夏の空色(2017.7.15~17)

夏休み前の3連休。

梅雨明け前ではありますが、良いお天気が続きました。

暑さを避けて、観光客の皆様が大挙して訪れるこのシーズン。皆様が訪れる場所とはちょっと異なる場所で暫し、涼んでいたりします。

朝の蕎麦畑。晴れ渡った高い空に、色々な雲がたなびいています。

まだ9時前ですが、八ヶ岳の上空には雲が湧き始めています。

少し湿っぽいうろこ雲が残る空。夏の空に至るにはあともう一歩のようです(2017.7.15)。

通り雨が降った夕暮れ時、雨に冷やされた牧草地が、大きく呼吸を始めています。

夕暮れの日射しが差し込む牧草地。靄がかかった先に、夕日のカーテンが伸びていました(2017.7.16)。

暑い夕暮れ、眩しい日差しがゆっくりと西の山の際に降りていきます。

雲を焦がす黄金色に輝く夕暮れ。

周囲の空も、少しずつ夕暮れの色に染まっていきます。

再び雲の下に降りてきた、真っ赤に染まる夕日が、地上を焦がしていきます。

連休最後の夕日が山の向こうに沈んでいきます。

鮮やかな色を空に残して去っていく夕暮れ。

午後7時を廻ると、周囲はぐっと暗くなり、陽射しが短くなってきたことを実感させます。

八ヶ岳の麓に「生きる」を子供たちに伝え続けて(自然写真家、西村豊さんの個展「八ヶ岳 生きもの ものがたり」)2017.7.9

八ヶ岳の麓に「生きる」を子供たちに伝え続けて(自然写真家、西村豊さんの個展「八ヶ岳 生きもの ものがたり」)2017.7.9

八ヶ岳の山麓にはいろいろな生き物が生息していますが、中でも人気があるのは清里に国内唯一の専門博物館もあり、冬季になるとその愛らしい冬眠中の寝姿がTVで放映される事が風物詩となっている、ヤマネ。このヤマネ人気の火付け役でもあり、その保護活動にも長年に渡って携わってきた方が、同じ八ヶ岳西麓の富士見町に在住されている写真家(ご本人は自然写真家と称されています)、西村豊さんです。

40年にならんとする写真家としての活動の中で、これまで多くの写真集や絵本の刊行、幾度かの展覧会も催されてきましたが、今回、その集大成となる個展が開催されています。

清里へのメインストリート、国道141号線から脇道に入って、高原野菜を栽培する畑を抜けた先の深い森の中に忽然と現れる、コンクリートの地肌を生かしたモダンな美術館。国内でも数少ない、芸術写真を専門に扱い、保管することを目的としたアーカイブとしての役割も持つ、清里フォトアートミュージアムです。

今回の大規模個展「八ヶ岳 生きもの ものがたり」。本ミュージアムで現在稼働中の展示スペース2室すべてと、一部の廊下までもを利用した大規模なもの。展示セクション数24、総展示作品数200点以上と云う、氏にとってもその制作活動の集大成といえる展示内容になっています。

美術館ですので、もちろん内部は撮影禁止。エントランスに設けられたキッズコーナーで遊ばれているお子さんたちを横に、展示室に入っていきます(以下の内容はプレスリリース、パンフレットも参考に綴らせて頂きます、著作の書影はAmazonにリンクしています)。

展示の順番はテーマごとに並べられていますが、ほぼ氏の制作年度を追うような形になっています(著作の刊行に合わせて制作されているため)。展示内容は順路順に以下のようになっています

第一展示室

  • ホンドギツネの子ども
  • きつねかあさん
  • 商品の詳細
    • 氏の出世作。現在の作品と比べると明らかに素朴で、距離感も遠く、撮影技術にも限界が感じられますが、それ以上に近年の作品と比べて深い愛情を感じてしまうのは、ちょっとした贔屓でしょうか
  • ニホンヤマネの「ヤマネさん」
  • 商品の詳細
    • 氏の代表作たちが一堂に揃います。数々の絵本や写真集、現在ではネットでも数多く流れている、ヤマネファンの方なら必見の作品たちを、大画面の美術作品として眺められる数少ないチャンス。氏の撮影コメントもしっかりと読みたいところ
  • 「赤ちゃんヤマネ、お山にかえる」
  • 商品の詳細
    • 氏のもう一つの側面でもある、ヤマネの保護活動。その記録写真の一部が公開されています。生後僅かな状態で保護された子どもや、人工飼育の様子など貴重な写真の数々が公開されています

