後に展示されている展示物への想いを込めて。

大町山岳博物館2階はく製展示12階のメイン展示スペースを占める、野生動物のはく製たち。苦手な方には大変申し訳ないのですが、この博物館の二つ目のポイントは「本物のはく製」で展示している事です。

玄関に飾られているはく製の解説文章にあるように、ここに飾られているはく製たちは不幸にして病気や死亡した野生動物たちを集めてはく製にしたものです。本物に限りなく近い展示物といえるでしょう。

大町山岳博物館2階はく製展示3この博物館のシンボルでもある、ニホンカモシカのはく製。シカとカモシカの違いについて、詳細に解説されています。どちらも同じように見えますが、生態から、そもそも種まで違う事をこの展示で理解して頂けるはずです。

大町山岳博物館付属園のカモシカ博物館の裏手にある付属園では、実際に保護されているニホンカモシカを観ることが出来ます。

更に裏側にはカモシカの生態に合わせて、山腹の急傾斜を利用したゲージも用意されています(実は、このゲージ自体も凄いのです。写真失念…)。

大町山岳博物館2階はく製展示2野生動物のはく製たち。こちらは標高別に飾られており、生態が把握できるように配慮されています。

大町山岳博物館2階はく製展示4水辺の生物のはく製たち。水辺の種類ごとに展示されています。

動物、鳥のはく製は本物なのですが、それ以外はプラスチック製なので落差が…。

大町山岳博物館2階ライチョウ展示1そして、この博物館の三つ目の特徴。はく製コーナー奥の一画にある。ここにしかないであろう、ライチョウの生態解説展示です。

この博物館の来歴をご存知の方なら、なぜ独立したライチョウの展示が行われているのかご存じかと思います。この博物館の付属施設では2004年まで低地でのライチョウの飼育と繁殖が試みられていましたが、残念ながら「継続的な」繁殖には至らず(2015.7.4:記述修正。実際には1886年に5世代目の誕生まで辿り着いたが、その後継続できず)、現在では中止されています。

大町山岳博物館2階ライチョウ展示2そんな苦い過去を持つ、この博物館。その学術的研究の成果の一端がこのような形で展示されています。

しかしながら、各種の報道でご存知かと思いますが、近縁種であるスバールバルライチョウを用いた飼育技術の試行が既に行われており、近い将来再びライチョウの人工ふ化に挑戦する機会が訪れるかもしれません。

大町山岳博物館2階ライチョウ展示3何時か、こんなシーンが当たり前の風景となる事を祈って。この研究には本館以外にも、他の動物園も参加しています。

大町山岳博物館1階山岳展示1触って感じる地質学。実物のはく製が本物の自然に迫り、失わる寸前に辛うじて留まるライチョウの展示が危機を訴える。規模の小さな博物館とは思えない充実の展示物の最後を飾るのは、1階に広がる、この館の表題を表す、登山の歴史を伝えるコーナー。入り口では時代ごとの登山装備が迎えてくれます。

大町山岳博物館1階山岳展示2展示されているのは登山だけではありません。山の暮らしに関わる品々が豊富に展示されています。

雑然とした民俗館と違って、映像を含めて視覚的に訴えてくるような展示を心掛けているようです。

大町山岳博物館1階山岳展示3メインの展示の一つである、信州と越中の峠越しの交流の歴史を紹介するコーナー。古文書や図録が豊富に展示されています。

大町山岳博物館1階山岳展示4昔の山人達が使った狩猟道具。貴重な当時のテグスや毛ばり、カモシカの毛皮で作った道具なども展示されています。

大町山岳博物館1階山岳展示5山小屋での語りを再現した、民俗博物館ではおなじみの展示もあります(笑)。

大町山岳博物館1階山岳展示6鳩便用箋戦前、山小屋での連絡に使われた鳩便用箋と鳩箱。

発信元や、緊急便の指定など、当時を物語る貴重な収蔵品も展示されています。

あ、近代の登山に関する展示もあるのですが、全くの素人なので…。ご興味のある方は是非ご自身の目で確かめてください。

大町山岳博物館前庭より北アルプス夕方になってようやく晴れてきた博物館の前庭より、大町の市街と北アルプスの山々を。

大町山岳博物館資料一地方都市の博物館としては、規模の割にはあまりにも豊富な展示分野を包括する大町山岳博物館。

ちょっとテーマを絞りきれない感もありますが、いずれの分野にも興味がある方(含む自分…)には、大満足の展示ではないでしょうか。

信州の一大観光地でもある安曇野からは少し離れますが、信濃大町の市街からはすぐの場所ですので、白馬方面や黒部アルペンルートにお越しの際にはちょっと寄ってみるのも良いかもしれませんね。

