キーボードギミックと言えば(往年の迷機、バタフライPCことThinkPad701c)

キーボードギミックと言えば(往年の迷機、バタフライPCことThinkPad701c)

タブレットの流行ですっかり脇役に追いやられた感の強いキーボード。

でも、文字入力やゲーム用としてキータッチに拘った高級外付けキーボードが良く売れたり、Bluetoothの定着によってタブレットとキーボードの連携運用も当たり前になってきました。

そんな中で、昨年末に登場が予告されたキングジムのPortabook XMC10。

 

 

価格帯も用途も全く違いますが、コンセプト的には、あれのテイクオーバーだねとすぐ判ってしまうのがキャリアの長さゆえの悲しさ。そんな訳で、年末に自宅の倉庫を漁って出て来た一台をご紹介。

tp701c-1電源は入るのですが、残念ながらシステムエラーで立ち上げる事はもう叶わなくなってしまった、往年のThinkPadの中でも異端な一台、ThinkPad701cです。お分かりのように、キーボードが大胆にも本体から大きくはみ出しています。

当時のThinkPad、ライオスのThinkPad220があったり、大和開発モデルの530やChipCardやウルトラマンPCと呼ばれたPC110があったりと、バリエーションの大発散状態(または進化の大発展期)だった訳ですが、こちらは米国本社企画製品群のトップレンジに付される、7xx系列のプレミアムモデル。

発売当時は75万円という信じられないような価格(当時、ThinkPad7シリーズでカラーLCDモデルの中には100万円超えるモデルもありましたし、Macも似たようなものでしたから…はぁ)、しかしながら後述の理由で、T-Zone名物の投げ売りモデルに成り下がった購入時は20万円弱で買ったような記憶があります。年始の売り出しで購入して、大急ぎでWordPerfectとLotus1-2-3だけをインストールして、ひたすら学位論文を書くためだけに「使い捨てた」一台でした(あのときのWindows版のWordPerfectはバグだらけだった)。

tp701c-3蓋を閉めた状態。

サイズはちょうどB5サイズ位になりますが、厚さはけっこうあります。

当時はThinkPad購入者にオリジナルのネームプレート(個人名を入れてくれます)をプレゼントするサービスがあり、こちらも手前に液晶の縁に取り付けてありますが、そんなプレートが付けられるくらい、液晶側の蓋の厚さがありますね。今のモデルと見比べるとかなり分厚く思われますが、それにも訳があります。

スペックは80486DX75MHzという、今となっては気の遠くなるような貧弱なスペック。液晶はTFT-VGA(640×480)でしたが、カラー液晶自体がまだ貴重だった当時としてはかなりの豪華スペックです。ちなみにシールが貼られているように、末期にはこの個体にOS/2とブートマネージャーを突っ込んでOS/2 (include Windows3.1) ,Windows95のデュアルブートにして使っていました。

tp701c-4キーボードのアップ。

本体の側面からキーボードが飛び出しているのが判るでしょうか(黄色い補助線の外側)。

それ以外は、当時のミドルモデル、一回り大きなセミA4サイズのThinkPad600とほぼ同じキーボードレイアウト(7xxシリーズはA4ファイルサイズと呼ばれるサイズ感です)と、キーの打感を持っています。

ほぼA4サイズの名機ThinkPad600のキーボードサイズと機能を、一回り小さいThinkPad530(時代は逆ですが)とおなじフットプリントで実現する…これがThinkPad701cのコンセプトであり、ある種の限界の原因でもあります。

tp701c-2この本体からはみ出したキーボードを収容するギミックがThinkPad701cの真骨頂。

バタフライPCと呼ばれた、蝶の羽をイメージした特異な機構を本体に仕込んであります。機構を動かすための軸となるのがこちらの太い液晶ヒンジに彫り込まれたスプリット。メカにご興味のある方なら、あぁ、と頷かれるかもしれませんね。螺旋スリットに合わせて直動軸を動かすギミックを作り出すキーとなる部分です。

