7年ぶりのアルバムは、綴り続けたストーリーと、お帰り!のPOPなメロディが心地よく奏でる、CooRie「セツナポップに焦がされて」

7年ぶりのアルバムは、綴り続けたストーリーと、お帰り!のPOPなメロディが心地よく奏でる、CooRie「セツナポップに焦がされて」

New!(2018.1.11) : Real Soundのインタビューにrinoさんが登場しています。

変わり続けるサウンドと、変わらない音楽への想いをたっぷりと語っています。CooRie/rinoさんの楽曲にご興味を持たれた方は、是非ご一読を。

 

<本文此処から>

ぐるっと一巡して聴いた後にふと、あの頃何をしていたんだろうか等と思い浮かべながら…。

2010年10月にリリースされたアルバム「Heavenly Days」から7年。10周年を迎えた年にリリースされたベストアルバム「Brilliant」以降も、メインステージであるD.C.シリーズ以外ではメロディメーカーとしての活動が続いたCooRie(rino)が、2枚のセルフカバー、そして昨年は久しぶりの単独名義となるシングルのリリースを経て、遂にオリジナルアルバムのリリースが叶ったようです。

CooRie6枚目のオリジナルアルバム「セツナポップに焦がされて」です。

ネット配信が当たり前になって、CDはおろか、音楽自体にお金を払う事すら否定的な雰囲気が漂う中での新譜リリース。さまざまな想いが詰まったであろうアルバムの1曲目を聞いた瞬間、心の中で、思わず「お帰り!」と声を掛けてしまいました。

アニソン歌手がもてはやされた最中でデビューを飾った同時代の多くのアーティスト、ボーカリストの方が活動を縮小、休止する中、その後に登場してきた多くのアーティスト、声優の方々に楽曲を提供するサウンドメーカーとしての立場を確立した先に、再びリリースする機会が巡ってきたオリジナルアルバム。そこには、物語に寄り添う為に生み出される、ストーリー性を強く感じされる楽曲と、メロディメーカーとして、更にはボーカリストとしての想いを載せて奏でる曲が一緒になって織り込まれているようです。

CooRieには欠かせない、D.C.のイメージを受け継ぐサウンドたち。メロディメーカーとしてのストーリーを感じさせる華やかな楽曲。デビュー当時のイメージを、よりクリアーで元気なPOPチューンに仕上げたバンドサウンドの新録。そして、スタイリッシュに生まれ変わった、今のCooRieが奏でるサウンドの到達点を見せる、4種類の楽曲編成となるこのアルバム。

アニメーション用の楽曲らしく華やかな音作りは引き続き求められる一方、艶やかな装飾を纏った楽曲から、よりクリアーに、よりピアノの旋律を際立たせるようなアレンジ、楽曲編成への方向転換。心を震わせるドラマチックなテーマを奏でるストリングスの豪華な楽曲から、デビュー当時のやや素朴で牧歌的なサウンドへの回帰は、現在のアレンジ、レコーディングの進化を受けて、その心地よいメロディはそのままに、より鮮やかに生まれ変わっていきます。

そして、年齢と共に急速に衰えると云われる、女性ボーカルの宿命に対して、元々声量に恵まれているとはいえない(ビブラートするボーカルと評される方もいらっしゃいますね)中で、こつこつと取り組み続けたボイストレーニングの成果を見せる、初めてのアカペラへの挑戦。サウンドテイクも、ボーカルもまだまだ進化し続ける事を示しながらも、その心地よいサウンドに再び浸れる嬉しさを感じながら。

収録全曲のご紹介です。

1.エクレア

 作詞 :rino 作曲:rino 編曲:長田直之(アルバムオリジナル)

  • 思わず「お帰り!」と心の中で声を掛けてしまったオープニング。CooRieの気持ち良いメロディを、最新のレコーディング、サウンドで聴ける嬉しさが詰まった、そして、ドキッとさせられれる歌詞は此処までやって来たシーンをちょっと振り返るような一曲です。

2.セツナポップに焦がされて

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:長田直之(アルバムオリジナル)

  • アルバムリード曲。シンプルな中にもサウンドメイクと演奏に拘ったようですが、歌詞へ込めたサウンドメーカーとしての想いにも触れたい一曲です。

3.Rearhythm -Album ver-

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:長田直之(アーケードゲーム「crossbeats REV.」使用楽曲)

