少し霞んだ五月晴の午後は新緑の落葉松日和

GWも中盤を迎えて気温がぐんぐんと上がって来た、今日この頃。

その代わり、お天気の方は少しずつすっきりしない空模様になって来たようです。

観音平から甲斐駒東京から列車で3時間ほど掛けて登って来ると標高881mの小淵沢駅。もう気温は25度目前と夏を想わせる昼下がりですが、そこから車で僅か20分ほど走れば、標高は一気に1500mを越えて気温は18度程とぐっと涼しい場所に到着します。この時期ならくっきりとした雪渓が眺められるはずの観音平から望む甲斐駒ですが、霞んで空に溶け込んでしまっています。

落葉松と山桜1観音平から少し下っていくと、一面の落葉松林。林の奥に白い花が見えています。

落葉松と山桜2林の中の小路を入っていくと、まだ花を咲かせている山桜が。

落葉松の新緑とのコラボレーションが楽しめるのも、1400m弱とちょっと標高が高いこの場所ならでは。

陽射しが差し込んでいても空が何となく霞んでいて遠望が利かない、そんな時にちょっと楽しみたいのは、八ヶ岳山麓ならではの落葉松の新緑です。

観音平の落葉松新緑3周囲は落葉松の若々しい緑に囲まれます。

観音平の落葉松新緑4鬱蒼とした林の中で輝く新緑。

人工林でもある落葉松林ならではの景色。

観音平の落葉松新緑1枝の先には可愛い若芽がびっしりとついています。

観音平の落葉松新緑2午後の日差しをいっぱいに受け止める落葉松の若芽。落葉松の人工林らしい、鬱蒼とはしていても明るい林間を生む理由はこの透き通るような小さな葉のおかげ。

牧草と八ヶ岳観音平から野辺山に足を延ばしても相変わらずの霞んだ陽射し。それでも5月を迎えて牧草の緑は美しく輝き始めています。

恵みの森の落葉松3野辺山で落葉松を楽しめる場所は多々ありますが、昨年末から解放された筑波大学の演習林「恵みの森」もそのひとつ。展示林となった落葉松林の向こうに野辺山天文台のパラボラアンテナ群を望みます。

恵みの森の落葉松4午後の陽射しを浴びるぐっと背の高い林冠部の新芽は黄緑色に輝いています。

恵みの森の落葉松5演習林なので、こんな小さな落葉松の幼木もあったりします。

恵みの森の落葉松2細い枝の先で若芽を開き始めた落葉松の幼木(トリミング済み)。

恵みの森の落葉松1可愛い落葉松の若芽。まるでリズムを刻むかのように、枝先に向かって芽を開いていくようです。

鉢巻道路の桜と新緑名残の桜を前に夕暮れの鉢巻道路の落葉松と赤松の混交林。

桜と針葉樹の新緑が交わるのも落葉松林ならでは。

落葉松の緑と赤松の緑が僅かに違う緑を湛えているのが判りますでしょうか。

水田の水面麓に下ると、水田には水が張られ始めました。

時刻は5時を過ぎたにも拘わらずまだ日差しがたっぷり。霞んだ空の向こうに西日がゆっくりと下っていきます。

南アルプスから続く山並みが途切れ、日が沈む先に位置するのは諏訪大社上社。明日から数えで7年に一度の盛儀、御柱祭のクライマックスとなる里引きと建御柱が始まります。

 

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野辺山の新しいスポットは、ちょっと学研的な歳月を経てゆっくりと変わりゆく箱庭として(一般開放された筑波大学八ヶ岳演習林「恵みの森」)

野辺山の新しいスポットは、ちょっと学研的な歳月を経てゆっくりと変わりゆく箱庭として(一般開放された筑波大学八ヶ岳演習林「恵みの森」)