インターセクション、廊下

  • 「しぶがき」
  • 商品の詳細
    • 最近では多く採り上げられるようになった、圧倒的な数の干し柿を軒下に吊るすシーンの写真。その先鞭をつけたのも氏の作品群です。今回はそのうちの何枚かをインターセクションとして展示されています。写真を表現する際のテーマの一つとなる色合いと陰影。暖かなそのグラデーションと光の微妙なバランスを描き出すための試行錯誤の成果は、印画紙で焼いた本制作ではより一層明確に浮かび上がってきます。初冬の光と実りの嬉しさを実感させる軒先の向こうに続く透明なオレンジ、実に魅力的です

第二展示室

  • 「ニホンリス」
  • 商品の詳細
  • 「よつごのこりす」
  • 商品の詳細
    • 近年、氏が精力的に撮影を進めているニホンリス。前回、富士見高原ミュージアムで展示された作品群たちを含めてその後4冊の絵本となったシリーズ作品のうち、絵本に掲載されなかった分を含めて、数多くの作品が展示されています。現行作品故の配慮でしょうか、これらの展示は写真サイズもやや小さく、フィニッシュも美術館用の本制作とはちょっと異なっているように思えます(第一展示室の作品の多くは額装ですが、こちらはボード貼り)。俊敏な動作を押さえたり、実物も展示されているオニグルミを時間を掛けて丹念に歯で削っていく際に飛ばす切り屑すらも捉えるスピード感のある作品たちはデジタル撮影(前回の展示の際には、EOS5D+300mm f2.8にテレコン2段で撮影されている事を、不幸にも落下してしまった機材と共に展示、紹介されていました。修理不可となった際にカウントされていたシャッター数は実に10万ショット以上、膨大な労力の先に作品が造られている事を実感します)に切り替わっており、極めてシャープで、ダイナミックレンジを一杯に使った、ハイライトは明るく、コントラストはやや浅めという、華やかで今時の仕上がりになっています
  • 「あしあと(混合展示、展示室外にも)」
  • 商品の詳細
    • 作品としては異なりますが、地元の小学生たちと共に富士見の山野に入って、動物たちの活動の息吹を感じてもらうという活動のワンシーンを含めて、冬の野生動物たちがどんな活動をしているのか、足跡から見出してみませんかというテーマ。雪に足を取られてお腹をバフンと、雪に埋めてしまったキツネの足跡、同じような跡を見た事があるので、思わず笑ってしまいました
  • 「ニホンジカ」
  • キツネの「ごんちゃん」
  • 商品の詳細
    • このふたつの作品群は、書籍としては未発表になります。如何にも地元でスナップ的に撮影された作品たちですが、それ故に、同じ地で生活する身としては、現実感を以て見つめてしまいます(シカが大群衆で山から下り、用心深いキツネでも、夜になれば道を駆け抜ける姿は日常ですから)。時に、あっけなく野生が目前で繰り広げられるのが八ヶ岳山麓、その現実もしっかりと見据えています
  • 「ごだっ子の田んぼ」
  • 商品の詳細
    • 野生動物、小さな生き物たちを扱った作品が多い氏にとって、珍しい作品ではありますが、前述のように地元の小学生との深い繋がり合いを持って活動を続けています。その活動の一端を収めた絵本作品から、印象的な数点の写真が展示されています。諏訪の皆様なら馴染み深い冬季の田圃リンク、星空の下に広がる青々とした透明な圃場は良く知る場所ですが、厳冬の夜にはこんな景色があったのかと、改めて見つめ直させられます。日常を深く、愛情を持って見つめる事の大切さ