このごついスプリットの中に液晶へ向かう配線がきっちりと収められている事もあって、後のThinkPad570が苦しんだ、液晶配線切れが多発するようなトラブルは皆無だったようです(ThinkPadの液晶ヒンジがアルミ製になったのはThinkPadが2桁Noモデルになった後)。

tp701c-6ちょっと汚くて申し訳ございませんが、このように液晶の蓋を閉めていくと、キーボードが斜めに分割して、右側のキーボードが上にスライドしながら、左側に寄っていきます。左側のキーボードは本体の前縁をそのまま右にスライドしていきます。

tp701c-5キーボード部をアップで。

スライドしたキーボードの右側はそのまま本体の奥側にスライドした状態で格納されます。液晶側が平面で、キーボード自体が最初から沈ませて配置されている今時のノートPCと異なり、液晶蓋側の側面がカバーとなって、キーボードを保護する形になっています。

キーボードのストロークを減らすとことなく、キーピッチを詰めることなくフルサイズのキーボードを搭載することに成功したThinkPad701cですが、一方で、キーボードを本体内に格納する必要があった事もあり、本体の厚みが増してしまうという弱点も抱え込むことになります。

そして、もう一つの弱点、ノートPCを使っている方なら誰しも悩むパームレストの存在。単に手の甲を置くという機能性の欠片のない部分にも拘わらず、歴代のThinkPadでは機能性の観点や熱の問題、更には塗装剥げ(ないしはコーティング剥がれ)で常に話題となる重要な単なる手置き台。このモデルでは、その特異な機構ゆえにパームレストが全くないという大きな問題が生じてしまいます。

キーボードを本体の下に収納する必要があるが、手前側にボディを伸ばす訳にはいかず、結局キーボードを収納するスペースを本体奥側に確保したわけですが、そのために本体手前側スペースが窮屈になってしまい、ボディの厚さも加えて、常に手首を浮かせたままでキーを叩くという、ユーザーにとって苦痛を強いる構造となったのでした(私はOS/2のノベルティ品のパームレストを愛用してました)。

革命的な機構によって実現したフルサイズキーボードの搭載とサイズの縮小化。一方で、優秀なキーボードを搭載する為に犠牲となった本体の厚さとパームレストの存在。その二つが同時に欠ける事はキーボード入力を常に重視してきた欧米のビジネスマンにとって耐えられないトレードオフであったようで、法人を主力とした本来の販路での販売は低迷。サイズの小ささに重きを置かない顧客層がターゲットだった欧米では早々と消え去り、ギミックとサイズの小ささを重視する特異な市場である日本で販売が継続されていましたが、最後は大量な法人向け在庫を処分する為に、前述のように特定販売店でコンシューマー向けに投げ売り状態となってしまったようです。

トップレンジでも、701という異端モデルを表す01のナンバリングの呪縛から逃れられなかったこのモデル。キーボードを本体からはみ出させるギミックは、その後もThinkPad S30でトライされることになりますが、最後まで地位を得ることができませんでした。今とは違って、各社設計もまちまちでさまざまな展開を見せていた当時のノートPCたち。中でも、当時のThinkPadたちの小型化コンセプトより、技術的には同水準でも、その後に出て来た、国際的にも人気のあったDECのDigital HiNote ultraのコンセプト(薄い本体、表示エリアを確保する為のやや大きめの本体サイズ、パームレスト装備の広いキーボード、センターに於かれたトラックボール)が、紆余曲折を経ながら辿り着いた現在のノートPCの基本コンセプトを完全に 整合している点と比較すると(トラックボールはパッドへ)、ギミックに訴えたそのアプローチの違いは際立ちます。