  • ミュージックゲーム用に作られた楽曲です。制約が少し緩やかなためでしょうか、アニメーション用の楽曲に対して、少しサウンドメーカーとしての想いを重ねて込んで奏でる、このアルバム全体を通じて感じる、気持ち良さに溢れた一曲です。

4.愛しさの雫

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:chokix(PCゲーム「D.S.-Dal Segno-」ボーカルミニアルバムより)

  • CooRieにとって欠かせないD.C.の楽曲。シリーズを通じたサウンドテイストと、ゲームミュージックらしい華やかさの中にもしっとりとしたバラードを歌い込んでいくボーカルに包まれていきます。

5.終わらないPrelude

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:安瀬 聖(アルバムオリジナル)

  • ストーリーを奏でる事を求められるアニメーション用の楽曲というジャンルに対する、ドラマを作り上げるサウンドテイクを見せる一曲。デビュー当時からエンディングの歌姫的だったCooRieの今の姿を見るような想いです。

6.HAPPY CRESCENDO

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:chokix(PCゲーム「D.C.Ⅲ With You ~ダ・カーポⅢ~ウィズユー」ボーカルミニアルバムより)

  • ストレートにD.C.の楽曲なですが、どちらかというとエンディング担当だったCooRieがオープニングを歌うとこうなるのという、ミニアルバムで最初に聴いた時は大丈夫かなぁとも感じた一曲。この曲のボーカリストとしての精一杯な感じが、後ほど紹介するアカペラへの想いに繋がったのでしょうか。

7.フラクタル

 作詞:rino 作曲:長田直之 編曲:長田直之(アルバムオリジナル)

  • このアルバムで、編曲だけではなく、唯一作曲もCooRieのオリジナルメンバーだった長田直之さんに委ねた曲(作詞は全てrinoさんです)。melodium2で感じた予感、オリジナルCooRieのサウンドが、今のサウンドメイクを纏って、鮮やかに帰ってきたようです。とにかく気持ちの良い、アルバムの中でもお気に入りの一曲です。

8.春風とクリシェ

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:安瀬 聖(PCゲーム「D.C. Ⅱ Dearest Marriage ~ダ・カーポⅡ~ ディアレストマリッジ」より)

  • 今回収録の楽曲の中では一番古い曲になります。あの頃のCooRieを思い出しながら。rinoさんが奏でるD.C.の楽曲たちは何時聴いてもしっとりと優しい想いにさせてくれるようです。

9.MISTY LOVE

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:chokix(PCゲーム「D.C.Ⅲ DreamDays~ダ・カーポⅢ~ドリームデイズ」より)

  • 7曲目のフラクタルと並んで、サウンドメーカーとしてのrinoさんのサウンドテイクが全面に押し出された曲。キラキラとした華やかさはないですが、スタイリッシュに、クリアーなサウンドとメロディをバックに奏でるボーカルをじっくりと楽しみたい一曲です。漸くこのサウンドを詠える様になったという想いすら感じられます。

10.キミとMUSIC -Album ver-

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:長田直之(アーケードゲーム「crossbeats REV.」使用楽曲)

  • こちらもサウンドゲーム用の楽曲ですが、陽だまりの午後を心地よくさせてくれそうな、ちょっと懐かしさも感じる、優しいメロディの世界へと誘ってくれる一曲。

11.VOICE SONG

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:rino(アルバムオリジナル・アカペラ)

  • 挑戦と仰るアカペラの一曲。その第一歩はCooRieの新しい世界を垣間見せてくれるようです。出来栄えの方は是非アルバムをお手に取って。

12.BON-BON

 作詞:rino 作曲:rino 編曲:浅田祐介(TVアニメ「田中くんはいつもけだるげ」EDテーマ。同名シングルより)

  • 音楽の森を往くCooRie劇場の開幕を告げる一曲は、このアルバム唯一のシングルカット曲。シングルリリース時に別のページでもご紹介しています。

この7年の間、落ち込む事も多かったのですが、何時も側に居てくれたサウンドに、再び幸せな形で巡り合えた事に心から感謝しながら。

 

アルバムジャケットイラストを手掛けられた、さんがInstagramで紹介されています(2017.12.26追記)。

 

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CooRie 10th Anniversary self cover album「melodium」クリエーターrinoとアーティストCooRieの交差点