氏の代表作でもあり、当館の収蔵品(前述のように、当館は国内外の作品性の高い写真を末永く保存することも設立の趣旨としており、同じく自然写真で著名な宮崎学氏の作品や、鉄道写真家の広田尚敬氏の作品も当館のアーカイブとして収蔵されています)ともなっているヤマネの写真や、近年精力的に撮影を続け、絵本を刊行されたニホンリス、そして出世作となった「ホンドギツネ」など、絵本作家としての作品も多数展示されていますが、実際の印画紙で焼いた状態で眺めるのは絵本とは全く違う世界。その撮影条件の厳しさ故に、焼き付けサイズは決して大きくはありませんが、本館やLCVが所蔵する作品の中には大伸ばしで圧倒される写真もあります。

全ての漢字にルビが打たれ、語りかけ、興味を持って貰えるように疑問形で綴られる解説文。お子さんでも見やすいようにと、少し低めに並べられた写真たちの展示スタイルは、実に本展示がお子さんとそのご家族に向けた、氏の活動スタンスをそのまま展示スタイルにも反映されているかのようです。

賑やかにおしゃべりしながらの観覧が続く、モダンで芸術性の高い美術館で催される写真展とはちょっと異なる雰囲気も、親御さんとお子さんの会話にちょっと耳を傾けながら作品を観ていく事で、新たな魅力が発見できるかもしれません。氏が望む、子供の視線に立った、発見する楽しさを伝えようとする想い。それは、伝えようと願う子ども自身のリアクションに委ねられている筈だからです。

そして、1970年代から始まる氏の作品群。その遍歴には、現在の写真撮影、写真美術や急激に進化を続ける撮影技術、装備の進展が凝縮された感すらあります。極限の環境下で撮影を続けるため、撮影技術はもとより、機材性能の限界を超えて撮影することが求められる自然写真。出世作であるホンドギツネの作品とニホンリスのそれを比べれば一目瞭然ですが、撮影に対する余裕度(ニホンリスでは背景に映る四季折々の彩なす色までも捉えようとされています)はもとより、俊敏な動きをレンズの前に留め、鮮やかに、シャープに仕上がった作品たちは、同じ写真作品とは俄かに言えないほどのクオリティの差が生じています(もちろん、味わい云々の話は別として)。

そのような急激な進化を遂げた自然写真の中で、氏が願ってやまない、子供の視点に立った発見する楽しさを伝えたいという想い。更に進化した機材と氏の円熟した撮影技量が、子供たちの好奇心を掻き立て、更に自然への興味へと繋がる架け橋となる事を願いつつ。できれば、そろそろ「大きなおともだち」に向けた作品も発表して欲しいかななどと、勝手な願いも重ねて。

最後に、最も気に入った一枚は、八ヶ岳ブルーを背景に、厳冬の雪原に僅かに顔を覗かせたススキの傍らに佇む、一頭のホンドギツネ。サイズも小さく、明瞭とはとても言えない古い作品ですが、厳冬の眩しい日差しを受けて毅然と虚空に顔を上げるその佇まいに、生きているという強い意志が宿っているように思えてなりません。心を捉えて離さない一枚でした。

西村豊「八ヶ岳 生きもの ものがたり」

2017年7月1日(土)~12月3日(日) 7,8月は無休

清里フォトアートミュージアム(北杜市高根町清里)

アーティストトークは7/30(日)と8/5(土)、いずれも午後2時から。

チャリティートークは9/2(土)午後2時から、ゲストは脳学者の篠原菊紀氏(定員120名。要予約、チャリティー参加費が別途必要)

 

 

梅雨空は彩を変えながら(2017.6.18~7.5)

少雨、空梅雨と言われながらも、6月も中盤に入ると空模様はどんより、そして強い雨が降る日も。今年も梅雨空がやって来ました。

お天気が優れないので、どうしても撮影に出る足が遠のくのですが、それでも日々を過ごす僅かなタイミングで素晴らしい色合いが望めるのが八ヶ岳山麓の素敵なところ。そんな日々のカットからご紹介。

どんよりとした早朝、何時もの奥蓼科、御射鹿池の周りには、陽射しを待ちわびる多くの観光客の方が訪れていました。ひんやりとした緑が移り込む湖面を眺めるのもまた、心地よいひと時。