今回登場したPortabook。小さなボディサイズのトレードオフとしての小さな液晶サイズ、解像度と、分厚い本体と浮き上がったキーボード。パームレストのエリアを少しでも確保するための光学式ポインター。これらのコンセプトは全く以てThinkPad701cと同じもの。そのコンセプトからは明らかにThnkPad701や往年のThinkPadたちが放った、拘りのガジェットといったオーラと同じものを感じさせますが、一方でThinkPadが持ち合わせていた、道具としての所有欲が湧くような品質感を全く感じない点(これをキングジムに求めるのは酷かもしれません)は如何にも残念でもあります。

ギミック的にはPortabookは凄く好きなのですが、商品としての完成度と使用感といった意味ではこちらのSurface bookが2016年的には本流なのかもしれません。

とりあえず、実機が触れるようになったら、触ってみて試してみたいと思います。

 

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7台目のThinkPadは570を思い起こすシンプルさ(ThinkPad T440sとこれまでに使ってきたTシリーズを)

7台目のThinkPadは570を思い起こすシンプルさ(ThinkPad T440sとこれまでに使ってきたTシリーズを)

豪雪に参らされていた今年の2月中旬。雪かきに翻弄されている中、実は、これまで使っていたPCも危機に瀕していたのでした。

長くThinkPadを使われているユーザーならご存じの、真っ赤に染まる液晶ディスプレイ。要はインバーターの劣化なのですが、中古で入手したThinkPad T60にもいよいよその兆候が。

インバーター劣化で赤色になるThinkPadのバックライトこれまでの経験では、この状態になっても、1年くらいは我慢してインバーターが暖まるのを待てば元の表示に戻るはず…だったのですが、今回は発症後早々2週間ほどでバックライト自体が消灯してしまうパターンに突入。これはたまらんと、PCを買い換える羽目に陥ったのでした(インバーター自体は交換できるのですが、大体3~4万円くらい必要です)。

普段であれば、ThinkPadの良質な中古を扱っていることで評判の高い、Be-stockさんで中古の良品を探すのですが、今回は出物が見つけられず。実に10年ぶりに新品のPCを購入です。

買うからにはThinkPad使い、それもスクエアスタイルのA4フルサイズ使いとしては、同じようなモデルを狙いたいのですが、もはやそのようなモデルは存在せず。現在主流の横長ThinkPadを購入することになりました。

ThinkPad T440sのフロントパネル増税前に購入者が殺到していたのでしょうか、それともBTOで変なモデルを選んでしまったのでしょうか。発注から実に3週間かかってようやく手元に届いた、7台目のThinkPadがこちらのTHinkPad T440sです。実に横長です。通常のA4サイズのThinkPadに慣れた目には、ペンケースのように見えてきます。

表面の質感は、ご覧のように高級モデルのThinkPadでおなじみのバックスキンではなく、さらっとした質感の樹脂でできています。色も漆黒というより、ライトグレーに近い黒です。このあたりはトップモデルであるX1 Carbonと明らかに差別化されてます。

ThinkPad T440sパネル表示液晶パネルを開くと、横に間延びした液晶画面と、キーボードの周囲に広がる無駄な空間。無駄な空間を更に助長する広大なパッドエリアが目を引きます。そして、ThinkPad名物であった7段レイアウトのキーボードが、こちらのように6段レイアウトに変更になっています(キーボードはBTOで英語版です。ちなみにAXレイアウトのキーボード設定をレジストリに書き込むと、ファンクションキーの1から3に割り振られているミュートとボリューム上下の機能が効かなくなってしまいます…涙、何とかせねば)。

もはやパッドベースでの操作を基本とした構成になってしまったThinkPadですが、ThinkPadを購入する最大の理由が、トラックポイント故のホームポジションから手を離さなくても操作が続けられる快適な操作性なので、大いなる矛盾を感じてしまいます(BlackberryがOS10に移行した際に、キーボード操作からタッチ操作に移行しようとして、そっぽを向かれたのと同じです)。