CooRie 10th Anniversary self cover album「melodium」クリエーターrinoとアーティストCooRieの交差点

New!(2015.12.11):melodium2のご紹介はこちらのページにて。

melodiumとmelodium2のアルバムジャケットとライナーノーツ

New!(2015.10.9):既にアナウンスが出ていますが、CooRieのセルフカバーアルバム「melodium2」のリリースが決定しました。ミニアルバム相当のため、お値段控えめですが、全5曲(オリジナルを含む6曲)でオールカバーとなるとちょっと購入には躊躇するかもしれません。それでもお好きな方には大切な一枚となる筈、リリース予定日は12/9です。

曲順未定ですが、セットリストは以下の通りです(Lantisホームページより)

  • Planet Freedom(原曲:スフィア)
  • ハルモニア(原曲:ChouCho)
  • REFLECTION(原曲:新田恵海)
  • Sentimental Venus(原曲:郁原ゆう、阿部里果、山口立花子)
  • ひだまり笑顔(原曲:.村川梨衣、佐倉綾音)
  • melodium(新録オリジナル曲)

そして、シークレットの新曲(題名:melodium)もあるようです!楽しみに待ちたいですね(2015.11.4追記)

 

<本編此処より>

大好きなアーティストさん、CooRieのデビュー10周年を記念したアルバムの第二弾が、今月リリースされました。

4月にリリースされたベストアルバム「Brilliant」は本人の楽曲を集めた作品ですが、今回リリースされたアルバムは作詞/作曲/編曲家としてのrino名義で他のアーティストに提供した楽曲からセレクトしたセルフカバーアルバム「melodium」です。

CooRie melodium

何だ、カバーアルバムかと、思われるかもしれませんが、さに非ず。これまでもCooRie(rino)の楽曲に参加してきたアレンジャーの皆様が結集。提供アーティストに向けたアレンジではなく、シンガーCooRieとしてのrinoのために全て再アレンジされた、サウンドクリエーターたち自分たちの仲間でもあるrinoのために作ったプライベートリミックス的な作品なのです(追記:CooRieのアルバムでは初めて?かもしれません、Masteringが音質では定評のあるVictor-Flairで行われています。これまで音質面で多少不安の声も上がっていたCooRieの作品ですが、今回は良さそうですね)。

私自身、アニメはあまり観ないので元の楽曲への知識が乏しいのですが、どの曲もメロディーラインはCooRieの楽曲とちょっと雰囲気が違うな(比較的アップテンポで華やかなメロディ)、という感じがするのですが、アレンジとボーカルを載せていくと、間違いなくCooRieのサウンドになっているのです。

そこに サウンドクリエーターとしてのrinoのスタンス、他のアーティストさんへの楽曲として提供する側が表現しなければいけないイメージと、シンガーソングライターとしてのCooRieのスタンス、自分が歌う楽曲として届けたいという想いが、CooRie(rino)の事を深く理解して、共感している仕事の仲間でもある編曲家さんたちの絶妙なさじ加減で仕立てられている事を感じられるのです。

最近はどうしてもサウンドクリエーターとしてのrinoの活躍が目立つようになって、シンガーとしてのCooRieに会える機会が少なくなりつつありますが、そんな想いを抱くのは全くの杞憂だったのかと思わせられます。

だって、サウンドクリエーターのrinoもシンガーソングライターのCooRieも同じひとり。その楽曲にカラーの違いがあったとしても、こうして素敵なアレンジを通して聴いていけば、そこには二つのクリエーターが生み出す、ひとりの個性が見えてきませんか…。

<リリースに関するリンクはこちら>

<楽曲リストです>

1.Dream Riser(原曲:ChouCho、アレンジ: 黒須克彦)

多分、CooRieとしては決して出てこなかったであろう押し出しのある楽曲。原曲のイメージ大なのですが、ハーモニーの部分がやっぱりCooRieですよね

2.Super Noisy Nova(原曲:スフィア、アレンジ:長田直之)

こちらもCooRieとしては決して出てこなかったであろう華やかな楽曲。こちらもハーモニーの部分でやっぱりCooRieらしさが出ていますね。アレンジはCooRieの元メンバー長田直之さんです。

3.いじわるな恋(原曲:伊藤かな恵、アレンジ:佐藤五魚)

今回のアルバムで一番「CooRieらしい」一曲です。歌謡曲っぽいアレンジも楽しいです。原曲も是非聞いてみたいです。

4.宿題(原曲:中原麻衣、アレンジ:rino)