一雨ごとに緑が濃くなる御射鹿池周囲の落葉松。梅雨が明ける頃にはぐっと濃い、夏の緑に移り変わっていきます(2017.6.18)。

雨上がりの朝、梅雨らしいウエットな青空には巻雲が高く巻いています。

今年も早々と夏蕎麦の花が満開を迎えていました(2017.6.20)。

一年で一番日射しが長く降り注ぐ夏至。その翌日の夕暮れは7時になっても稜線を黄金色に染めています。夏を迎え入れる夕暮れです(2017.6.22)。

梅雨とは思えないほどに晴れ上がった朝、すっかり雪渓が細くなった甲斐駒を望む圃場の麦は黄金色に染まります。収穫を待ちわびる喜びの色(2017.6.23)。

梅雨空は複雑な雲を空に描いていきます。雨上がりの空に広がる高いうろこ雲と、八ヶ岳を吹き抜ける西からの風が雲を沸かせています。雨をいっぱいに受けた緑の苗はぐんぐんと伸びていきます(2017.6.23)。

朝まで降り続いた雨が止んだ後、ひんやりとした霧が流れ込む雑木林に陽射しが差し込んでくると、うっすらとした緑のカクテルが出来上がります。梅雨の合間に現れる一瞬のシーン(2017.6.30)。

強い雨が過ぎ去った夕暮れ、雲と霧が次々と目の前を過ぎていく圃場の上空に僅かに開いた雲間から、うっすらとフレアが差し込んできました。天使が舞い降りる刻。この後、気まぐれな天使達にきりきり舞いにされる事に(絶好のチャンスを逃して落ち込む2017.7.1)

梅雨の合間に広がった青空。夏のそれとは異なり、雨上がりで何処までも高く澄み切った雲間の紺碧が心を捉えて離しません。一番大好きな藍(2017.7.2)。

再び強い雨が降った後、南アルプスの上空には複雑に尾を曳く雲が次々と流れていきます。雲間から覗く、その上に広がる青空は既に夏の色です(2017.7.3)。

台風一過の朝。巻雲がたなびく高い空は夏の色を湛えています。圃場の苗はすっかり伸びて、もう空の色を映す事はありません。

夕暮れ、少し早く仕事場を出ると、遠くに望む八ヶ岳を駆け上る雲が夕日に色付いていました。立沢の圃場の脇に車を止めて、暫し夕空に付き合ってみます。

午後7時を過ぎて夕日が西に沈んだ頃、圃場を染める空の色は刻々と変わっていきます。

入笠山から北に向かって長く長く筋雲が伸びていきます。

夕日が西の空の向こうに落ちると、華やかな夕暮れのショーが始まりました。

圃場を染める夕日と茜の空。

空を焦がす茜色。シャッターを切る間にも、どんどんと色を変えていきます。

日射しが雲の向こうに去っていくと、周囲もぐっと暗くなっていきます。

どっぷりと日が暮れた午後7時20分。長いようで短い梅雨の夕暮れに催されたショーは幕を下ろします。梅雨もそろそろ終盤ですが、空模様を気にしながらの日々はもう暫く続きそうです(2017.7.5)。

 

 

新緑の八千穂高原と咲き始めたトウゴクミツバツツジ(2017.5.21)

晴天に恵まれた週末。

少し暑すぎるんじゃないのとのお話もありますが、恵みの日射しをたっぷり受けて、山は新緑に包まれます。

午後の陽射しを浴びる牧草地の向こうに裾野を広げる八ヶ岳。

今年は雪をたっぷりと残しています。昼を迎えて、気温25度と季節が一つ先に進んでしまったかのような夏日になった野辺山。八ヶ岳の上空にはうっすらと雲が湧き始めています。

海ノ口別荘地のエントランスも初夏の装い。落葉松もすっかり緑が濃くなってきました。

東にぐるっと廻り込んで、八千穂高原へ。八千穂レイクの周囲も新緑に包まれています。

駐車場の周りでは、トウゴクミツバツツジが早くも花を開き始めています。

まだ咲き始めのトウゴクミツバツツジ。周囲の木々も漸く花芽が付き始めた状態で、例の「高原の女王」はまだ蕾も硬いまま。月末頃には花を開き始めるはずです。

 