<ここから2015年9月13日の追加分です>

大町山岳博物館付属園正面博物館の裏山に広がる付属園。こちらで本年(2015年)から、ライチョウの再飼育、繁殖を目指した事前準備としての、近縁種スバールバルライチョウの飼育が開始されました。

大町山岳博物館付属園園内案内板付属園正面の解説板。

入り口前の最も良い場所にライチョウ舎が建てられました。

大町山岳博物館付属園新ライチョウ舎全景ライチョウ舎の全景。全部で3つの建物(実際には管理棟も新設されたので4棟)が新設されました。

アクリル?製の透明な窓越しに観察できますが、窓の正面にはロープと、日差しが直接飼育舎に入り込む事を防ぐためにテントが設けられています(脅かさないようにとの注意書きも)。

大町山岳博物館付属園スバールバルライチョウ展示実際の展示風景。このような形で窓越しに観察できます。

コンクリートの壁に空いている穴の向こう側が空調付きの飼育舎に繋がっているようです。

ゲージではなく、コンクリート打ち放しの環境での飼育は、以前のニホンライチョウ飼育時から変わっていないようです。

じっと見つめてしまうと、時々、穴の方に帰って行ってしまいます。

大町山岳博物館付属園スバールバルライチョウ説明板1スバールバルライチョウの解説板。

大町山岳博物館付属園スバールバルライチョウ説明板2飼育の経緯に関する解説板(画像をクリックすると、拡大表示になります)。

上野動物園での初年度の繁殖に向けた飼育は残念ながら実を結びませんでしたが、決して興業でも場当たり的な活動でもなく、このように国を挙げての活動の一端として行われている物です。

その中で、最も長い飼育経験を有し、5世代に渡る繁殖に成功した本館の知見は大変貴重なもの。残念ながら2004年を最後に飼育を中断していますが、今回のスバールバルライチョウ飼育を契機に、きっと次のステップ、ニホンライチョウの低地での繁殖、そしてその先の目標である自然環境への帰還まで実を結ぶと信じて。

スバールバルライチョウ1スバールバルライチョウ2スバールバルライチョウ3スバールバルライチョウ4既に3棟ある飼育舎の全てにスバールバルライチョウが入っている状態です。

いずれ、この飼育舎にニホンライチョウが、そしてこの地で繁殖したペアが飼育されることを強く願って。

 

 

<おまけ>

本ページでご扱っている、類似のテーマもちょっとご紹介します。

 

今月の読本「二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ」(中村浩志 農文協)ライチョウ研究のトップが静かに語る「奇跡」の今

今月の読本「二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ」(中村浩志 農文協)ライチョウ研究のトップが静かに語る「奇跡」の今

New(2015.11.21):明日(11/22)夜に、NHKの動物番組「ダーウィンが来た!生き物新伝説」で南アルプスにおけるライチョウ保護活動がテーマとして採り上げられることになりました「ライチョウを守れ!ボディガード大作戦」。番組には、本書の著者でもある中村浩志先生も登場、本書でも語られる、より人間が関与する形でのライチョウ保護活動の現在の姿が放映されることになっています。既に番組ホームページには、ウラ日記として取材記が掲載されています(番組終了後には次回放送分に更新されてしまう筈なので、掲載は期間限定です)。番組は19:30より全国ネットで放送予定です。

New(2015.9.14):2004年を最後に飼育を中断していた大町山岳博物館でのニホンライチョウの再飼育に向けての準備段階である、近縁種であるスバールバルライチョウの飼育について、新装されたライチョウ舎が本年7月より公開となりました。こちらに新たに設けられたライチョウ舎の訪問記(大町山岳博物館の付属園です)を追加しました。