本格的な冬の心地となってきた11月最後の週末。

家の片づけを終えた午後、今日は進路を東に向けてみます。

野辺山から望む初冬の八ヶ岳野辺山から望む八ヶ岳。

周囲は高原野菜の畑に囲まれていますが、ここだけはオープンエリア、正面に八ヶ岳のパノラマが楽しめます。

野辺山から望む初冬の八ヶ岳すぐそばには観光スポットもあるのですが、国道から少し入った此処は、そんな喧騒とは無縁の地。静かな高原に唯、風の音だけが響いていきます。

何もない場所ですが、雪を戴いて山のディテールがくっきりとしてくる初冬のこの季節、じっくりと山を眺められるこの場所には必ず一度は訪れたくなります。

八ヶ岳演習林正面入口暫し、八ヶ岳の冬姿を堪能した後、野辺山の街並みが続く道を少し戻って、野辺山天文台に向かう道を行くと、路肩に色とりどりの幟が立っているのが見えてきます。

幟が途切れたところに車を止めてみると、そこは筑波大学の八ヶ岳演習林入口。

高く聳える防風林の間にぽつっと口を開く、古びてうらぶれた、石積みの門柱が特徴的だった筈なのですが、いつの間にか綺麗な門柱が建って、しかも「恵みの森」という新しい看板も。そして、入場無料の掲示が出ているのですが、入口前はチェーンが掛けられて、看板には「土日・祝日は車の入場は出来ません」の文字…。

騙されてはいけません!

実は野辺山天文台側にも入口があり、土日祝日も入場できるのです!

(開放時間に関しては、利用状況を見て今後決めるとの事で、現時点では明確な規定はありません:公式ページの「恵みの森」実施計画3-3.長期的な管理方針より)

更に、土曜休祝日に車の入場が出来ないのは正面口だけであり、野辺山天文台口側の広くて立派な駐車場に、車は止め放題です!!。

同じ所轄官庁の教育機関にも拘わらず、縦割り行政なんだから…と(案内、ちゃんと直して下さいね)。

八ヶ岳演習林野辺山天文台側入口気を取り直して、野辺山天文台の駐車場側に廻ります。

駐車場の脇には、この通り、ウッドチップが敷き詰められた新しい遊歩道が演習林の中に伸びています。入口にはパンフレットも用意されているので、入場される際にご覧になられると良いかと思います。

この筑波大学八ヶ岳演習林の「恵みの森」、とある理由があって今回、一般開放されることになりましたが、まずは何も考えずに構内に入ってみましょう。

 

八ヶ岳演習林の遊歩道1ウッドチップが敷かれて、ふかふかの歩きやすい遊歩道をのんびりと進んでいきます。

足元が少し湿っぽくなってくると、最初のゾーンに到着です。

八ヶ岳演習林の解説看板1今やトラクターが闊歩する、高原野菜の畑が一面に広がる風景がお馴染みとなった野辺山ですが、実は入植当初は湿地が点々とする場所であった事を示す解説板。まず、この看板に書かれた「再生」という言葉に首を傾げるかもしれません。

八ヶ岳演習林の遊歩道2更に演習林の中を進むと、ウッドチップの色も鮮やかに写る、光が豊富に差し込む伐採跡が見えてきます。

W八ヶ岳演習林の解説看板2薪炭林ゾーンと名付けられたエリア。

今回の開設に当たって伐採されたであろうこのエリアには、伐採された枝跡がまだ残っている状態です。

これまで、演習林と道路を仕切っていた防風林が無くなった事で、正面に八ヶ岳が見渡せるようになっています。

八ヶ岳演習林の解説看板3明るい伐採跡を抜けると、再び林間へ。

樹木園・保存林と記されたこのエリアは、非公開であったこれまでの演習林の元の姿を最も留めている場所なのかもしれません。

八ヶ岳演習林の管理棟野辺山天文台の駐車場からゆっくり歩いて15分ほど、正面入口の奥に建つ、管理棟まで戻ってきました。

今日は日曜日のため、管理棟に入る事は出来ません。平日なら…、トイレとAEDが使えるようです。

八ヶ岳演習林の解説看板4管理棟を抜けて野辺山駅側に進むと、切り開かれた草地が広がります。今のシーズンは単に枯草が見えるだけですが、初夏には草花が一面に広がるようです。

演習林内の携帯電話禁止看板此処まで進んでくると、捕集トラップが掛けられた木の足元に奇妙な看板が。

なんで、こんな樹木しかない場所なのに、「携帯電話の電源をお切りください」の看板があるかと言いますと…

演習林から望む野辺山天文台のパラボラ野辺山天文台にお越しになられた方ならご存知かと思いますが、電波観測を行うのに外乱電波はご法度(そのため、野辺山界隈では地デジも公式にエリア外、ケーブル配信です)、入場時に携帯電話の電源を切るように守衛さんにきっちり指示されるかと思います。