白樺も新緑の葉を広げつつあります。

足元にはゼンマイでしょうか。高原はまだまだ春を過ぎた辺り。

足元にはもうひとつ、可愛らしい落葉松の幼木。雪にも、冬の寒さにも負けず、少しずつ背を伸ばしていきます。

東の空には沸き立つ入道雲。風は初夏の心地です。

午後の陽射しをいっぱいに浴びる白樺林。八千穂高原の大好きなシーン。

緑の小路が林の中を縦横に抜ける八千穂高原。気に入った小路を見つけては、ゆっくりを歩んでいきます。

白樺の林に繋がる落葉松林の新緑に暫し浸りながら歩く、午後。

大きく育った入道雲が迫る空。この後、麦草峠を越えると暫しの通り雨となりました。

雨の上がった奥蓼科、御射鹿池。

新緑の若葉に包まれた夕暮れに、水鏡が浮かび上がります。少し先走り気味の空模様を追うように、季節は新緑から梅雨へと進んでいきます。

 

静かなGWの一コマを、最終日の夕暮れに美ヶ原と霧ヶ峰(2017.5.7)

お天気が不安定だったGW後半。

日曜日の今日も、南アルプスは日射しはあれど雲が多めで残念と諦めかけていた午後、窓を開けて北の空を眺めると、なんと雲が無い。慌てて夕暮れ迫る山並みへと車を走らせます。

車を走らせること暫し、流石に連休最終日とあって通行量もめっきり少なくなったビーナスラインのどん詰まり、美ヶ原の入口、山本小屋の駐車場まで一気に登ります。

日影に当たる場所にはまだ雪が残る美ヶ原。車を降りると、冷たい風が草原を吹き抜けていきます。

遠く蓼科山と南八ヶ岳の峰々が裾野を広げます。東の空には月が上がってきています。

気温は10度を下回り、時折強い風が吹く美ヶ原。上着なしではちょっと危ない状況なので、程々にしながら草原の遊歩道を歩きます。

殆ど人影のない遊歩道を行くと、眩しい西日を浴びる主峰、王ヶ頭の電波塔群と美しの塔が見えてきます。

西日を浴びる東の空には大きな雲が広がります。空の向こうに連れて行ってくれそうな眺め。美ヶ原のハイライトは朝や日中より西日の時間帯なのではないかと、来る度に思うシーンです。

美しの塔の前まで来ました。夕日を狙ってスタンバイしている方もいらっしゃいましたが、上着も持ってこなかった大馬鹿者は此処で撤退。視界の中に人影はほんの数人。折り返しで美術館側にも行ってみましたが、広大な収容800台の駐車場に止まる車は僅かに2,3台(自分含む)。ピーク時には満車となってしまう事もありますが、最終日の夕暮れ時にはひっそりと静まり返っていました。

既に薄暗くなり始めたビーナスラインの東側から和田峠の鞍部を越えて西側に抜けると、一気に夕日が眩しく差し込んできます。

西日を一杯に浴びる霧ヶ峰、高く上った月が西日に照らされて輝いています。

遠くに望む八ヶ岳の上空には、その長い山体に添うように南北に太々とした雲が伸びています。これじゃ周辺の天気が良くなっても、山麓では気が付けない訳です。

そうこうしているうちに、日射しがゆっくりと西の山並みに沈み始めます。夕日が眩しかった草原も谷筋から徐々に暗闇に落ちていきます。

日没。空が昼と夜の境界を渡っていきます。

雲が微妙に山筋で割れたために、再び日差しが差し込んできました。

空は黄砂の影響でしょうか、黄色く霞んでいます。

再び日差しは雲間に沈んでいきます。

もう殆ど人の居ないGW最終日の日没を迎えた霧ヶ峰。

皆様はどんなGWをお過ごしになられたでしょうか。

 

静かなGWの一コマを、小さな春の夕暮れ(2017.4.30)

静かなGWの一コマを、小さな春の夕暮れ(2017.4.30)

GWの徒然を綴る中、ふと思うのが、これだけの一大観光地とはいえ、地元の皆様の生活と、観光でお越しになった皆様との接点というのは意外なほど薄いという事。

インターの周囲やアウトレットモール、観光施設が集積する場所では、それはもう都会が引っ越してきたような騒ぎですが(コンビニとかスーパーもね。買い物、ちょっと困る時も)、地元の商店街を下り、路地を一本入ると、普段と変わらない日常が淡々と流れています。

