季節は寄せ返す波の如くゆっくりと春へ(八ヶ岳南麓晩冬の点描)2017.3.26

暖冬だとは云われても、山里の冬は寒く、氷点下10度を下回る日が続く厳冬の2月を越え、3月になって少しほっとする日々。

雪山にもスキーにも縁遠い身としては、綺麗に磨き上げられた空の下、麓から見上げる山々の美しさが、冬の数少ない慰めでもあります。そんな日々の点描を少し。

キンと冷え込んだ朝の中央本線、小淵沢駅。

中央本線開通以来と伝えられる、雄大な八ヶ岳をバックに佇む、山間の小さな駅舎は今年の7月には新しい駅舎に移転することになっています。ベンチが並ぶ小さな待合室と、ガラス越しに駅員さんが手売りで指定席や特急券の応対をし、その向かい側では美味しそうな出汁の香りを漂わせる名物の駅そばをおばちゃんが手際よく茹で上げていくという、懐かしさ溢れる情景も、そろそろ見納めです。

駅から少し下ったところから振り返って望む、冬の八ヶ岳。町全体が八ヶ岳の懐に抱かれているようです。

駅を降りると、正面に広がる甲斐駒と鳳凰三山のパノラマ。撮影したのは2月の末ですが、畑には既に鍬が入れられています(2/24)

一度雪が降り出すと、麓の山里も森も真っ白な雪に覆われてしまいます。こんもりとした雪を被る落葉松林の山裾(3/2)。

夜半の雪が止んで朝を迎えると、まだ雪雲が残る中、新雪を戴く凛とした甲斐駒が姿を見せてくれる時があります。雪渓のコントラストもはっきりと現れてくる3月の初旬。小淵沢町を降りて下った正面に位置する小淵沢総合支所前から望む、一番お気に入りの甲斐駒の雄姿です(3/7)。

良く晴れた朝にもう一枚。くっきりした甲斐駒の雪渓を眺められるのもあと僅か(3/16)。

厳冬期を抜けて、少し空の蒼さが抜け始めた3月半ばの朝。春を待つ神田の大糸桜から眺める雄大な南アルプスの山並みを。山里の桜のシーズンは4月も10日を過ぎてから。標高の幅も広く、染井吉野より江戸彼岸や山桜が多いこの地では、5月の始め頃までの一月ほど桜を愛でる事が出来ます(3/17)。

季節の変わり目になると、逆に雪の日が多くなるこの地(信州の方の言葉を借りれば「かみ雪(かみの言葉は京に通じるため、南方側で降る雪)」が舞った朝、八ヶ岳は再び真っ白な雪化粧です。

重たい湿った雪が残していった湿り気が山を霞ませる朝。この時期だけの雪山と淡いブルーの空が作り出す絶妙なグラデーション(3/22)。

移り変わりの早い春の空。その分、様々な雲が描き出す空のキャンバスが楽しめます。コートを脱いで、空を眺めながら圃場の畔をのんびりと歩きたい午後。

春の薄日を浴びて溶けだした雪渓が輝く、午後の甲斐駒。下り坂の天気を予感させる空模様。

夕暮れになると、薄く桃色に色付いた雪雲が再び迫ってきます。八ヶ岳の雪渓も雪解けが早いのでしょうか、細かな皺が目立つようになってきました(3/25)。

再び雪となった今日26日。重たい湿った雪は、木々には積もっても地温が高まった春先にはアスファルトの上には留まる事が出来ず、湯気のように靄が立ち込めてきます。夕暮れにかけて雨交りになった3月最後の週末。そして、少しずつ春へ近づいていくようです。

 

 

厳冬の頃に(2017.2.6~12)

例年に増して降雪回数が多い、八ヶ岳南麓。

今週も繰り返し降雪となる一週間になりました。

p1090495日曜日に降った雪で白くなった圃場。

正面の南アルプスから夜半にかけて降り続けた雪をもたらした雲が、勢い良く舞い上がっていきます(2/6)。

p1090506しっかりと冷え込んだ朝。氷点下10度を下回ると、あらゆるものが凍りついてしまいます。

寒空に威容を示す、朝の甲斐駒(2/8)。寒さは続かず、翌日には再び雪模様に。

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一面銀世界になった田圃の先に望む八ヶ岳。前日に降った雪は一度は止んですぐに溶け始めましたが、夜半になって入り込んできた寒気の影響で、朝にはこのシーズンらしい、サラサラのパウダースノーに再び覆われました。