デビュー当時のCooRieのサウンドイメージを色濃く見せる一曲。アレンジは取り直しているようで、当時のCooRieの楽曲ほどシンプルな曲調ではなくなっていますが、それでもボーカルを正面に持ってくる「らしい」一曲です

5.心の窓辺にて(原曲:花澤香菜、アレンジ:戸田章世)

作品のテーマに合わせたような、水面が揺れるような旋律が印象的な一曲。CooRieの楽曲ではあまり使われないメロディーなのにCooRieの楽曲に聞こえてくるのはアレンジの力でしょうか。アレンジはお馴染みの戸田章世さんです。

6.Brand-new Season(原曲:折笠冨美子、アレンジ:東タカゴー)

こちらはオーソドックスに優しさを魅せる、ゆっくりと聞きたい一曲。微妙に鮮やかなアレンジで聴くCooRie(rino)のボーカルもまた素敵です。

7.残酷な願いの中で(原曲:植田佳奈&小清水亜美、アレンジ:安瀬聖)

この楽曲もCooRieの作品としては登場しないであろう作品ですが、よく聞いていくと積極的にEDを歌っていた「旋律のフレア」の頃に見えていた楽曲のイメージと、最近の楽曲で使われるアレンジのmixである事が判ってきます。そう、一番CooRieのボーカルが聞こえていた頃の流れが続いていれば…。

8.ナミダで咲く花(原曲:小見川千明、アレンジ:嘉多山信)

6曲目の「Brand-new Season」同様、キャラソンらしい一人の女の子の想いを独唱で奏でていく作品にはCooRieのカラーが色濃く出てきます。こちらはパーカッションとバイオリンの旋律が普段のCooRieの楽曲とは違った印象を与えます(弦楽編曲勉強中でしたよね…)。

9.君と愛になる(原曲:織田かおり、アレンジ:佐藤五魚)

3曲目の「いじわるな恋」と同じ、佐藤五魚さんの可愛いアレンジがCooRie(rino)のボーカルの魅力を引き出していく一曲。こういう曲は心を穏やかにしてくれますよね。

10.陽だまりドライブ(原曲:堀江由衣、アレンジ:長田直之)

この曲も原曲の作品の可愛らしさがストレートに表現されている曲ですね。華やかでpopなアレンジが可愛らしさを更に引き出しています。原曲とは異なるハーモニーを聴けば、あCooRie!なのです。こちらもCooRie(rino)とコンビを組んでいた長田直之さんのアレンジです。

11.透明な羽根で(原曲:高垣彩陽、アレンジ: 黒須克彦)

ボーカルによって原曲と大きくイメージが変わったのではないかと思える一曲。CooRie(rino)のちょっとウェットなボーカルが曲調のリズムに僅かにしっとりとした落ち着きを与えているようです。

12.PIANOTE(原曲:飛蘭、アレンジ:rino)

最後の一曲はシンプルなピアノの独唱です。CooRieのアルバムでも必ず最後の一曲として入れて来るピアノの独唱とメッセージ性の高い歌詞は、rinoそしてCooRieの作家性を最も強く印象付けるところです。

生み出されてきたすべてのメロディーを紡いでくれたピアノに感謝を込めて、そして明日も素敵なメロディを我々に奏で続けてくれることでしょう

<おまけ>

このページ内で取り上げている、CooRieの10周年記念作品についての感想です。

CooRie10周年(大好きなアーティストの作品への想い)

CooRie10周年(大好きなアーティストの作品への想い)

今日はちょっと脱線して大好きなアーティストさんの話です。

「アニソン」と聞くと、どのようなイメージをお持ちになるでしょうか?

お子様向けの童謡でしょうか、それともオタク御用達の電波系サウンドでしょうか。

どちらも正解だとおもいますが、そんなちょっと特殊なジャンルに思えるアニソン一筋でデビューから10年にも渡ってしっとりと歌い続けていらっしゃるアーティストさんが今夜紹介するCooRie(アーティストさんの名前ではrinoさんですね)です。

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アニソン出身故にいわゆる「タイアップ」でデビューしたCooRieの曲を最初に聞いたのはもちろんアニメのエンディングテーマ曲としてでした。

そのボーカルは今にも折れてしまいそうなか細い声量をいっぱいにエフェクトでカバーするというまさにタイトロープのような歌唱で、優しさを感じるけれども決して印象に残るアーティストではなかったと思います。