そんな落差にちょっと複雑な想いを抱きながら、夕暮れの集落を抜けていくと、何時も気になる場所にちょっと足を止めてみたくなります。

甲斐駒を望む台地の縁に並ぶ集落の端。

すぐ先には深い谷戸が広がり、どん詰まりの小さな丘の上に立派に枝を広げる桜が、最後の春を謳歌しています。

足元には供養塔が並ぶこの場所。崖の縁という事もあって、心地よい風が吹き抜けています。

夕日を浴びる大きな山桜の木。ねじれるように幹を伸ばす桜の木が多いですが、この一本は青空の下、すくっと立ちあがっています。

真っ白な花びらと、僅かに緑色を帯びた花弁。印象的な姿です。

桜の木を振り返ると小さな祠。少し近づいて覗き込むと、遠く西日の先に立つ御嶽山を祀った、御嶽講の石碑である事が判ります。

北側には八ヶ岳。

真っ直ぐに八ヶ岳を見つめる松の木の根元には、たくさんの馬頭観音が眠っています。

集落の外れに位置するこの場所、畦道を少し入ると、木々に隠れるように小さな表示板が取り付けられており、「血取場」と記されています。

その昔、牛馬が弱った時に、悪い血が病気を引き起こしていると考え、その血を抜いた場所に与えられた名称を持つこの場所。その実は屠殺場であったかもしれないと思わせる、集落の果て、暗い谷戸の縁に立つこの丘を見守る3つの山と数々の石碑たちが、地元の方々にとって畏敬を持つ大切な場所であったのかもしれないなどと思いながら。

夕暮れになって、風が凪いでくる頃。山里の春は足早に次の季節に向かいます。

 

静かなGWの一コマを、田端森新田の鼎談桜(2017.4.28~5.4)

GWの八ヶ岳山麓。

有名な観光地やアウトレットモールには朝からひっきりなしに車が押し寄せていますが、メインルートをほんのちょっと外れると、普段とほとんど変わらない静かな時間が流れています。

普段ならGW前に満開を迎える諏訪郡富士見町信濃境、田端森新田の鼎談桜。今年はGWに開花が掛かることになりました。

GW直前の冷え込んだ朝。

すっきりと晴れた青空の下で、開花を待つ鼎談桜。

圃場に張られた水面に映る、甲斐駒と鳳凰三山の雪渓。

少し涼しくも、心地よい朝の空気に包まれます(4/28)。

開花を迎えた朝。水面に移る甲斐駒の雪渓も大分減ってきました。

咲き始めた鼎談桜。

2本(正確には3本?)の桜が並び立ちますが、左の桜の方が先に咲き始めます。

遠方からお見えになった方が、「もう散ってしまったのですか」と語りかけてこられたので、お見せした一枚。ここの桜は山桜の系統に属するようで、周囲の桜達より更に開花が遅くなります(但し、山桜らしく、開花と同時に葉も開き始めます)。

田圃の畔には、次の季節の到来を伝える菜の花が咲き始めています(5/2)。

雨は降らないまでもお天気が今一つのGW中盤。

日が昇り始めて、雲が切れかかったタイミングで、急いで自宅を飛び出します。

ほぼ満開となった鼎談桜が水面に映ります。

霞んだ5月の空をバックに花を開かせる、鼎談桜。

2枝に分かれた木の間から、南アルプスの山並みを望みます。

青空の向こうから射す日差しを受けて白と新緑の緑が交じり合う。既に葉桜になり始めた左側の鼎談桜。

雲を纏った甲斐駒をバックに。

こうして観てみると、確かに3本にも見えますね。

今週中にはあっという間に満開から散ってしまうであろう、鼎談桜(地元の写真家の方が名付け親です)。この時期だけ山里に広がる水面の畔で、名残の春を静かに謳歌しているようです。

撮影後には再び雲にすっぽりと覆われた八ヶ岳西麓。

緑に染まり始めた畔の向こうに広がる、今年の農作業シーズンを待つ畑には徐々に鍬の入る音が響き始めます。