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木々の間にダイヤモンドダストが舞う朝。パウダースノーが降った後に晴れ渡った時だけ楽しめる景色です(2/10)。

p1090533昼過ぎに再び雪模様となった後、日没を迎えて晴れ渡った夜半の圃場。星空の下に再び浮かび上がった甲斐駒を満月の月明かりで臨む寒い夜(2/11)。

p1090537レインボーラインの大泉から望む、少し雲が残る中、前日に降った雪で施された白い衣装を纏った八ヶ岳。

山麓近くまで白く装うのは、降雪後の僅かな時間だけです。

p1090538振り返ると、青々とした甲斐駒と南アルプスの峰々が望めます。

レインボーライン沿いから望む眼下には、雪化粧をした圃場と街並みが広がります。

p1090550標高を一機に上げて1400m、鉢巻道路沿いの清里、まきば牧場へ。高い空の下、一面の雪景色の向こうに雪化粧をした秩父山塊を望みます。

p1090560同じく清里の名所、東沢大橋(通称、赤い橋)の展望台から望む、八ヶ岳の峰々。

まきば公園と違い、除雪がされていない駐車場に入る車もなく、展望台からの絶景は貸切状態で堪能できました。

p1090544少し背伸びをして(望遠で)牧場公園から八ヶ岳側を眺めると、主峰、赤岳の威容が迫ってきます。天候の移り変わりが多い今シーズン、本当に真っ白に雪化粧した赤岳の姿が楽しめるのは、僅かな期間かもしれません。

p1090587もう少し、雪景色を楽しむために、更に歩みを進めて野辺山へ。

牧場地帯を貫通する道路のどん詰まり。ここより先には車で進む事は出来ません。

足跡一つない雪原が広がる先に、厳冬の八ヶ岳の威容が広がります。

昼下がりの八ヶ岳ブルー、これが真骨頂です。

p1090575昨日の雪の影響がまだ残る、少し雲が多めながら、真っ青な空の下に美しい雪渓が映える、主峰、赤岳と硫黄岳を正面に望んで。

p1090576たまには、こんな一枚も如何でしょうか。赤岳を換算200mのフルアップで。

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振り返って秩父方面を眺めると、尖った象徴的な山容を見せる男山を正面に望む事が出来ます。

雪の少ない秩父側ですが、このところの連続した降雪で山肌が真っ白に色付いています。

 

p1090612

撮影していると、雪雲がどんどんと迫ってきたので、ぐるりと廻り込んで、八ヶ岳の西側へ。

頭上には重たい雪雲が迫ってきていますが、八ヶ岳の上空は徐々に晴れ間が見え始めています。

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雪雲を撥ね退ける、真っ白に雪化粧をした蓼科山と横岳。

p1090636そうこうしているうちに、日没を迎えてきました。鮮やかに西日に彩られる北八ヶ岳の山々。

p1090637日没間際になって、重たい雪雲を追いやって、遂に正面に望む南八ヶ岳の主峰たちが姿を見せてくれました。

すっかり日没が遅くなった2月の中旬。厳冬の頃もあともう少しの辛抱です。

 

立春を迎えた八ヶ岳南麓の一コマ(2017.1.22~2.4)

1月も後半に入ると寒さも本番。

身に染みる寒さと、単調な色合いとなる山々に囲まれていると、外を歩き回る事からちょっと遠のいてしまいます。

これではあかんと、叱咤しながら、てくてくと歩きながらのカットを。

p1090374車を揺さぶられるほどの強い風が吹き付ける午後、真っ白な雪雲に覆われた南アルプスの山並みから湧き上がる雲に、太陽が覆われていきます。

p1090391あっという間に雪雲に覆われる山並み。

日差しが完全に雪雲に覆われて再び現れた落葉松に覆われた山肌は、まるで筆で描いたかのような稜線が浮かび上がっていました(1/22)。

p1090393氷点下10℃を下回る、今シーズン最も冷え込んだ朝。南麓に移住した頃にはこんな冷え込んだ日が2週間ほど続いたのですが、最近ではあまり長続きしなくなりました。

真っ青な空の下、雪渓の甲斐駒が美しく映える朝です(1/26)。

p1090403眩しい日差しを受ける、昼下がりの南アルプス。

圃場に雪が無い事に驚かれるかもしれませんが、冷え込みが厳しくとも里に積雪が無いのが八ヶ岳南麓の普通の姿。今年はここ数年では最も積雪が少ない、冷え込みがある程度続く、冬らしい天候となっています(2/2)。