更に、トラックポイント用の3ボタンが全く無くなってしまい、パッド自体を押し下げてクリックする形に変わっています。

ThinkPad T440sタッチパッド押し下げこんな感じで、パッド自体が押し下げられるのですが、ユニット自体を押し下げるために「ズシン」とくる、重たいクリック感に違和感を感じられる方も多いのではないでしょうか。ただ、慣れてしまうと、押し下げ位置をかなりイージーで済むことに気がつくので、通常の操作ではそれほど気にならなくなります(むしろ、クリック位置が適当で済むために、ざっくり操作するには適しています)。

ThinkPad440sのパッドエリア選択1ThinkPad440sのパッドエリア選択2ThinkPad440sのパッドエリア選択3

こんな具合で、左右ボタンの配置比とセンターボタン使用の有無が選択可能です。パッド単独ですと、指ジェスチャーなど、更に多彩な操作方法が選択できるんですが…どうやって使うか考えてしまいます。

ThinkPad T440sとX61 tabletの液晶比較操作系には旧来のThinkPad使いとしてはいろいろ不満もありますが、表示エリアはさすがに広く、見やすさも隔世の感があります。同じような「目つぶし表示」で恐れられた、12.1インチで1400x1050pixelを誇るレア機、X61 tabletと比較しても、14インチでT440sの1920x1080pixelの高精細表示はアイコンの表示はむしろ大きめ目、横長の表示エリアは圧倒的です。但し、横長液晶の宿命として、視線が上下ではなく下側に落ち気味になり、猫背を助長するため、肩こりには要注意かも(笑)。重量もタブレット機能を有するX61 tableよりT440sの方が軽く(X61 tabletは2kgほど,軽量バッテリーで1.8kg、T440sは2バッテリーで1.6kgです)、ボディのサイズにも関わらず、軽快に使用することができます。

このように、ちょっとチープな外装は、質素。しかしながらボディの割には1スピンドルに押さえたことで重量は軽めの仕上がり、更に表示エリアは充実しているというThinkPad T440sですが、これと同じようなコンセプトで登場したThinkPadが過去にもありました。1999年に登場したThinkPad570と呼ばれるモデルです。

当時のThinkPadラインナップは高級かつ重量モデルの2スピンドルの700シリーズ、重量と機能のバランスを最大限考慮した2スピンドル高機能ノートPCの金字塔だった600シリーズ、1スピンドルで廉価版の500シリーズ、リアルモバイルの200シリーズというラインナップでした。その中で、非常に評価が高かったにも関わらず、高コストだった600シリーズの機能性のうち、A4サイズの使いやすさと、XGAの液晶表示エリアを継承しつつも、内蔵CD-ROMドライブを諦めてドック化したことで、軽量、薄型を達成。外装部分をThinkPad特有のバックスキン(当時、アームレストの部分はアルミパネルの上にゴムを引いて、その上に表面処理を施すという凝りよう)処理を止めることで、比較的安価な価格で提供することを可能にした、ThinkPad570はビジネスモデルとしてはかなりの成功を収めたようです。

かくゆう私も、サラリーマンになって最初に自分のために(いや、ほとんどは仕事で使っていたなあ)買ったThinkPadが570でした(夏のボーナスを全額はたいて、秋葉原のT-Zoneで買ったのも懐かしい思い出)。ほとんど毎日持ち歩いて、出張先の現場でも酷使した挙げ句、当時は加入できた国際保証をフルに使う羽目になった(正確には、当時のThinkPadには液晶ヒンジの強度不足という致命的欠陥があり、中を通しているケーブルが断線するトラブルがかなり発生していました。現在のThinkPadの液晶ヒンジが他のメーカーと異なりアルミの削り出しでできた堅牢なヒンジを用いているのは、当時の苦い設計上の失敗を踏まえての採用です)ほろ苦い思い出もありますが、当時としては珍しい、すべてのインターフェースを有した上で、A4フルサイズでXGAの液晶を搭載し、薄く、軽量(1.6kg)の570は、デスクと同じ作業を社外で行うことを常に求められる、フィールドサービスやセールスエンジニアを行う身にとっては、実に便利な一台でした。