特にこの時期(2003年ごろ)は声優ではない無名のアーティストがアニソンでデビューするというパターンが比較的多く、同時期のデビューで現在ではアーティスト活動を止めてしまった中の一人として埋没してもおかしくない位、印象の薄い曲でした。

そんな中で、デビュー2曲目としてアニメのオープニング曲を射止めた「流れ星☆」が原作の持っていたほのぼのとした素朴さと、クラシカルでpopな曲調とオープニング曲ゆえのスケール感に合わせようとそれこそ必死に歌唱するボーカルの純朴さのマッチングが妙に心に引っかかるようになったのです。

そして3枚目の「未来へのMelody」。再びエンディングに回ったその曲調は作品が持っていたファンタジーさとちょっとした切なさを上手く表現、ボーカルも前の2曲と比べると見違えるようにマッチング、ちょっと心もとないナイーブともいうべき声質もさらに切なさを引き立てる「聞かせる」サウンドに変貌していたのです。

その頃、仕事に行き詰まり、閉塞感の真っ只中にいた自分をある意味癒してくれたその切ないサウンドにアニソンという枠を意識せずに好きになったのです。

結局、仕事を一度辞めて再び別の仕事を始めるまでの不安定極まりない時期、八ヶ岳の南麓に移り住んで再び仕事を始めたころの不安や、緊張、どうしようもない寂しさを癒してくれたのが、切なさを訥々と奏で続けるCooRieのサウンドだったのでした。

そうやって掘り出し物的にちょっと気に入ったアーティストが見つかると長く活動して欲しい、多くのファンになった方々はそう願う事でしょう。もちろん、私もそうです。

しかしながらアニソン歌手や声優出身の方がアニメの曲を歌う場合、いわゆるボーカリストとして参加する場合が多く、タイアップ故に作品が終わってしまうとそのボーカルが聞けなくなってしまうことがままあります。

CooRieが同じような運命を辿らなかった大きなポイント、それはボーカルのrinoさんがデビュー当時から作詞、作曲を手掛ける「シンガーソングライター」だったことではないでしょうか。タイアップもオリジナルもすべて作詞作曲を行い(現在は一部の編曲も)、あらゆるアニメタイトルに楽曲を提供する。その中で自分のボーカルも織り交ぜるという、作家としての一面があったからこそ、息の長い活動が続いているのだと思います(間違いなく伊藤真澄さんの系譜を継いでらっしゃいますよね)。

その作品性が最も強く表れているのが2枚目のアルバム「トレモロ」に収められている「心編み」だと思います。

切なく、内証的なボーカルから奏でられるそのメッセージはあまりにもストレートに心模様を語っていきます。「バイトした朝のコンビニで レシートの裏 綴った詩 ジーンズのポケットに集めて 帰り道見た蒼空」

「自信なんてない それでも 決めたんだ この場所で夢を奏でるよ」

一人都会を飛び出し、頼れる物をほとんど持たないままに残業と徹夜に明け暮れながら何とか自分の「居場所」を見つけ出そうと足掻き続けていた時、このフレーズに何度も励まされたのでした。

そして、エンディングテーマにもかかわらずシングルとして最もランキングの高かった「優しさは雨のように」。丁寧なサウンドメイク(CooRieの作品はその温かい感じを大切にしたいからでしょうか、予算的に厳しいアニソンにも関わらずほとんどの作品のレコーディングでストリングスが加わります)、作品のイメージを最大限に表現した切ないボーカルと歌唱、そして歌詞が一体となった素敵な一曲です。

「I Believe 涙の向こうで待つ光 上弦の月が照らす 孤独に咲いた強がり 摘まないで 迷っても必ず行くから」

切なさをシーンに織り込んだこのフレーズを聞く度に「もう一度がんばろう」と思えてくるのです。

(ちなみにCooRieの作品はそのサウンドの方向性からオープニングより作品の印象をしっとりと落ち着かせるエンディングに採用される事が非常に多いですね)

最近はアーティストとしての活動より作家としての活動が多くなったCooRieですが、それでも時折リリースされる切なさを帯びた、そして年を追うごとに膨らんでいく「優しさ」を添えたボーカルとサウンドをこれからも密かな楽しみにしていきたいと思います。

彷徨い、定見定まらず、未だ青二才の感が抜け切れない揺れ続ける私の心を支え、癒し続けてくれたCooRie(rinoさん)のサウンドがこれからも末永く聞けますようにと、いちファンの小さな願いです。

続編です : CooRie 10th Anniversary BEST ALBUM ‘Brilliant’