立春を迎えた週末。驚くほど暖かくなった昼下がりに、冬籠りで出不精になってしまった自分に喝を入れるために、敢えて購入したお散歩用望遠レンズ持って、試写をしながら歩き回ります。

ぽかぽかの陽だまりの中、観る角度によって様々な姿を見せる、甲斐駒のトップコレクションを撮って歩きながら。左上から時計回りに、小淵沢町下笹尾(城山公園近く)、白州町横手(フレンドパークむかわ近くの広域農道沿い)、白州町白洲(尾白の森名水公園べるが近くの広域農道沿い、長坂町中丸(清春美術館)。

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普段とはちょっと違う角度の、横手から望遠で望む雪の少ない八ヶ岳。

手振れ補正があるとはいっても、馴れていないせいか、やはり緩々の絵になってしまいますね。

p1090445一気に標高を上げて、野辺山へ。

こちらも雪が少なく、枯草に覆われる牧草地には、点々と雪が残るばかりです。

p1090441冬の空の下に聳える、八ヶ岳の要を執り成す主峰、赤岳。赤岳山荘もくっきり見えています。

p1090443主峰赤岳からカメラを右に降って、硫黄岳、横岳へと向かう稜線。

麓は雪が少ないとはいっても、峰々や谷筋にはタップリと雪が積もっているようです。

p1090462夕暮れ、12月には遥か南に寄った太陽は、立春を迎えて、徐々に八ヶ岳の裾野に戻ってきました。豊かな裾野を曳く、平沢峠から望む八ヶ岳の美しいシルエット。

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夕日を受けて、ほんのりと桃色に染まる峰々の稜線。

p1090465赤岳をバックに、八ヶ岳の懐に抱かれるスキー場。

日暮れを迎えて、夜間照明が灯りはじめています。

p1090483どっぷりと日の沈んだ夕暮れ。

僅かに空に色が残る中、浮かび上がるスキー場の夜間照明。

まるで春を思わせる暖かな立春。でもこれを書いている窓の外は真っ白な雪景色と、まだまだ春は遥かに遠い、八ヶ岳山麓です。

雪景色の諏訪大社上社本宮

降りしきる雪の諏訪大社、上社本宮前にて(2/5)。

雪景色となった八ヶ岳山麓の午後(2016.1.9)

季節外れの雪が降った11月末以来、随分ご無沙汰振りで本格的な降雪となった日曜日の晩。

朝になって雪は小康状態となり、気温が高かったこともあって、午後になると除雪の済んだ道路はドライに。車での移動には問題ない状態となりました。

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すっかり晴れ渡った空が広がる、八ヶ岳の麓。

高い空には、まだ薄く雲が残る、ちょっと安定しない八ヶ岳ブルー。

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かみ雪らしく、写真で右側となる南麓側の斜面が真っ白になっています。

p1090338振り返って南アルプスの山並みを望みます。まだ甲斐駒の上空には雪雲が残っているようです。

遠くに富士山を望む、穏やかな雪晴れとなった午後のひと時。

p1090341それではと、山に入るとやはり空は雲に覆われてしまいます。

谷筋から雲が湧きあがってくる、奥蓼科、御射鹿池。

結氷が進む湖畔は、ひっそりと静かです。

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雪化粧をした御射鹿池。

暖かいとはいえ、夕暮れの気温は0℃。静かな湖畔に佇むと、ひんやりとした風が湖面を伝ってきます。

本格的な冬景色になった八ヶ岳の麓、そろそろ一年で最も寒いシーズンの到来です。

満月の冬の夜に(2016.12.14)

満月の冬の夜に(2016.12.14)

満月を迎えた冬の夜。

眩しく照らされて闇夜に浮かび上がる、雪を戴く八ヶ岳。

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時折、長い尾を曳いて空を駆けぬけていく流れ星に見とれながら、冷たい八ヶ岳颪が吹き下ろす、八ヶ岳西麓の冬の夜。

どうか、暖かくしてお過ごしください。

 

春めいた午後には雪景色残る奥蓼科、御射鹿池へ(2016.3.13)

寒々とした曇り空の土曜日から、予報がちょっと外れて暖かな日差しがこぼれる、小春日和となった日曜日。読書三昧を決め込んでいた予定をちょっと変更して、お散歩に出掛けます。