そんな、面白味はなくても、質実剛健で便利なThinkPad570をそのまま現在のThinkPadのフォーマットに乗せたのがT440sのように見受けられます。T60までのTシリーズが背負っていたコンセプトのうち、薄型高級路線はX1 carbonへ、2スピンドル必須の方への需要はT400/500シリーズへ振り分けたおかげで、1スピンドルモデルとして、かなりバランスのよい構成になっています。重量と厚さの問題は1スピンドル化で緩和、高級路線と極端な薄型化を狙わなかったおかげで、EthernetのコネクタやCRTのケーブルは標準品が使用でき、ThinkPadの美点でもあるHDDの交換も依然として対応しています(SIMカードスロットが国内向けは殺してあるのは明らかに不満ですが)。広々としたキーボードはA4サイズのノートPCならでは。設置スペースを気にする日本国内ではより小さなB5サイズの方が人気が高いようですが、打ちやすさはこちらが圧勝。液晶サイズも見やすく、高解像度が得られる14インチが選べるのも大きな利点です。

現行のThinkPadシリーズの中でも地味かもしれないT440sですが、場所を問わず一日20時間以上をキーボードと格闘することを求められる、徹底的にPCを使う人間にとっては、実は非常によいモデルかもしれませんよ。

八ヶ岳南麓に連れてきた歴代のThinkPadたち1八ヶ岳の南麓まで連れてきた、歴代のThinkPadたち(と、紛れ込んでいるVAIO-U)。

これまでのThnkPad遍歴など。

  • ThinkPad701c(1996年1月)所謂「バタフライPC」T-Zoneアウトレットの年初売り出しで入手した一台。論文を自宅に籠もって執筆するために慌てて買った、最初のThinkPad。アームレストがほとんど無く、あの特殊な「広がるキーボード」は決して打ちやすいものではなかったのですが、トラックポイントの操作性の良さに惚れ込むきっかけになった一台。現在も実家に保管しています
  • ThinkPad570(1999年7月)前述の通り、2度の液晶ケーブル切断、最後はPCカードスロット部の柱が折れてしまいましたが、それでも使い続けた愛着のある一台。現在も実家に保管中
  • ThinkPad T21(2002年12月、右の後ろ)570がフレームぐらぐらで持ち歩けないほどの状態になってしまったので、現金問屋で購入した型落ち品。ThinkPadらしいバックスキンのボディと、2スピンドルの正当派ThinkPad。こちらも毎日のように持ち歩いて使っていましたが、ThinkPadのもう一つの弱点でもあるインバーター劣化によるバックライト赤焼けに長く悩まされることに。最終的にはインバーターを交換。前職の仕事の思い出がぎっしり詰まっていることもあり、転職後はほとんど触ることがなくなってしまいました
  • ThinkPad T40p(2005年10月、右後ろから2台目)前述のようにT21を使わなくなった後、VAIO-Uだけ使っていたのですが、流石に長文を打つのに支障があるために、中古で購入。このモデルから液晶解像度がXGAからSXGA+(1400×1050)へ。広大な表示エリアと高速な画面表示を併せ持つ、デスクトップライクな一台。重量もぎりぎり持ち運べる2.2kgだったこれまでのT21に比べるとかなり重たい2.4kg。従って、ほとんど持ちあるくことは無くなり、デスクトップ代用でしたが、トラックポイントのおかげで、机が広く使えるのはThinkPadの変わらない美点。歴代で最も長く使ったThinkPad
  • ThinkPad T61tablet(2010年12月頃、中央正面)主に社外でCADを使うために中古で購入。タブレットには殆ど興味が無く、高解像度の12.1インチ液晶に惹かれて買ったのですが、持ち歩き用には2スピンドルの割には軽量コンパクトなHPの2400ncも持っていたので、今一歩、使用機会に恵まれないかわいそうな一台。購入直後にWindows vistaからwindows7に載せ替えていたので、windowsXPを載せている2400ncの代わりに、今後は持ち歩きにも使うかと(でも、重量的にもバッテリー駆動時間的にもT440sの方が有利なのよね)
  • ThinkPad T60(2012年7月、左から2台目)ThinkPadを長く使っていると問題となってくるもう一つのトラブル、ファンの異音が真夏を迎えてファン酷使が続くT40pでも遂に発症。CRCでかわしたものの、過去最長の7年を過ごしたT40pからスイッチするため、またしても中古を購入。しかしながら歴代最短の2年を経たずにT40pより先にダウンしてしまうという、悲しい結果に。昨年夏には電気スタンドをキーボードに落下させて、キーを破損(パンタグラフが折れる)させるという、いろいろな意味で薄幸だった一台。高解像度のスクエアタイプThinkPadとしては実質的に最後のモデルだったので長く使いたいと思っていたのに…
  • ちなみにThinkPad701cとThinkPad570を購入する間に、所謂「チャンドラー2」(原型機の方)も買っていたりしました(出張で酷使しすぎたので、すでに手元には残っていませんが)ので、正確には8台目かな