そして、ご覧のように、お隣にある野辺山天文台の周囲が演習林となっているからなのです。

(なお、現在では天文台を見学する際にも電源を切る必要はなく、所謂機内モードと呼ばれる、無線関係だけをoffにするモードにすれば良い事になっています(野辺山天文台の守衛さんより))

八ヶ岳演習林から望む八ヶ岳再び戻って、草花ゾーン。このようにクリアーな状態で八ヶ岳を正面に眺める事が出来ます。新緑の季節には残雪が残る八ヶ岳とのコントラストが楽しめそうです。

八ヶ岳演習林の遊歩道3ぐるりと廻りこんで、再び管理棟の前まで戻ってくると、冬の空が広がる小さな広場に行き着きます。

このコース最後のポイントです。

八ヶ岳演習林の解説看板5森の食ゾーンと名付けられたこのエリア、森の恵みを頂く事をテーマにしたゾーンで、山菜狩り等が出来るように整備されるようです。

八ヶ岳演習林の遊歩道4そのうちキノコ栽培の実演に供するのでしょうか、既にエリアの奥の方ではほだ木が組まれているようです。

演習林内の残存林1

演習林内の残存林2演習林内に残された林越しに差し込む午後の日差し。

このような自然の景色が気持ち良い、美しいと思われた方へ、ちょっと考えてみて欲しい事があります。此処は演習林、ご覧になられている林は人の手で育まれたもの、そして、この場所が一般公開された理由がそこにあります。

八ヶ岳演習林の遊歩道5再び、遊歩道を野辺山天文台の方に戻ってみましょう。

野辺山演習林の極相の解説板今回の公開に当たって綺麗に整備された看板が立ち並ぶ遊歩道の中、一枚だけ古びた看板が立っています。

「植生遷移試験地」と記された解説板。

「極相」とも謂われる、植生が安定的に固定する状態に達するまでの遷移状態を実験的に検証するための試験地が、ここ筑波大学八ヶ岳演習林であった事を示す証明です。では、なぜ、一般公開されることになったのでしょうか。

詳しくは、こちらの公式ページをご覧頂きたいと思いますが、信州の山を彩る落葉松の苗木を育てるため、育種や研究のために用意された演習林が、林業の衰退とともに、近年は活用できていない状態となっていた事が判ります。

その中で、唯一目的として残ったものが、こちらの植生遷移の研究。今回の伐採と一般公開により、これから30年以上の年月をかけて、大学だけではなく、今度は地域の方々、林業や山間地の環境にご興味のある方々と一緒に、人によって育まれる森の遷移を見ていきましょう、実際に森林資源として活用していきましょうという遠大な計画の第一歩なのです。

そして、いずれは周囲の山に広がる(落葉松林ではなく)森林との対比から、人手による植生遷移との差が見出せる時が来るのかもしれません。結果が漸く見えてくるのは、遥か次の世代の事です。

野辺山天文台から望む八ヶ岳再び野辺山天文台側の入口に戻って、ガラガラの駐車場から望む、夕暮れの八ヶ岳を(これでも、本来のスペースの半分しか写っていないです。更に隣には南牧村の学習施設もあり、車を止める場所なら幾らでも…)。

天文台、学習施設に続いて、新たに公開となった筑波大学の演習林「恵みの森」。足元にも優しく、ちょっと散歩がてらに歩くには最適な、ゆっくり回っても1時間弱とコンパクトなこの演習林が、今回掲げた壮大なテーマに押しつぶされることなく、まずは並び立つ事となった先輩施設と一緒となった学習施設として、そして南牧村にとっては貴重な新しいスポットとして認知されることを願って。何せ、30年以上というタップリとした時間が与えられた、息の長い計画なのですから。

筑波大学八ヶ岳演習林「恵みの森」案内パンフレット最後に、構内のゾーンを解説したパンフレットを(各入構口に用意されています)。

新緑の季節に来れば、きっと心地よい散策ルートになっていると思います。

<おまけ>

本ページより、同じようなテーマを扱った内容のご紹介。