春先の八ヶ岳全景まだ冬の気配が残る圃場から眺める八ヶ岳連峰の山々。

先週以来降り続いた雪で真っ白になりました。冬の始まりのころは雪が無くて驚かされたものですが、ここに来て何時もの冬の八ヶ岳の姿を見せています。

春先の蓼科山蓼科山も北横岳も真っ白に雪化粧しています。

霞んだ空の色が、ちょっと春を思わせる午後の昼下がり。

御射鹿池の樹氷9ならばと、何時もの奥蓼科、御射鹿池まで上がってみました。

霞んだ青空の下、雪化粧した木々が一面に広がります。

御射鹿池の樹氷5

湖面の氷はすっかり解けてしまいましたが、木々は真っ白にお化粧をしています。

御射鹿池の樹氷10

何時もは数人は必ず居るであろう休日の御射鹿池の湖畔。今日は誰もいません。

御射鹿池の樹氷7ひんやりとした風が吹き抜けていく湖面はゆらめき、鏡のような湖面はちょっとお預け。

御射鹿池の樹氷8

さざ波立つ湖面を何時ものカモがゆっくりと進んでいきます。

御射鹿池の樹氷6午後の日差しを受けて影を延ばす、雪化粧した湖畔の木々。

御射鹿池の樹氷1

湖面に映る、雪化粧した木々。

御射鹿池の樹氷2

 

御射鹿池の樹氷4

 

御射鹿池の樹氷3

時折、木々に降り積もった雪が風に乗って舞い込んできます。

御射鹿池の樹氷11

静かな御射鹿池で、暫し散策。春を目前に迎えてちょっと暖かな午後の日差しの中で巡り合った、冬の名残を収めて。

春先の南アルプス

薄ぼんやりとした、春めいた空の向こうに沈む南アルプスの山並み。

今夜から明日にかけて、断続的に雪の予報が出ていますが、そろそろ名残雪となるのでしょうか。

雪原と樹氷の野辺山にて(2016.3.12)

再び雪が降った週末。

上着が要らないほど暖かかった先週末と打って変わって、冬らしい寒さが戻ってきました。

雪色の南アルプス1遠くに臨む南アルプスが久々に真っ白になった金曜日の朝。

木曜日の午後辺りから、八ヶ岳南麓はずっと雪雲に覆われた天気が続いています。

雪色の南アルプス2麓に広がる白州の集落と圃場も再び白く雪化粧。

雪雲の向こうに、うっすらと雪化粧をした甲斐駒が見え隠れしてます(小淵沢町、城山公園)。

樹氷と雪原の野辺山3土曜日を迎えても山々は雪雲に覆われたまま。

東麓側はしっかりと降雪だったと聞いて、野辺山方面に足を延ばします。

海ノ口別荘地のエントランスに伸びる落葉松林も真っ白に雪化粧していました。

樹氷と雪原の野辺山6ぱらぱらと雪が舞う午後、周囲の森は樹氷に覆われます。

樹氷と雪原の野辺山5

樹氷と雪原の野辺山4風もなく、しーんと静まり返る海ノ口牧場にて。

うっすらと雪化粧する木々を愛でながら。

樹氷と雪原の野辺山8海ノ口から野辺山側に戻ってくると、少し雲が切れてきて、飯盛山を始め野辺山の西に延びる秩父山塊の山並みが見えてきました。

樹氷と雪原の野辺山7八ヶ岳の西麓側は殆ど降雪がありませんが、東麓側はここ数日続けての降雪で山並みも真っ白に雪化粧しています。

樹氷と雪原の野辺山10僅かに切れた雲間から、男山が姿を見せてくれました。

樹氷と雪原の野辺山9八ヶ岳側の山裾、雪原の向こうに雪化粧した落葉松の列が伸びていきます。

樹氷と雪原の野辺山2八ヶ岳は姿を見せてくれませんでしたが、落葉松林が伸びる雪原に一瞬、日差しが戻ってきました。

樹氷と雪原の野辺山1落葉松の樹氷に僅かな日差しが射していきます。

樹氷と雪原の野辺山11平沢峠から八ヶ岳方向を望みます。

眼前に広がる野辺山の高原地帯は一面に白く雪に覆われています。

樹氷と雪原の野辺山12なかなか雲が切れてくれず、時折雪が舞う生憎の天気。その天気が、広がる雪原と樹氷を楽しむには丁度いい寒さを保ってくれているようです。

樹氷と雪原の野辺山13

こんなシーンを楽しめるのも、冬ならでは。道路には殆ど雪が残っていない点が如何にも3月らしい、ちょっと名残惜しさもある雪原と樹氷の眺めを堪能して。