歴代ThinkPadの幅比較歴代ThinkPadの幅比較。左からT21,T40p,T60,T440s。ちょっとずつ幅広になっていったのが判ります。T440sで一気に幅が広くなりました。

歴代ThinkaPadの奥行き比較歴代ThinkPadの奥行き比較。左からT21,T40p,T60,T440s。奥行きの方も歴代モデルでちょっとずつ長くなっているのですが、横長液晶採用のT440sは流石に一気に短くなっています。

歴代ThinkaPadの厚さ比べ歴代ThinkPadの厚さ比べ。下からT21,T40p,T60,T440s。T60までは徐々に厚くなって、T440sで一気に薄くなったことが判ります

ThinkPad T60とThinkPad T440の厚さ比較ThinkPad T60とThinakPad T440sの厚さ比較。T440sの液晶を含めた厚さがT60のボディの厚さとほぼ同じです。薄型化技術が進んだ証拠ですが、比率を考えると、液晶パネルの薄型化に驚かされます。その余波として、これまでのThinkPadが堅持してきた、液晶パネルヒンジのロック機構が無くなってしまったのは少々残念です。

ThinkPad T60とT440sのキーボード比較最後にThinkPad T60とThinakPad T440sのキーボード比較を。

非難の多い縦6列配置ですが、それほど違和感なく使えています。横長(T60と比較すると約25mm)な事もあり、キーボードのピッチは余裕たっぷり。ストロークは少々浅めですが、悪くはありませんよ。英語キーボードはやはりシンプルで気持ちいいですね。

<悲しいこぼれ話>

中級モデルの宿命なのでしょうか。ThinkPad570を使っていた時も悩まされたトラブルにT400sも突入してしまいました。

購入してから2か月ほどして、時折スピーカーからブッッという異音が出て、なんか変だなあと思いつつ、8月に入ってから、LCDの開閉でサスペンドに入らなくなって暫くした夏休み最後の日曜日の朝。

サスペンドからの復帰でWindowsのウィンドウが正常に表示されなくなったので電源をOFFしたのを最後に二度と電源が入らなくなってしまったのでした。

まさか、HDD交換が出来るモデル選んでおいた選択が、こんな形で役に立つとは…。そして、HDDのデータを引き出すために裏パネルを外そうとしたとき、ある場所のネジを回そうとするとグラグラと…(涙々)。修理結果は予想通りで、とことんケーブルと相性の悪い私です。