New(2015.5.26):大町山岳博物館における2004年を最後に飼育を中断していたライチョウの再飼育に向けて、各地で近縁種であるスバールバルライチョウの飼育が行われていましたが、いよいよ上野動物園と富山ファミリーパークにおいて、次のステップでもあるライチョウの人工飼育に着手することが決定しました。再びライチョウたちが信州の山々に舞い上がる日を願って。

何時もお世話になっている、八ヶ岳西麓最大の書店であり、夜9時(以前は10時まで)まで開いている為に仕事帰りの気分転換にもしょっちゅう立ち読み(ゴメンナサイ)させて頂いているi書店様は、場所柄、登山や、ガーデニング、農業関係の書籍も充実しています。

そんな訳で、都市部の書店では専門書のコーナーでないとなかなか取扱いの無い農文協(農山漁村文化協会)さんの本も普通に並んでいたりします。

農文協さんの本というと、どうしても専門書というイメージが強いのですが、以前ご紹介した職漁師伝」もそうですが、農漁業や自然関係のエッセイも結構出されています。

今回ご紹介するのも、そのようなエッセイ集として刊行された一冊。地元、信州大学名誉教授で、前日本鳥学会会長、他社や地元出版社でも多数の書籍を執筆されている中村浩志先生が専門のフィールドである鳥類、それも現在の研究テーマであるライチョウを全面に置いて書かれた一冊「二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ」です。

ライチョウ本書では、著者が信州大学のライチョウ研究で前任である羽田健二先生から研究を引き継いでからの近年10年程に関するフィールドワーク、研究結果について一般読者にも判り易い形で書かれた書籍で、肩肘張った研究書でも、自然保護を前面の押し出したプロパガンダ的啓蒙書でもありません。

鳥類研究者として、ライチョウ会議議長として、ライチョウ研究の国内第一人者としての「ライチョウ研究の今とこれから」を丁寧に解説されている一冊です。

流石に多数の書籍を手掛けていらっしゃるだけあって、平易かつ説得力ある文章は読んでいて心地よく、知らず知らずのうちに読者をライチョウ研究のフィールドに誘ってくれます。

また、巻頭には四季の高山の風景に合わせて姿を変えていく貴重なライチョウたちの写真が16ページにも渡ってカラーで掲載されており、文章と写真を見比べることで、ライチョウの四季に渡る生活シーンがより理解しやすくなるように配慮されている点は非常に嬉しいです(その分、お値段が…)。

本文のスタートは衝撃の「ライチョウ釣り」からスタート(本当に釣竿の先に輪っかにしたワイヤー付けて釣り上げているんです)する掴みの上手さですが、その後で実はライチョウの研究に乗り気ではなかったという著者の偽らざる心境が語られます。

著者の主たる研究テーマはカッコウの托卵生態(巣の宿主が産んだ卵より先にふ化して、かつ宿主に育てさせるという非常に有名かつ、特異な生態)で、本当はライチョウ研究は片手間であったはずなのに、カッコウの研究が一段落した後に何故、再び厳しい環境でもある高山帯での研究に挑む決心をしたのかについても語られています(この決意の理由は最終章のテーマに繋がっていきます)。

50歳を過ぎて、再びライチョウの研究に立ち向かった著者のスタンスは、前任者である羽田先生とは対極を見せる「生態環境の完全解明」であり、個体識別のためには捕獲も辞さない(もちろん厳しい制約の元です)という立場を明確にしていきます。

その結果、これまで判明してこなかったライチョウの生態がこの10年間で飛躍的に解明される結果となったのです。

特に印象的だったのが、その地域の生息数の上限が、連年オスが縄張りを張れる領域(産卵と育児に適したハイマツの灌木が得られる地点)のスペースで規定されるという点でしょうか。

一般的な鳥類であれば、その卓越した飛翔能力を活用することで、生息域の拡大や、生息域の環境変化に対応した繁殖地の変更を比較的容易に行う事が可能です。

ところが、氷河時代以降、高山に孤立してしまったライチョウにとって、生息に適している環境は山々の高山帯に点在しており、点在している繁殖域を行き来するのは、高い飛翔能力を有しているといっても至難の業(なんといっても酸素濃度の低い高空を長時間無着陸で飛翔する必要があるのです)。結局として各繁殖地の面積、環境に非常に依存した繁殖活動しかできない事を個体識別で明らかにしていきます。

