遅い梅雨入りを前に、空を見上げて(2024.5.25~6.15)

早い暑さの訪れから、5月の末にはすぐにでも梅雨入りしてしまうのではないかとも思われた早い季節の移り変わり。でも、空と山が織り成す季節の進みはそう単純には進まないようです。例年より遅い梅雨入りを前に繰り広げられる、空の彩と共に。

眩しい日射しが降り注ぐ週末の昼下がり。綺麗に鋤かれた圃場の水面にまだ新緑鮮やかな甲斐駒が映り込みます。二毛作は望めない寒冷な八ヶ岳山麓。平地より早く進む山里の田植えは、もう最終盤です(2024.5.29)

寒気が入り込む冷たい雨の日と、抜けるような青空と共に暑く眩しい日射しが降り注ぐ日々が繰り返す少し極端な空模様が続く中。好天の朝から一転して重たい雲が空に広がる夕暮れ。西の稜線から赤く染まる光芒が射し込んでいきます。

塩嶺に沿って伸びる雲と上空の分厚い雲の狭間から真っ直ぐに伸びる眩しい夕日。圃場に植えられた苗に長い影を落としていきます。

赤々とした光に包まれる夕暮れ。

眩しい夕暮れの日差しが雲の隙間へと下った後、重たく広がる雲から雨粒が落ち始めてきました(2024.6.1)

梅雨に入っていないとはいえ、不安定な天気が続く6月。雨上がり、南アルプスの稜線には真っ白な雲が湧き上がります。

眩しい日射しが降り注ぐ昼下がり。真っ白な雲を乗せた八ヶ岳のシルエットがまだ若い苗が並ぶ圃場の水面に映り込みます(2024.6.10)

6月とは言え、雨が降ると気温が下がり、澄んだ青空も広がる朝。麦秋、甲斐駒を望む八ヶ岳の裾野一面に広がる麦畑。

熟した麦の穂が風にそよぐ朝。

甲府盆地を包む雲海の向こうに富士山が顔を覗かせています。

豊穣の彩と新緑の八ヶ岳の裾野。山から下る雨が残していったひんやりとした、清々しい風を感じながら。

爽やかな朝の青空は長く続かず、午後になると雲が広がり始める6月の中旬。弧を描くように空に広がる雲を淡い残照が染めていきます(2024.6.11)

少しずつ梅雨の前触れとなる湿った空気に包まれていく八ヶ岳山麓。雲の帯が舞う中、飛行機雲が西の空へと伸びていきます(2024.6.12)

梅雨入りを前に、日一日と気温が上がっていく朝。眩しい日射しと霞む青空、一幅の涼を与えてくれる、圃場の水面を抜ける風が心地良く感じられるようになります(2024.6.14)

再び雲が広がり始めた夕暮れ。日没を前に西の空に薄く広がる雲の狭間から残照が零れだします。

八ヶ岳の東側を抜けて吹き込む冷たい風に乗って、南アルプスの稜線へ向けて一気に雲が広がる南西の空。空一面が淡い朱色に染まっていきます。

遅い梅雨入りの前。西の空で繰り広げられた鮮やかな空の彩の移り変わりに暫し、足を止めて。