結果的に4週間近くの入院となって帰ってきましたが、その間は予備機のX61Tabletのファンの轟音に悩まされながらの日々でした。

TP440s修理記録修理報告書と無事に帰宅したT440sを。

往復送料無料の佐川引取りで修理してくれますし、修理進捗はWEBで確認できますので、対応自体は決して悪くないのですよ。

組み立ての問題は…嗚呼。

ちょっと古い小物達(ChipCard VW-200)

ちょっと古い小物達(ChipCard VW-200)

昨夜に引き続いて古い小物の棚卸し。

今のIBM(いや、違ったLenovo)からは絶対出ないであろう一品。ChipCardのお話。

当時のIBMは垂直統合スタイルを標榜していたため、外出先のビジネスマンをサポートするためのガジェットに非常に注力していた。ThinkPadの始祖であるPS/55 noteとそれを成立させるための液晶部門とHDD部門、超小型PC(ウルトラマンPCことPC110)、所謂チャンドラー(IBMとリコーの合弁であるライオスシステムでしたっけ)、一時期はPalmも扱っていましたね。

その中でも異色の一品が、こちらのChipCard VW-200です

Chipcard

見てお判りのようにPCカード(今や死語)スロットに直接挿入することでノートパソコンとPIMの連携を行う事が出来る結構便利な電子小物。

サイズは広げるとPCMCIA(PCカードの規格ですね)TYPE-2の規格Size、折りたたむと丁度TYPE-3の厚さに収まり、ノートパソコンのTYPE-3スロットに折りたたんだまま挿入数することも出来たようです(試したことないですが)。

本体にボタン電池が内蔵されているため、単独でもスケジュールの修正やメモ書き等に使えました(漢字入力も出来たのです)。

ハードウェハのスペックはたいしたことなかったと思いますが、表示には拘りがあったようでモノクロながら240x320pixelと初期のスマホ並の解像度をこの極小Sizeで成立させる尖りようで、当時の携帯では困難であったボリュームのある日本語メッセージの閲覧も楽々でした。

筐体の質感にも拘りがあり何とThinkPadの表面処理と同等のスキンコートがされており、ThinkPadの弟分としてしっかりキャラクタライズされている点からも当時のIBMのポリシーが窺えます。

アプリケーションについては殆どありませんでしたがPC連携用のアプリケーションは多少出回っており、実際に溜まったNiftyのLog送り込んで、を車内で読むには丁度良い塩梅でした。

全く同一スペックのハードウェアをPHSに組み込んだ(今みたいに「PHSを」ではなく「PHSに」です)DataScopeなんて物もあって、当時としては非常に先進的な「通信できるPIM端末」として一世を風靡していました。

しかしながら、IBMの狙いはあくまでも「垂直統合モデルを成立させるためのone item」としての位置付けであり、企等で採用された場合には専用アプリがバンドルされてカスタマイズモデルとして供給されていたはずです。

そのようなビジネスモデルを執る中、コンシューマー向けにわざわざ市販してしまう当時のIBMの心意気はファンとして楽しい限りでした(IBMユーザーの溜まり場と言えばPS/Plazaと呼ばれた若松の地下1階とT-Zoneでしたね。こちらはミナミに移った頃のT-Zoneで購入)。

発売はwiki先生をご覧頂ければ判る通り1996年と15年以上も昔の話、Windows95が大躍進した時の物語です。

まだパソコンが企業でも一人一台となっておらず(CAD室という言葉とドラフターが現役)、論文作成のために大枚叩いて買い込んだThinkPad701cとこいつを持って会社でnifty経由でメールを打ったり、PC98の一太郎に持って行く文章のドラフトをWord Perfectで打っていたのを好奇の目で見られていた頃に、PCとのドック連携と高精細液晶によるPIM/viewerを成立させていたのですから極めて先進的な電子小物だったと思います。
(ちなみに最初に在籍していた会社でメールが使えるようになったのはその翌年頃からでした)