また、過去の研究成果との比較で、ライチョウの飛翔限界と過去の分布域、DNA解析による検討結果から、ライチョウが北方からどのように定着していったかを明らかにした点も非常に判り易く語られています。

この事から、非常に大きなニュースとなった70年ぶりの白山でのライチョウの飛来と、繁殖可能性(何故繁殖環境があるにも関わらず白山で雄雌ペアができないのか)についても説明されています。

そして、語られる内容は非常に深刻なテーマへと移っていきます。

前述のように、孤立した繁殖環境では種の保存にとって重要となる遺伝多様性が低下することは既に良く知られている事です。

以前であれば、ライチョウの飛翔能力によって補われていた点在する繁殖地間の往来も、気温の上昇による繁殖地の分断化が進んだため、南アルプスの群と北アルプス/頸城の山々の群に分かれてしまい、繋ぎとなる八ヶ岳の環境が改善しない限り、個体群の交流は絶望的な状況です。

更に、個別の繁殖地でも気温の上昇による高山植物の遷移(山頂の高さは決まっているので、最終的には消失に繋がります)による切迫感は、平均気温があと2℃上昇しただけで、絶滅に瀕するとの予測を打ち出しています。そしてここでも話が出てきてしまうシカの問題…。

25年ぶりに行われた個体調査の結果は、見事に上記の懸念を裏付ける結果となってしまい、南アルプスの個体群は大幅に減少している事が明らかになっています(報道等でご承知かとは思いますが、南アルプスでは高山植物が食害で激減、対抗策として高山帯でシカを捕獲、ヘリで地上に下ろすことを試さなければいけないほど、事態は切迫しています)。

それほど厳しい状態に置かれているライチョウですが、奇妙な事に警戒心に乏しく、人に対しても殆ど無関心を貫いています。

高山帯という非常に限られてはいても競合の少ない環境で生育している事が大きいのでしょうか、写真で見るライチョウの育児シーンはとてもおおらかな感じが伝わってきます(調査の結果でも、ヒナの死亡率で最も高いのはふ化後の気温低下による凍死であり、食害は思いのほか少ない)。そして、高山を目指す登山客にとって貴重なライチョウとの出会いは大切な思い出となっているはずです。

著者は、海外のライチョウ類(狩猟対象でもあります)の生態と比較しても特異なこのライチョウの生態を日本人の山岳信仰、農村での生活環境、そして里山と神々の峰ともいえる高山帯との峻別にその理由を求めようとします。

そのすべてに同意する事は出来ないのですが、ライチョウという鳥が、極めて限られた自然環境に守られて育まれた結果であることは間違いないようです。そして、その環境を底辺で支えていたのが人々の生活であったのであれば、何をしてあげることがライチョウの未来を繋げてあげられるのか、おのずと見えてくるような気がします。

著者が最後に投げかけている「ライチョウは生き残れるのか?」という問いに、現時点で解は無いのかもしれません。しかしながら、同じ環境を共有する我々に課された課題は非常に大きいと云わざるを得ない事を感じながら帯に書かれた「奇跡」の二文字を改めて見た次第です。

<おまけ>

農文協さんの本で以前に取り上げた本をご紹介します。

  • 今や絶滅しつつある川をフィールドとして生活の糧を得ていた漁師の姿を、同じフィールドを生きるアングラーの視点で描く「職漁師伝」(戸門秀雄)こちらにて書評を書いております
  • そして、今回の本でも取り上げられています、野生動物の急激な生態の変化について、無人カメラを駆使して撮影され続けている動物写真家、宮崎学氏の著作。この写真集を手に取った後で、八ヶ岳南麓にお越しになれば、あらゆる山裾、畑、田圃が電流柵とネットで覆われてしまった理由が判ると思います。自然保護という言葉は、その地に生きる者にとって軽くない「イマドキの野生動物」(宮崎学)
  • 職漁師伝とイマドキの野生動物